チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

辺野古・設計変更申請不承認取消裁決に対して、このままの国地方係争処理委員会の争いで展望があるのか? 

2022年06月17日 | 沖縄・南部土砂問題//遺骨問題 

 昨日(6月16日)から、朝、伊波洋一さんの幟を持って通過する車に訴えるアピール行動に参加している。沖縄平和市民連絡会が、那覇市古島(国道330号線)と明治橋(国道58号線)の2ヵ所で始めたものだ。7月の参議院選挙まで続けることになるだろう。どちらも、午前7時から午前8時半まで。趣旨に賛同される方は、是非、ご参加ください。

 

 昨年11月25日、デニー知事が辺野古の設計変更申請を不承認としたことにより、辺野古新基地建設事業は大きな山場に入ってきた。

 知事の不承認に対して、沖縄防衛局長は12月7日、国土交通大臣に行政不服審査請求を行い、国土交通大臣は本年4月8日、知事の不承認を取消す裁決を行った。さらに4月28日には、「5月16日までに承認せよ」との「是正の指示」を行った。

 これに対して県はいずれも国地方係争処理委員会に審査を申し立てた。5月9日には「4月8日の不承認取消裁決」に対する審査を申立て、さらに5月30日には、「4月28日の是正指示」に対する審査申立てた。

 現時点で、後者については「県の申し出は適法」(6月7日、国地方係争処理委員会)と判断されて審理が進んでいるが、前者については「審査請求の対象かどうか未だ判断せず」とされたままである。国地方係争処理委員会は申し出から90日以内に結論を出すことになっているので、前者の申立てについてはこのままでは門前払いとされる可能性が高い(この点については、2020年3月の最高裁判決が大きく影響していると思われる)。

 県は、国地方係争処理委員会での争点を県民に十分説明する必要がある。しかし県が提出した書面は先日、県のホームページに掲載されたが、国の書面についてはいっさい明かにされていない。国の書面であっても、県が保有・管理している文書は、原則として公開の対象である(沖縄県情報公開条例では、「県、国、独立行政法人等、他の地方公共団体及び地方独立行政法人の機関の内部又は相互間における審議、検討又は協議に関する情報であって、公にすることにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に県民の間に混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当に利益を与え、若しくは不利益を及ぼすおそれがあるもの」は不開示とできるが、今回は該当しない)。本件では、県が「国と率直な意見交換ができなくなる」という理由で、県に送付された国の文書を開示しないことは理解でない。

 県は全ての書面を公開して県民に問題を訴え、広く支援を求めるべきであろう。このままでは密室の中で、県民が全く関与することなく淡々と事務手続きだけが進み、県の訴えが認められない結果となることが危惧される。

 そもそも県は、従来と同じパターンの国地方係争処理委員会、裁判という手続きだけで展望を持っているのであろうか? このブログでも何度も指摘しているように、不承認理由の追加(徳田琉球大学教授)、再度の変更申請不承認、また、「埋立変更不承認を理由に、埋立そのものを取消す」(白藤専修大学教授)等、新たな対応策を模索する必要があるだろう(たとえば5月7日のブログ)

 

 2022.6.8 沖縄タイムス

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