千字のおもい


徒然のことを千字を超えずに載せていきます。

冬の俳句 UP 

2021年02月04日 | 俳句をつくる

昨日は立春だった。なのに今朝は積雪。寒さはまだまだ厳しいが歳時記上は春になつた。
相変わらず良い句はできないが自分なりのまとめとして冬の句をUPする

 



 

冬の句一覧

 

公園の端にタクシー神の留守

植込みの根方に捕らわる枯葉かな

エスカレーターの枯葉昇り切れぬなり

歩く時枯葉ひしゃぐる音させて

フレメールの絵に逆向きの冬日かな

看護師の尿瓶持ちゆく寒夜の廊

病床の一つに仄と冬灯し

夜回りの知り人の声窓の外を

風邪の子に粥吹きさまし含ませり

マスクとり弾ける笑みの会釈かな

むず痒き鼻に湯冷めの長電話

退院や手編みのマフラー貰ひけり

落葉踏む音と出でたる二人連れ

曾祖母の指差してゐる枯蟷螂

朝市に駐車のベンツ冬鴎

独り居の身の幅に掻く今朝の雪

すき焼きのとなり同士の喧嘩の子

ひといきに啜る焼牡蠣香りをも

独り居の購ふケーキ小振りなり

出来合ひに無沙汰を詫びて賀状書く

余命をば指折りてみむ去年今年

果て思ふ寿命か病か枯尾花

寒の虹はにかむ妻の仮退院

除夜の鐘を遠くに宿の餓鬼の声

元旦や燈明灯し般若経

独り居も年神迎え奉る

初風呂と二度入り三度の独り居ぞ

炎たつ暖炉にジャズの雪催

凍星や遠近の灯に街眠る

白鳥の光散らして滑走す

団欒を離れて母に初電話

子に届く賀状の数の勝りけり

指股に揉み手の薬置炬燵

小袋に揃ふ七草夕の粥

卓の上に羽を休める冬の蝿

胡坐に子を置いてうたたね三が日

スウェードの靴くぐりたる宵の雪

啄むを瞬時途切らす初雀

一枚が連なるティッシュ湯冷めの夜

一つ家を音楽堂に雪催

己が吹く口笛途切れて枯野ゆく

コート脱ぐ子に問ふ未だ雪なるかと

狐火や隣家の媼門に立つ

冬入日足影絡む鬼遊び

浮く足を沈め湯に渦窓の雪

どこよりか風の音なる枯野ゆく

冷たかり布団より出づ真夜の足

万両や父に叛く日ありにけり

妻をらばどれを選ぶや冬コート

湯冷めして妻の位牌に鉦叩く

口紅をティッシュに移す雪女郎

レトルトの熱きカレーを寒の釣

 

コメント
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