千字のおもい


徒然のことを千字を超えずに載せていきます。

春の句UP 

2021年05月06日 | 俳句をつくる

昨日、5月5日は立夏。この地も桜は散り太陽が出ているなら歳時記上の夏も受け入れられる気がする。

素人域の抜け出ない俳句だが春の句をUPする。

 


 


 

春の句一覧

 

春めきて娘の買ひくれし柄のシャツ

校門の上の褪めるたる春の雪

独り居の部屋順繰りに豆を撒く

合格子の頻りなる指スマホの上

藪中の小さき流れや水の春

終バスのひそめたる息朧月

永き日の肩まで浸かる元湯かな

味噌汁の煮え立つ前の菠薐草

春雷と重なる声の届かざる

耕人を遠く見てゐる車窓かな

買ひ替ふる小振りの雛長ずる子に

無き街のセピア写真や春寒し

パスワードを忘れ届かぬ猫の恋

大股にマスク人過ぐ春の雲

強東風へ斜めに構へ向かひけり

敷石につまづく傘寿百千鳥

燈明に読めし戒名桃の花

杖を曳く背に温みの春立つ日

十年の波おだやかにに鴎飛ぶ

慰霊碑より海見る背に春の鳥

珈琲の苦きをふふみ遅き日を

小刻みの歩幅の横断にわか雪

地の揺れの寝床突きあぐ春浅し

ジャズ響くカフェの天井春暖炉

春の空猿の形の雲走り

マスク透く仄かなる香春の寺

花海棠遺影いつまで笑みている

山の端の春日に街の化粧かな

消灯のアナウンスあり春の月

春ショールの端掠めたる交差点

園児の手のこぞりて横断四月朝

背負はるる子は仰け反りて花の中

ヘッドライトに浮彫となる鬱金香

だいじょうぶ?と揺るる子の声春の地震

強東風やゆるむ手綱に息吹く疫

丘で見るかはたれの街月朧

客往にて卓を除菌のカフエに花

麻痺の足そに立ちて見る花の山

老い人の手の甲おどろ春闌ける

マンションの窓のいずれも春の色

春の雷隣家のテラスに影二つ

マスクずれ落ちて泣く子の花の下

車寄せ窓より荷積みの四月かな

番号見て拳をつくる合格子

乳母車の子もマスクして街に春

春の虹街の果て見る最上階

茶を誘ふ声に被さる剪枝音

陽炎の中に手を振る人ありぬ

一つづつ見るもみな赤鬱金香

右(め)手(て)に杖左に稚の手春の闇

煌めいて朧の鉄塔確かなり

点滴を解かれ湯あみの日永かな

子の手引く昏い公園花は葉に

歩を止めて振り返る道花は葉に

少年の昏いテラスに春の雷

剪定の樹々を透きくるかぜ真新

植込みより五つ突き出る躑躅花

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする