おうちBAR開店

本格的なパーティー料理から手抜きお手軽料理まで、私のキッチンから発信します。毎日の出来事を含めて楽しくご紹介。

綴る年表、もちがつお。

2016年07月01日 | つぶやき
おはようございます。
最近、日の出とともに目が覚めます。
そして時計を見る前に時間を予想すると
面白いほどにピタリと当たる。
この能力を何かに活かせないものでしょうか?
前世は鶏だったんでしょうか・・・

さて、久々につぶやいてみたいと思います。


昨日、生家の斜向かいにある
老舗中華料理店を取材させていただきました。
私の父が店を構えたのと同じ頃の創業です。
うちはとっくに消え失せておりますが
先方様は顧客を大切にされ
50年近くの歴史を重ねられております。


数日前に取材依頼のお電話をしましたところ
どうやら店を切り盛りしているのは
マスター(創業者)の息子さんのよう。
私が知っている彼は
爆竹に逃げ惑っていた小さな男の子。
子供会の写真に短パンとランニングと野球帽で
あどけない笑みを湛えていたあの男の子。
電話を切った後、
思い出がぐーっと手繰り寄せられるとともに
セピア色に染まった生家での我が家の営みが
次々と脳裏に投影されました。


そして久々のご対面。
当たり前ながら彼が40を過ぎていることに
小さな衝撃を受けつつインタビューをこなし
一通り終わったところで正体を明かしました。

「え?あの〇〇さん?」と屋号。

当時は屋号で呼び合っていたんです。
生家があった場所は旧東海道の目抜き通りで
私が小さな頃は商店が立ち並んでいました。
だから、お店の看板が表札代わり。
私も〇〇さんの娘さん、
と呼ばれるのが常でした。

豊橋祇園祭にまつわる小さな頃の思い出や
今あの子はどうしてるとか
〇〇ちゃんは出戻ったとか
当時お兄さん・今お爺さんのあの人は
まだ手筒花火を出しているとか
懐かしい名前が次々と登場。
えくぼが印象的だった年下のあの子を老けさせてみたり
若かったお兄さんにシワを書き足して
頭の中でモンタージュ写真を構成して、クスリ(笑)。
共通の思い出は小学生時代でストップしていますが
知らない間に各々の生活を営み
年表を綴り続けてきたのだと思うと
温かみを帯びたやわらかい気持ちと
なんとも言えない心許なさが交錯しました。

2016年6月30日、〇〇くんと再会

彼と私の年表に加筆。
私も色々とありましたが
彼にも色々あったみたいで
お互いを励ましあいながら再会を約束し
懐かしいお店を後にしました。
面白いほど外装も内装も変わっておらず
早速姉二人にLINEで報告(笑)
病気になると母が鍋を持って買いに行ってくれた
あのコーンスープが懐かしいね、と姉。
なんでもない思い出が
珠玉の宝物のように感じられた瞬間でした。


ほっこりした気持ちを抱きつつ
馴染みのスーパーで買い物をしていると
鮮魚コーナーで新居の「もち鰹」に遭遇。
遠州灘で水揚げされたちょっと特別な鰹です。
詳しく知りたい方はググってください(笑)
無類の鰹好きである父の顔がふと浮かびましたが
その直後にすっと消え、
シーズンもそろそろ終わりだから
食べ収めようと、カゴへ。
清算を済ませて車へ乗り込むと
いきなり父から電話。

「新居のもち鰹が手に入ったから、食うか?」

・・・思わず

「なんで今っ!」

と絶叫(笑)
父は絶叫のワケを知る由もありません。
普段は無心の電話しかかかってこないのに
今日は真逆の内容。
なんとなく「買ったからいらない」とも言えず
父の住むアパートまで鰹をもらいに行きました。
今朝新居の港まで行って買って来たと
自慢げに語る父と対峙し
10年も会わない時期があったほど恨んでいた
自分の心がトロトロと解れていくのを感じたのです。
この人ももがきながら年表を綴ってきた。
そして私の年表はこの人と母がいて
スタートしたのだな・・・と。



もち鰹

梅雨時にもち鰹を見ると
亡き父を思い出すかもしれない・・・
まだ元気なのに不謹慎かもしれませんが
この先そうたくさんの思い出は重ねられません。
心がやや融解したとはいえ、
未だ素直に親孝行できない
未熟者の娘ですが
でも、な・・・
もう少し、会ってあげてもいいかな、
なんて。

そこで一首。


もちがつお
小さく見えた
父の背に
小さな声で
ありがとさん



ご高覧、ありがとうございましたm(_ _)m

2 コメント

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Unknown (スズキ)
2016-07-01 21:10:32
日戻り鰹のことだね。
鰹が苦手な人に食べてもらいたいね。
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Unknown (mie)
2016-07-06 00:18:28
ですです^^
血生臭くなくて、モッチモチ。
もう水温が上がって手に入らなそうですね・・・
返信する

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