「それ、何ですか?」
と、かんざし屋のお嬢さん。
指差してるのは私の胸元。
一瞬どきっとする。
あ、これだったか。
レセプション会場からずっと
首にかけて歩いてたのを
忘れていた。
「あ、これ、お友達のデザイナーさんが
作ったんです。
さっき発表会があったばかりで。」
「珊瑚ですよね?!とっても素敵です!
私ちょっと変わったデザインのものって
大好きなんです!」
さ、珊瑚にも見えますよねー。
木の枝のイメージだそうですよー。
などと答えながら
「これは実は福祉用に開発されたんです」と
言いかけてやめた。
お嬢さんにとってはおそらく
それは重要なことではなくて
斬新でお洒落なデザインのツールとして
興味を持ったのだし
それは、作り手の狙いが
まんまとはまった(?)瞬間で
ひそかにガッツポーズな私だった。
デザイナーの河野さんの作品に
出会ったのは数年前。
私が通っているお菓子教室の先生とのコラボで
作られた「バンダナバックル」。
非力で不器用なこどもでも
自分でしゅっと頭に装着できるよう
バンダナの端にセットして使う優れもの。
3Dプリンターで作られてるのだが
あまりその凄さにぴんときておらず
イベントでお客さんに話のついでに
そういえば、って説明したら
「え!それスゴい!
ってゆか、それもっと言ったほうがいいですよ!」
と逆に接客を正されてしまった。
ところが後にご紹介いただいた
当のご本人は
スゴさを微塵もちらつかせない
快活で楽しすぎるお方!
むしろ私にとっては
「ホワイトカレーの人」というほうが
しっくり来るくらい。
あ、ホワイトカレーについては
いつぞやも書かせていただいたので省略。
今回発表された、「opuna」は
握力が弱くてもしっかりホールドできる
工夫のなされたスプーンとフォークである。
実際に作られている
チバプラスさんの工場で
開かれたパーティに参加してきた。
この珊瑚の、いや、鹿の角の、いや、
木の枝の、(まあ多分なんでもいいんだとおもう)
部分を指やてのひらに好きなように固定して使う。
分厚い手袋をしてるときも便利だし
小さな子供にも使いやすい。
これは現在のムスメだが
小さい頃はあんまり食べることに
興味なかったようで
保育園の隠密参観(親が変装して子供にばれないように様子を見る)
では、ごはんを一口食べては右を見、左を見て、
やっとまた一口・・・というありさまで
しびれを切らした先生は後ろのほうから
清掃を始めちゃっていた。
面談で受けたクレームは
「kちゃんは、みかんの筋をぜーんぶ剥かないと食べないんですが
なんとかなりませんか」だった。
親としては、スプーンもフォークも
ちゃんと持てるようにしよう、と
ついつい思いがちで
そんなんじゃだめでしょだの
おぎょうぎわるいだの
せっかくのごはんもおいしくなくなるような
状況を作り出していたのかもしれない。
でも、これだったら
どんなふうに持ってもいいし
見た目がキャッチーだから
きっとごはんが楽しくなるに違いない。
楽しいごはん。
結局、それに尽きると思う。
老人介護の現場で
食欲というものを失っていく人にとって
最後に残された「食べる意欲」は
甘さによって呼び起こされるのだそうで
「白いごはんに、かき氷のシロップをかける」
という作戦が用いられてると聞いて
それは本当に辛いことだと思った。
食いしん坊友達のFさんに言ったら
「うーん僕にはせめてきな粉かけて欲しい」
だそうで、確かにきな粉黒蜜あんこあたりなら
私もいけるんじゃないかと思ったりした。
もちろんopunaで食べるのである。
いいでしょ、食えりゃ。とか
いいでしょ、使えりゃ。とか
その大きく一歩先にある
欲しくなるデザイン、
自慢したくなるツール。
それは、河野さんご自身が体現している
楽しさと発見に満ちた生き方を
映している。
足りないものを埋めてやるという
考え方ではなく
今の状況をより良くするという発想。
そもそも、足りないっていうのは
他者を指して自分の尺度で言うことじゃない、
人には鳥の翼は無いけど、それを嘆く人はいない。
河野さんのスピーチに
どきりとした。
「opuna」の語源は
open up!なのだそうだ。
それぞれの、閉ざされた何かを
押し開いた時に
まいにちはもっともっと楽しくなる。
だから、開こう。
と、かんざし屋のお嬢さん。
指差してるのは私の胸元。
一瞬どきっとする。
あ、これだったか。
レセプション会場からずっと
首にかけて歩いてたのを
忘れていた。
「あ、これ、お友達のデザイナーさんが
作ったんです。
さっき発表会があったばかりで。」
「珊瑚ですよね?!とっても素敵です!
私ちょっと変わったデザインのものって
大好きなんです!」
さ、珊瑚にも見えますよねー。
木の枝のイメージだそうですよー。
などと答えながら
「これは実は福祉用に開発されたんです」と
言いかけてやめた。
お嬢さんにとってはおそらく
それは重要なことではなくて
斬新でお洒落なデザインのツールとして
興味を持ったのだし
それは、作り手の狙いが
まんまとはまった(?)瞬間で
ひそかにガッツポーズな私だった。
デザイナーの河野さんの作品に
出会ったのは数年前。
私が通っているお菓子教室の先生とのコラボで
作られた「バンダナバックル」。
非力で不器用なこどもでも
自分でしゅっと頭に装着できるよう
バンダナの端にセットして使う優れもの。
3Dプリンターで作られてるのだが
あまりその凄さにぴんときておらず
イベントでお客さんに話のついでに
そういえば、って説明したら
「え!それスゴい!
ってゆか、それもっと言ったほうがいいですよ!」
と逆に接客を正されてしまった。
ところが後にご紹介いただいた
当のご本人は
スゴさを微塵もちらつかせない
快活で楽しすぎるお方!
むしろ私にとっては
「ホワイトカレーの人」というほうが
しっくり来るくらい。
あ、ホワイトカレーについては
いつぞやも書かせていただいたので省略。
今回発表された、「opuna」は
握力が弱くてもしっかりホールドできる
工夫のなされたスプーンとフォークである。
実際に作られている
チバプラスさんの工場で
開かれたパーティに参加してきた。
この珊瑚の、いや、鹿の角の、いや、
木の枝の、(まあ多分なんでもいいんだとおもう)
部分を指やてのひらに好きなように固定して使う。
分厚い手袋をしてるときも便利だし
小さな子供にも使いやすい。
これは現在のムスメだが
小さい頃はあんまり食べることに
興味なかったようで
保育園の隠密参観(親が変装して子供にばれないように様子を見る)
では、ごはんを一口食べては右を見、左を見て、
やっとまた一口・・・というありさまで
しびれを切らした先生は後ろのほうから
清掃を始めちゃっていた。
面談で受けたクレームは
「kちゃんは、みかんの筋をぜーんぶ剥かないと食べないんですが
なんとかなりませんか」だった。
親としては、スプーンもフォークも
ちゃんと持てるようにしよう、と
ついつい思いがちで
そんなんじゃだめでしょだの
おぎょうぎわるいだの
せっかくのごはんもおいしくなくなるような
状況を作り出していたのかもしれない。
でも、これだったら
どんなふうに持ってもいいし
見た目がキャッチーだから
きっとごはんが楽しくなるに違いない。
楽しいごはん。
結局、それに尽きると思う。
老人介護の現場で
食欲というものを失っていく人にとって
最後に残された「食べる意欲」は
甘さによって呼び起こされるのだそうで
「白いごはんに、かき氷のシロップをかける」
という作戦が用いられてると聞いて
それは本当に辛いことだと思った。
食いしん坊友達のFさんに言ったら
「うーん僕にはせめてきな粉かけて欲しい」
だそうで、確かにきな粉黒蜜あんこあたりなら
私もいけるんじゃないかと思ったりした。
もちろんopunaで食べるのである。
いいでしょ、食えりゃ。とか
いいでしょ、使えりゃ。とか
その大きく一歩先にある
欲しくなるデザイン、
自慢したくなるツール。
それは、河野さんご自身が体現している
楽しさと発見に満ちた生き方を
映している。
足りないものを埋めてやるという
考え方ではなく
今の状況をより良くするという発想。
そもそも、足りないっていうのは
他者を指して自分の尺度で言うことじゃない、
人には鳥の翼は無いけど、それを嘆く人はいない。
河野さんのスピーチに
どきりとした。
「opuna」の語源は
open up!なのだそうだ。
それぞれの、閉ざされた何かを
押し開いた時に
まいにちはもっともっと楽しくなる。
だから、開こう。
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