ヨーロッパモビリティウィーク&カーフリーデー最新情報

カーフリーデージャパンによるカーフリーデーに関わる最新の動きの紹介

小学5年生の夏休み宿題レポートの紹介

2017年09月01日 15時41分53秒 | 2017年開催にむけての情報
この夏、カーフリーデージャパンでは、横浜市の小学五年生の女の子から、一通のメールが届きました。

なんでも、夏休みの自由研究で温暖化について調べている中で、車の問題・カーフリーデーに目をつけてくれたそうです。

「カーフリーデーはよい取組みで、世界では国をあげてやっているところもあるのに、なぜ、日本ではあまり広がっていないのですか?」

という素朴な疑問からはじまり、メールでの質疑応答を行いました。

そして、数日後には、すばらしいレポートを事務局へ送ってくれました。

事務局は、自分で資料を集め、直接問い合わせをして、論理的なレポートを書き上げた彼女に、大変感銘を受けました。そこで、このたび、みなさんにご紹介することにしました。

公表を快諾してくれた横浜市の松川凛子さん・お母様にお礼を申し上げます。


今月は、いよいよ、ヨーロッパモビリティウィーク&カーフリーデー(9/16-22)が開催されます!

ヨーロッパモビリティウィーク&カーフリーデーでは、未来を担うこどもたちへの環境啓発に力を入れています。

日ごろから、カーフリーデーの実施都市では、こどもたちの関心度・理解度の高さを実感していることと思いますが、このようなこどもたちがますます増えてくれることを期待したいです。

今年もたくさんのこどもたちの参加を待っています!






「地球温暖化を食い止めろ!! ~ 地球温暖化とカーフリーデー ~」 
松川凛子


 テレビなどでよく「地球温暖化」という言葉を耳にするが、もし「地球温暖化」って何?ときかれたら、私は上手に説明できるだろうか。ちょうど環境について夏休みの宿題が出ていたので、地球温暖化について調べることにした。

 地球温暖化の主な原因は、二酸化炭素やフロンなどの温室効果ガスが増えすぎてしまったことだ。二酸化炭素というのは、太陽からのエネルギーを地球にとどめる役割をしている。もし二酸化炭素がなければ、地球は-19℃くらいになり、とても寒くなってしまうのだが、増えすぎると、必要以上に熱がこもり、あつくなってしまう。人間が呼吸によって放出する二酸化炭素の影響はないが問題なのは呼吸以外の原因の石油・石炭・天然ガスだ。

 あつくなるだけならまだいい。困るのはたくさんの命が、地球温暖化によって失われてしまうかもしれないということだ。気温が1℃上がると、熱波、豪雨、洪水などの被害が増える。2℃上がると、北極の氷がとけたり、サンゴ礁が死滅する。そして、3℃上がると、地球の広い範囲で、氷がとけて海面が上昇し、いろいろな生物が絶滅してしまう。

 実際に、今年の7月におこった九州北部集中豪雨は、地球温暖化の影響ではないかといわれている。すでに極端な異常気象がひんぱんに起こるようになっており、すぐに対策をしなければならない状況だ。

 こうした地球温暖化の被害を少なくしたり、地球温暖化が進まないようにする方法には、「緩和策」と「適応策」というのがある。緩和策は地球温暖化がこれ以上進まないようにする方法のことで、例えば、車に乗る日数を減らすなどだ。一方、適応策では地球温暖化の被害を少なくするための方法のことで、例えば、車に乗らなくても生活しやすい町をつくるなどだ。緩和策は目標を決めやすいのに対し、適応策は地域ごとの条件によって変わってくるので正しい予測がないと何をしてよいかわからない。しかし、最近は緩和策だけでなく、両方対策を行っていくことが大切だといわれている。※1

 国際的な取り組みにも、緩和策と適応策、どちらも使われるようになってきた。1985年のフィラハ会議(オーストラリア・フィラハ)※2は、地球温暖化に関する、初めての公式会議だった。そのころは各国の代表が話し合うのではなく、科学者たちで話し合っていた。1992年の地球サミット(ブラジル・リオ・デ・ジャネイロ)は日本も出席し、条約に署名した。1997年の京都議定書(日本・京都)は、温室効果ガスをどのくらいへらすか決めた。ここまでは緩和策のみの対策だったが、2015年のパリ協定(フランス・パリ)は、適応策も取り入れることになった。

 家庭からの二酸化炭素排出量の約1/4は車が占めていると知り、車からの二酸化炭素を減らす取り組みを調べて「カーフリーデー」という取り組みがあることを知った。そこで、私は一般社団法人カーフリーデージャパンの望月真一さんにメールを送ってみた。

 望月さんによると、カーフリーデーとは、もともとはヨーロッパ委員会の環境省に当たるところが主催して世界中の都市や街が街の中で移動することやそれに伴う環境への影響について、市民ひとりひとりが、特に一番問題の車の使い方を考え直すきっかけを作り、環境や交通の問題の改善を目指して、2000年から始めた取り組みで、ヨーロッパでは広く知られ、毎年恒例となっている都市もあるということだ。※3

 しかし、あまり日本では知られていない。横浜でも今年9月23日に14回目の開催となるそうだが、私は今まで名前すら知らなかった。

 エコでいい活動なのに、あまり知られていないのはなぜだろう。

 フランスでは、カーフリーデーは道路を歩行者・自転車専用にし、自転車タクシーや公共交通がワンコインで乗ることができる。中国では、新聞やテレビなどで報道される。韓国では、道路をバス専用にしたり、朝ラッシュ時には地下鉄・バスの運ちんが無料になったり、市内の公共駐車場や取り組みに賛同した民間の駐車場を自主的に閉鎖したりしたそうだ。日本でも札幌市で、カーフリーデーでバスの割引チケットを販売したが、普段公共交通を利用する人たちが割引券として利用したため、廃止された。※4

 一日だけ割引されて喜ぶのではなくて、例えば韓国のように駐車場が閉鎖されれば、それはたしかに強制的ではあるけれど、「車のない生活」が体験できる。そうすれば、車がなくても生活できることが分かって、車を手放す人も出てくるかもしれない。車を手放すことは1日だけの割引券とはちがって永久だから、ガソリン代も節約できるし、徒歩や自転車なら適度に運動もできるし、二酸化炭素の排出も減らせると思う。

 カーフリーデーだけでなく、緩和策と適応策は家でもできる。例えば車を運転するときに、止まったり進んだりしないことなど。いったん止まると、進むときにたくさんのエネルギーが必要になる。渋滞のときなどはたくさんガソリンが消費されるそうだ。適応策は、公共交通機関を便利にし、車を使わないようにするなどがある。

 地球温暖化を調べていて、」カーフリーデーのことを知ることができた。しかも、今まで調べ学習をするときは資料を集めて調べていたが、今回、メールなどで「きく」という方法もあることが分かった。今まで私は疑問に思ってもそのままにしておくことが多かったが、調べるとおもしろいことが分かってよかった。地球温暖化はもう避けられないけれど、少しでも食い止められるように、地球にやさしい生活を1人1人がすることが大切だということが分かった。

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以下は、カーフリーデージャパンによる注釈です。

※1気候変動の「緩和策」と「適応策」について
ここで挙げられた、くるまに頼らないまちづくり、EMW&CFDですが、「対応策」ではなく、Co2削減にむけた対策としての「緩和策」と捉えます。
なお、一般的に、気候変動の考え方は以下のような解釈となっております。
「緩和策」は、温室効果ガスの排出削減と吸収の対策を行うことです。省エネの取組みや、再生可能エネルギーなどの低炭素エネルギー、CCS(※)の普及、植物によるCO2の吸収源対策などが挙げられます。一方、「適応」とは、既に起こりつつある気候変動影響への防止・軽減のための備えと、新しい気候条件の利用を行うことを言います。影響の軽減をはじめ、リスクの回避・分散・需要と、機会の利用をふまえた対策のことで、渇水対策や農作物の新種の開発や、熱中症の早期警告インフラ整備などが例として挙げられます。
参照

※2 正しくは、オーストリア・フィラハ 参照 

※3 厳密に言うと、モビリティウィークという1週間の取組みは2000年からですが、1日のくるまのない日“カーフリーデー”としてはじまったのは、1997年です。

※4 札幌市は車のない都市空間を創出する「カーフリーデー」ではなく、車の使用を控える「ノーカーデー(札幌市ではさわやかノーカーデー)」を実施していました。(カーフリーデーの正式参加はありません。)
 参照 

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