何の話の流れだったかは覚えていないが、ハルトくんに嫁から「あなた」と呼ばれることについてどう思うか、を聞いてみたことがあった。
ちょっと古風なイメージがあるし、馴染みもナイので、どちらかというと否定的な返事が来るのではナイかと勝手に思っていたのだけど。
意外にも、帰ってきた言葉は「イイねぇ、呼ばれてみたいねぇ♪(*^-^*)」であった。
へぇ、そういうもん?
ハルトくんは亭主関白を気取りたいタイプの割と古風な男でもあるので、まぁ納得できないでもナイけど。
(そのくせ、私みたいな願望を満たすに不向きな女を嫁に選んだ奇特な男)
そこで、サキタが眠った後に帰宅したハルトくんを出迎えに玄関へ行き、「お帰りなさい、あなた♪」と言ってみた。
うわぁぁぁ口にしてみたらもんのスゴイ違和感!!
しかしハルトくんは、「おっ?」という表情を見せた後、くすぐったそうににんまりと笑った。
どうやら満更でもナイらしい。
そして、鞄をそろそろと差し出してきた。
素直に受け取ると、更にまたにんまり。
「イイねぇ~♪」
帰宅すると、玄関まで出迎えに来た嫁が「お帰りなさい、あなた♪」とにっこり微笑み、仕事の疲れを労いながら鞄を受け取る…。
そんなささやかな希望を持つハルトくんだが、それをやれる唯一の立場にいる私は、残念ながらそーゆーことをするタイプの女ではナイ。
ま、思いの外喜ぶことがわかったので、ネタとしてならちょいちょいやってみてもイイかな。(ネタなのか)
「けどさ、『あなた』の使い方と言うか、呼ぶ時のテンションというか、どうにも馴染まない感じでしっくり来ないんだよね」
「うーん、ちやが言うとさ、『あなた』の意味が何か『Hey! You!』だよね」
言って欲しいのか欲しくナイのか、どっちだ。