シャンプー。

「自分用のシャンプーを買いたいんだけど、イイかな」

突然言い出したハルトくんに、何のリアクションも取れない私。
えーと今は、君はリンスインのメリットを使っていたよね？
サキヒナも同じものを使っているよね？
私は別のシャンプーとリンスを使っているけど、スーパーで一番安いヤツ買ってるだけ。
髪が長い頃は、リンスインシャンプーだとどうにもパサついて収集つかなかったからそうしてたけど、今はもう短いから、単に惰性でそのままになっていただけ。
つまりは、あまり我が家にシャンプー事情を気にする人材はいないということです。これ前提。

そもそも君は、私が毎日必ず欠かさず使っているリンスを、「リンスなんて滅多に使わないでしょ？」と勝手に決めつけていきなり撤去し、「毎日使うわボケェ！！」と私を激怒させたようなヤツだけど。
そんな君が何を言い出すんだ、と私の目が点になったからって、何も不思議ではナイよね。

「最近、ちやのシャンプーとリンスを使ってるんだよね。サッカーで砂埃に塗れるせいか、キシキシするから」
「へえ？」
「まぁそれでもイイんだけど、やっぱり男性用のを使った方がイイのかなと思って」
「ほお？」
「ほら！　40代からの男の髪に！　みたいな？」
「ふうん？」
「そろそろ後退を食い止める対策を、と」
「別に私、ハゲに偏見はナイけど」
「あああああ、この嫁論破できねええええええええええ」

気を遣うんですってよ。いろいろと。ぷっ。
ハルトパパの頭髪状態を思い出してみても、年齢相当に減って白くはなってるけど、別に普通かカッコよく収まってると思うけどね？
寧ろ千矢父の方が清々しく寂しいことになってて、おでこはどこまでなの父ちゃんってゲフンゲフン。
なので私は、そこら辺は気にならない。

でも、落ち着いて欲しい。
私、ダメとも言ってない。（笑）
何かスッゲー高いのとかあるけど、それだけは止めて欲しいかな。
少なくとも、私に買って来いと言っても、買わないよ。