雲のむこうはいつも青空

まったりもったり~自閉症息子のいる暮らし@ちびくまママ

療育手帳の更新。

2005年05月09日 | 時には泣きたいこともある。
3年ぶりに、療育手帳の更新に行きました。
5歳の、初回判定の時は、文句無く重度。
2年生の時の、更新判定の時は、「生活の難しさを特に考慮に入れて、
ややおまけ」で重度の判定。

ですが、この3年で、息子はすっかり(表面上)行動が落ち着き、
音声言語でのやりとりの力もびっくりするほど伸びました。
発達障害手帳の制度のない今、従来の「知的障碍」という枠組みで
彼を見、自閉を「人とのやりとりができない」という側面だけから
見てしまうと、息子の障碍はごく軽いものにしか見えません。

息子自身の「困り感」に寄り添うならば、判定はできるだけ重く
もらいたい、と私は思っていました。
(手帳というのは、「障碍があること」の公的証明だから)

さて、面接場所であるセンターに着くと、児相のケースワーカーさんと
心理判定員さんが待っていました。
「いかんっ

この心理判定員さん、眼鏡をかけてて、柔和な印象の男性。
モロに息子の好みのタイプだったのです。
そして、好みのタイプの人の前では、「いい子だと思ってもらおう」と
普段以上に頑張ってしまうのが、うちの息子。

案の定、「じゃあ、ちびくまくんは、こっちへ来て、
一緒にお勉強してくれるかな」の声かけに
「はーいおかあさん、いってきまーす
…息子よ、可愛いのは君のとりえだが、ここで発揮しなくても良いのだ…

カーテン越しに発達検査の様子が聞こえてくるのですが、
息子はもう、頑張りすぎるほど頑張っているのがわかります。
「そう、上手だねえ。できたねえ」
「わーい、できた、できたあ」

「…人との共感的関係もしっかりできたお子さんですね」
…息子よ、それは君の最大の長所だが、「ここでは」発揮しなくていいんだってば…

「これで終わりだよ。よくがんばったねえ」
発達検査が終わると、息子、とびきりの笑顔で、晴れやかにこういいました。
「ありがとうございました!」

私のところへ戻ってきて、
「おかあさん、ちびくまくん、おべんきょうがんばった!
ごあいさつもちゃんとできた!」
と嬉しそうに報告する息子。
「ほんとだねえ。とってもえらかったよ」
…息子よ、でも、『ここでは』そんなに偉くなくていいんだ…


結果。「検査の数値からしても、行動観察から受ける印象としても
とても重度のそれではありません」ということで、
障碍の程度は中度という判定になりましたとさ。
だ~か~ら~うちの息子は「好みの人」と「1対1」なら
ずば抜けて良い関係が持てるタイプなんですってばあ~