雲のむこうはいつも青空

まったりもったり~自閉症息子のいる暮らし@ちびくまママ

講演会とSOS

2006年12月07日 | 入院生活
今日は、地元の親の会の講演会に
まつこさんをお迎えしてお話ししていただきました。

司会進行役は私。私たちを知っている人にとっては
おもしろい取り合わせだったかも。
「これはまつこさんにしか話せない」という切り口いっぱいの
いい講演会になりました。大成功で、企画の中心になった私はほくほく。

ところが。
実は2、3日前からまた手足に力が入らなくなってきたように
感じていたのですが、質疑応答のときにマイクを持って
動こうとすると、もう手も足もほとんど効かないことに気がつきました。

階段の登り降りは腕の力を使って1段1段移動するのがやっと、
帰りの運転もかなり怪しい感じ。これはだめだ、また明日
外来にいかなくちゃ、多分そのまま入院だな、と気持ちを決めて
入院用の荷物をまとめて玄関に置いて、
明日ちびくまはお弁当がいるので、その用意だけ買いに行こう、と
小雨の中、向かいのスーパーに向かってゆっくりゆっくり
歩いていると、道の真ん中で突然膝ががっくり折れて、
その場に倒れてしまいました。

どうにか立ち上がれないかともがいてみるのですが、
つかまるところもなく、とりあえず四つばいになるのがやっと。
あたりはすっかり暗くなり、小雨が降りしきる中、
道端にうずくまったまま、対応を考えます。

幸い、ショルダーバッグには携帯が入っています。
これで、誰にSOSをかけるか。
救急車を呼ぼうか。でも、ここに呼んだら、マンションの
真ん前だから目立つよなあ。
ちびくまの同級生Kくんのお母さん?でも、Kくんは
もう家に帰ってるし、夕方の忙しい時間帯だしなあ。
そこで、思いついたのが、ちびくまの担任M先生。

「先生、ごめんなさい、実は家の前で転んで起き上がれなく
 なってしまって」
先生は2つ返事で学校から車で飛んできてくれました。
とりあえず、支えてもらって車に乗って。

「家に診察券と、入院用の荷物をまとめてありますから」
と鍵を渡して、取りにいってもらいます。
ところが、しばらくして戻ってきたM先生、
「ごめんなさい、お母さん、どうしても開かないの。
 なんか特殊な鍵なのね」
・・・いえ、きわめてフツーの鍵なんですけど・・・

仕方がないので、104で番号を調べて病院に電話します。
時間外窓口に繋がったので事情を話して「今から行っても
いいでしょうか?」と訊くと、
「え?あかんあかん。当直医では対応できへんから、
 救急車呼んでどこか他へ運んでもらって」

今更救急車を呼べと?これまで2回も同じ症状で入院してるのに。
で、「私は神経内科のF先生にずっと見ていただいていて、
こういうことがあったらすぐに連絡するように言われています」と
食い下がると、「うーん、じゃあちょっと待って」
しばらく待つと、主治医Fドクターに繋がりました。助かった!

また今の状態を話すと、
「息が苦しいとかはないね?じゃあ、これから来ても
 検査もできないし薬も手配できないから、
 明日朝一で入院の用意していらっしゃい。病室押さえておくからね」
「はい、じゃあ、明日よろしくお願いします。あ、先生、明日ですが
 昼前になっても構いませんか?」
「うん?何かあるの?」
「実は息子の障害児学級のクリスマス会なんです。息子が司会をします。
 小学校生活最後の発表会になるので、どうしても見に行って
 やりたいんです」
「ああ、そう。それじゃね。うん。気持ちはわかるから。
 じゃあ終わったらいらっしゃい」ドクターの声は苦笑いを含んでいます。
「ありがとうございます。じゃあ、明日うかがいますのでよろしく
 お願いします」

そのままM先生の車でタイムケアに預かってもらっていたちびくまを
迎えに行き、家まで体を支えてもらって送ってもらいます。
そして明日から入院になることを夫と実家の母に連絡しました。
M先生から事情を聞いたKくんのお母さんが、明日は家まで
迎えに来てくれ、ちびくまのお弁当も作ってくれることになりました。

家に帰ってきたちびくまに説明します。
「お母さんは、また病気が悪くなりました。明日、ちびくまくんの
 クリスマス会を見に行った後、入院します。
 またおばあちゃんが来てくれるので、おりこうにおるすばん
 してくれるかな?」
「おかあさん、またにゅういん?なんにちまで?」
「うーん、それはお医者さんに聞いてみないとわからないの」
「わかりました。ちびくまくんはおりこうにおるすばんできます」

かくして明日からの入院が確定したのでした。