千字のおもい


徒然のことを千字を超えずに載せていきます。

秋の句 UP

2020年11月08日 | 俳句をつくる

昨日、11月6日は立冬。
無分別にも70歳で始めた俳句。機能の衰えた脳では向上しているという実感はないが、つたないなりに秋の句を一括してUPすることにする。


 


秋の句一覧

黄泉へ向かふ妻の息継ぎ秋の昼

路の辺の一つ家に人花木槿

梨切られ人数分の妻楊枝

山の湯のくすみし壁の放屁虫

燭の灯のにはかに揺るる新盆会

秋袷の傾げる傘にマスク顔

携帯の鳴る夢覚めてちちろ虫

珈琲に白のフロート秋の潮

白桃の刃先たちまち種に触る

大口を歯科医に晒す柘榴の実

秋天や高い高いの子の破顔

書を閉じて笑顔向け来る梨売女

音楽の不意に止みたる盆踊

赤蜻蛉の離れては寄る葬帰り

万歩計の5000の数字鰯雲

金婚を前に妻逝き曼珠沙華

己が歳誇らしげなり敬老会

信号機の揃ひ点く赤街に秋

階段を上りフレンチ秋の潮

盆灯籠父と諍ひありし日を

木深さに香り這はする金木犀

マスクなき顔の見上げる葡萄棚

襟閉づる乳母車の子に秋の風

子の真似て剥く梨の皮厚かりし

螻蛄鳴くや乗り越し帰る昏き道

ちちははと子の楽しげや葡萄狩

言ひ訳の秋の言の葉大喰女

一房の手に重かりし葡萄狩

傘寿来て友の死届く九月尽

生身魂と別れを惜しみ茄子の馬

子の嗚咽途切れて庭のちちろ虫

黒葡萄の二つぶの種残る口

やや寒の土間にピーマン転げをり

秋出水疾る車に水襖

抱き上ぐる稚の手触るる柿紅葉

ゆく秋やイヤホンに聴くアベマリア

ハロウィンの子らの装ふごみ袋

 

 

 

 

コメント
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