千字のおもい


徒然のことを千字を超えずに載せていきます。

夏の自選句 10

2018年08月07日 | 俳句をつくる


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夏の句 ~2018・8・6

2018年08月07日 | 俳句をつくる

ワイパーのスローのリズム梅雨兆す

黒猫の片目を上げて梅雨迎ふ

列島にそべっている梅雨前線

梅雨晴れ間勢ひて緑日を反す

噴水の天辺に届き落ちにけり

新しき車椅子漕ぎ風光る

三方を家居の囲む代田かな

校門を潜れない子の五月来る

乗り捨ての自転車路辺に灼けてをり

青梅や国政語る中学生

山一つ越へても一つ雲の峰

箱釣の刺青覗く袖の内      

抱へられ稚の見下ろす潦

頸筋を通る点滴夏の夜

四つ這ひに草取る庭の空に松

外孫を加へて囲む夏料理

ストローのつつく氷や細き指

更くる夜のくぐる裏木戸くもの網

福耳にピアスの光る更衣

踏石の果てに日のある木下闇

夕暮れの風鈴吊りし風の道

どこバスの間近を知らす夏の雲

誰彼を縫ふてスケボー青葉風

掛蕎麦を食レポ風にアメリカ人

幼子の早や手を伸ぶる夏昼餉

夏草やひとの住まざる門の内

ふいに鳴る風鈴の音の下り闇

薬湯の立札の湯に夏の雲

電柱に凭れて工夫氷菓舐む

抱卵の燕一途に人を見る

どこからか人の寄りくる門涼み

ばあちゃんに勝つたと孫の青葉風

あと十年生きむと勢ふかき氷

間をおかぬ赤子の号泣日雷

鉄線花今年も妻の色咲かす

素裸のままの一人居夏の夜

大蟻のわが物顔に駐車場

梅雨冷えや傘を畳みて句会場

電話して携帯探す夏怒涛

夏草や母の屍隠すなよ

新駅の高台に建つ夏怒涛

百方の萬ひまわり我を向く

子の骸地にあるを見ぬ親燕

袷着て杖に傾く立ち話

膝小僧泥湯に二つ夏の雲

軒燕じつと見下ろす朝六時

にらめっこ顔の崩れて麦こがし

風死して隣家に止まる救急車

祭笛途切れて夕餉の箸急かす

祭笛遠くに小さく手を返す

若竹や石塀潜りまた一つ

緑立つ草臥る杜の大夕立

駅裏を少し離れた盆囃子

台風の大樹揺るがす夜のはじむ

駅を出てまずカレー屋へ夏の果て

いっときに湯を溢れさせ夏終はる

風運び地下鉄の寄る終戦日

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ヒトは霊長類ゆえ霊魂はある?

2018年08月05日 | 徒然の記

 病院の待合室で読んだ雑誌に霊長類に関する記事があった。それを読んでいてふと思うことがあった。
霊長類であるヒトは火葬にされようと霊は残ると考えたいと。

実は、妻の火葬の時、台座に白骨となって妻は残っていた。
その変わりようの生々しさに霊も焼失したという思いにかられた。

霊魂は残っていないかも思いながらも、折に触れて位牌と遺影に向かい一言二言話しかけてきた。
最近は父、母の遺影にも話しかけている。

そんな時の霊長類の記事である。肉体は滅びても霊魂は残ると考えると穏やかな気持ちで仏間に座ることができる。

間もなく盆を迎えるが、今年は妻の初盆である。心を込めて妻の霊を迎える準備をしようと考えている。

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詫びることのできない昔人

2018年08月03日 | 徒然の記

 海外ドラマに恋人同士や夫婦同士で時々諍うシーンがある。その後どちらかともなく詫びて元に戻る。

私たち夫婦にも諍いあった。だが、そのことについて詫びるということはなかったような気がする。
詫びを態度で示さなくてもわかってくれるだろうという意識があったのか。くだらいな昔気質というのだろう。
激しく言い合うことがなかったためか、少し経つと喧嘩したことに触れないで普通の会話に戻っていた。妻が詫びたという場面も思いだせないが、もしかすると妻が悪いことはなかつたのか。

詫びることで別の会話があつたと思う。
今思うにもつともつと妻と会話をしたかった。会話が多ければ細やかな思いを伝えあったのに。
言わなくてもわかっているはずだと思い込んでいた昔気質を悔やんでいる。

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