ヨーロッパモビリティウィーク&カーフリーデー最新情報

カーフリーデージャパンによるカーフリーデーに関わる最新の動きの紹介

「海外視察レポート」パリ編 グラン・パリ整備事業とパリの都市交通政策の最新状況

2019年02月15日 12時19分15秒 | ●ナショナルコーディネーター活動状況
当団体代表/望月真一が、先月末に視察した、パリの最新都市政策、交通事情等について報告します。以下はレポートの抜粋となります。


海外視察報告
【グラン・パリ整備事業とパリの都市交通政策の最新状況】

ヨーロッパモビリティウィークナショナルコーディネーター
日本担当 望月真一

【グラン・パリ事業】

図:グラン・パリ・エキスプレス(Grand Paris Express)計画


●パリ市を核にしたパリ圏全域を一体的地域として、次の時代に向け、戦略的に一段上のレベルの都市圏を実現すべく、サルコジ大統領の時代に「グラン・パリ法」が2010年に制定され、本格的に建設事業がスタートしました。それから、ほぼ10年が経とうとしている今、想像を超える大規模事業にもかかわらず精力的に制度、財政システムが整備され、そして、驚くべきスピードで各所で建設が進められています。

●グラン・パリの核事業である広域地下鉄網整備は、グラン・パリ・エキスプレス(Grand Paris Express)計画と称されていますが、2010年から、パリ市内の既存路線の延伸、新規路線の完成に始まり、2030年(計画通り工事も着手されていますが、現実的には2040年?)までに延べ200㎞、68駅の、一部パリ市内もありますが、パリを取り巻く外側に環状の都市鉄道網を完成します。整備路線沿線はほとんどが、郊外の都市形態を見せていますが、ほとんどが都市化している地区を通すので、その90%は地下であるということも、想像を超えています。そして、多くの駅周辺地区は50-300haほどの再開発を数十か所、同時にスタートさせるという、世界最大の挑戦的なTOD(Transport Oriented Development)と言えます。

●フランスの都市行政の特徴は、”実施しなければ計画ではない”という信条のもと、公的事業実施権限を付与された事業主体(事業の性格上実質的にそれぞれの地方自治体の上位組織として事業推進されている)を設置し、新規の制度、財政措置を講じ、短期の実施を目指していることが、もはや、我々にはないエネルギーとビジョンを持っていることが特筆すべきことです。

【パリの様々な個人移動の公共交通の挑戦】

写真:自転車道(相互通行)を走行する電動スケートボード。


公共自転車、EVカーシェアリング、共用電動スクーター、電動スケートボードについて紹介。

●この一年程度の短い時間のうちに、まだ混乱気味であるものの、人々の交通行動に大きな多様性が出てきました。都市におけるモビリティの質そのもの、道路空間、特に歩行者空間の使い方も大きく見直す必要も出てきていることがわかります。世界で急速に広まりつつある、様々な新しい移動方法が、パリに一度に集中してきました。

●こうしたことを可能としている背景には、公共側の都市交通政策の積重ねがあります。これまでの車一辺倒から、歩行や自転車利用を主体とした道路空間・公共空間の整備が進み、現在の、ラストマイルのモビリティを受け入れられる環境が整ったと私はみています。

パリでは、2000年を境に、自転車走行空間を精力的に整備を進め、総延長200㎞の整備予定だったものを10年ほど前にその倍の距離を実現し、ほぼ同時に自転車と混在する幅、4.5-5.5mのバス専用レーンを一般車線を減らして、市内のバス網を充実させました。また、幹線道路以外の街区内の8m以下の幅員の街区内道路は、路上駐車スペースを最低限に減少するとともに、ゾーン30化して、二輪車駐車場、歩道拡幅、自転車走行ルートの明示、さらには、Velib’とAutolib’導入時にも道路が直されてきたように、ほとんどの道路で2次改良、道路改修工事を進めてきました。

さらに、自転車交通との関連で言えば、2000年には自転車の交通分担率が1%であったのですが、Velib’投入後はすぐに2%にあがり、現在は5%程度となって、街の中でも少しずつ自転車が増えてきたことが実感されます。さらに、現市長は、ことさら謳いあげることもなく、自転車ネットワークを大々的に充実させ、東京並みの15%への引き上げを目標に掲げています。
したがって、この20年の間にほぼすべての道路の改修が進められ、様々なタイプの個人利用の公共交通手段を受け入れる諸条件が整っていたことに他ならないと思います。


2010年欧州都市行政報告(ナショナルコーディネーター報告)

2010年07月27日 18時41分40秒 | ●ナショナルコーディネーター活動状況
久々に、海外の都市行政の報告です。
6月下旬から7月頭にかけて、フランス、オランダに行って参りました。

今回は、リヨンの「Dialogue en Humanite」という新形式のシンポジウムへの参加とニュータウン視察(パリ)がメインの目的でしたが、それにあわせて、自転車利用を原点から再認識しようと、懸案のオランダ北部のフローニンゲン(Groningen)を訪れました。


■2010欧州都市行政報告をダウンロード

■紹介

1)フローニンゲン(オランダ)



18万人弱の都市人口のフローニンゲン。
ここでは、これほどまで自然に自転車が使われるものかと驚かされました。「自転車の街とはこういうもの」と見せつけられ、街づくりを改めて考えさせられました。人口規模に対しては中心市街地の大きさはさほど大きくはなく田舎町というのに近いのですが、交通予算の4割近くを自転車に使い、ほとんどの市民が移動手段として自転車を使って街に出てきます。・・・つづきはPDFへ

2)リヨン「Les Dialogues en Humanite」シンポジウム



今回の主な目的であった、リヨンの「Les Dialogues en Humanite」というシンポジウムについて紹介します。

このシンポジウムは、7月2-4日の3日間、リヨン市の真中にある117haのテット・デュ・ドール公園の一部を会場として行われました。「人間性に関して対話する;Les Dialogues en Humanite(http://dialoguesenhumanite.free.fr/)」とでも訳すしかないような新しい形式の知的交流、文化・社会イベントです。・・・つづきはPDFへ

「近況報告」ナショナルコーディネーター 望月真一

2009年04月08日 22時19分06秒 | ●ナショナルコーディネーター活動状況
 久々に近況を報告いたします。

 1月から2月にかけて行った連続講演会の後、リヨンのスリマニ氏からリヨンの優しい交通整備計画の報告書を送ってもらいました。ヴェロヴの導入前のものですが、その前文の最初の部分をぜひとも紹介したいと思います。

「都市の大きさがヨーロッパ規模、また世界規模に拡大してくるに従って、都市の多くの住民が日常生活を営んだり、楽しんだりする場所は、彼らが最も好きになり、そして最も快適に過ごせるような場所でなくてはならなくなってきた。
この精神に基づき、公共空間の改善計画は中心市街地や街区、都市圏それぞれにおける生活の質をよりよくしていくことを目的としたものとなっている。
今日ではその目的に合致させるために、個人利用のクルマに代わる、公共交通などの環境にやさしい交通網に対しても、それらがより一層使いやすくなるよう、新たな都市交通計画に基づいて取り組んでいくことが必要である。 (続く)」

に始まる行政の報告書に、感動しました。皆さんはどう思われます?
・・・(以下PDFへ続く)
     
                                      (カーフリーデージャパン 望月真一)

近況報告(PDF)はコチラ

カーフリーデーアジア会議 in YOKOHAMA2008を開催しました!

2008年06月04日 19時57分15秒 | ●ナショナルコーディネーター活動状況
アジア諸国のカーフリーデー関係者及び、欧州コーディネーターを招いて開催した、カーフリーデーアジア会議 in YOKOHAMA が、無事終了しました。
みなさんのご参加、そして関係者からのご協力、ありがとうございました。

アジア会議は、30日の一般公開フォーラムと、その前日の国内及び海外の参加団体との情報交換会の2日間にわたって開催されました。

中国、台北市、ソウル市、モンゴルでの先進的な都市交通政策の取組や、東京大学大学院教授の原田昇先生からの、魅力的な都心を再生するためのカーフリーデーの推進の必要性を講演頂き、大変有意義な会議となりました。
また、ヨーロッパ本部からもモビリティウィーク&カーフリーデープロモーション責任者を招き、その重要性について講演頂きました。

会議結果は、後日このブログを通して公表いたしますが、まずは、日本担当コーディネーターから実施概要を報告致します。
是非ご覧下さい。

■カーフリーデーアジア会議 in YOKOHAMA 2008報告をダウンロード


●アジア会議プレミーティングの様子
 

●アジアフォーラムの様子
  

「青空の会」で講演します!

2008年04月15日 10時53分02秒 | ●ナショナルコーディネーター活動状況

4月20日に開催される「青空の会講演会&2008総会」において、ヨーロッパモビリティウィーク日本担当の望月が講演を行うこととなりました。みなさんのご参加をお待ちしております。
詳しくは下記をご覧ください。

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 東京大気裁判は大きな前進を果たして2007年に和解を迎えましたが、問題がすべて解決したわけではありません。東京大気汚染訴訟を支える個人の会「青空の会」の今後の方向性を考える上でカーフリーデー・モビリティウィークという活動について知ることは非常に有意義であると判断し、ヨーロッパカーフリーデー日本担当ナショナルコーディネーターの望月真一さんに講師をお願いすることになりました。
会場にて「ここに欲しいよ自転車道!」act1同時開催。

 

■日時:4月20日(日)午後14:00~16:40(開場13:30)
■会場/ラパスホール(東京労働会館7階/豊島区南大塚2-33-10 )
■定員160名/日曜日は正面玄関が閉鎖されている場合があります。ビル脇の通用口からお入りください。
■JR山手線・大塚駅南口 徒歩5分 地下鉄丸の内線・新大塚駅 徒歩7分
■主催:青空の会
■参加費:無料 14:00~15:50

 

●開会挨拶 メッセージ  永井進(法政大学教授/前副学長/青空の会代表委員)
講演「カーフリーデーをきっかけにした持続可能なまちづくり」
講師:望月真一(ヨーロッパカーフリーデー日本担当ナショナルコーディネーター/カーフリーデージャパン)http://www.cfdjapan.org/
2008年ヨーロッパカーフリーデー・モビリティウィークの公式テーマは「Clean Air for All!」 です。
●パネルディスカッション
「東京大気裁判を振り返って&今後の展望」
冒頭挨拶・原告団団長or原告団事務局長

パネラー予定
・西村隆雄(東京大気汚染訴訟弁護団弁護士)…大気汚染裁判と今後の活動・除本理史(東京経済大学教授)…大気汚染被害救済制度について
・傅 吉吉 (「フ・テツ 「吉吉」で一文字」。一橋大学大学院経済学研究科)…中国人留学生から見た大気汚染訴訟
・望月真一(ヨーロッパカーフリーデー日本担当ナショナルコーディネーター)
コーディネーター=鈴木一之(環境NGOエコ・クリエーターズ・クラブ)

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青空の会
〒112-0002
東京都文京区小石川5-33-7 マツモトビル2F
TEL 03-5802-3551
http://www.ne.jp/asahi/aozora/tokyo/
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国際シンポジウムにパネリストとして参加しました

2007年07月09日 12時09分32秒 | ●ナショナルコーディネーター活動状況
7月6日に行われた国際シンポジウム「環境共生社会の交通まちづくり」に、ヨーロッパモビリティウィーク日本担当の望月が、パネリストとして参加してきました。

(財)豊田都市交通研究所、東洋大学学術研究推進センターが共催して実施したこの会には、500名程の人が参加し、その半数以上が一般の人だったようです。

クリチバにおける交通まちづくりの紹介やイギリスロバート・ゴードン大学名誉教授ジョージ・ヘゼル氏からの総合的交通まちづくりの考え方の紹介が行われました。

印象的だったのは、クリチバ市元環境局長中村ひとし氏の「クルマに支配されてはいけない、うまく使う」という言葉で、「クルマがダメ」ということではなく使い方を見直すことが重要だということが、パネリスト全体の認識のようでした。

他にも印象的だった発言を紹介します。
中村ひとし氏「日本では、100%を望みすぎて機会を逃す」




日本担当コーディネーターによる台湾交通事情の報告

2007年03月16日 17時38分56秒 | ●ナショナルコーディネーター活動状況
3月6から9日まで、台湾の「人本交通-Humanity-Oriented Transportation」という新しい概念の施策展開をはかるシンポジウムに参加してきました。車中心の交通計画から、 “人”中心の交通政策への転換を目指すもので、単に歩行者や自転車という交通手段レベルの話にとどまらず、人間性の領域までを考慮した概念で、2004年ごろから台北市で使い始められたのではないかと想像します。

日本の情報として、コミュニティゾーンの普及はまだ一部の事業地にとどまっていますが、この考え方に関連する日本の最近の努力として紹介してきました。

都市交通では、台北は日本より進んでいる部分と遅れている部分がある一方、ヨーロッパ特に私が自信を持って理解していると思うフランスには2-30年後れを取り、また最近思い入れているベトナムからは2-30年進んでいるので、私個人の感想ですが都市交通の過去、現在、将来の姿を念頭に入れて議論するという面白い経験をしてきました。
この機会を利用して、台湾のヨーロッパモビリティウィーク&カーフリーデーのナショナルコーディネーターと再会し情報交換もしてきました。特に、2005年のロンドン会議で持ちかけたアジア会議の実施構想を再確認してきました。「台北国際無車日」という名称で実施した台北のカーフリーデーのTシャツや公共交通パス2002,3年ももらい、新しくカーフリーデーのコレクションも増えました。





台北の公都市交通の状況を紹介しましょう。東京と比べると歩道整備の点では遅れているものの、バイクの大量の利用を完璧とまでいかないものの上手にコントロールをし、走行レーン、交差点での停車スペース、路上路側の駐車空間等、道路空間の利用で車との使い分けを行っています。




何より圧巻なのは、バスネットワークの充実です。MRTと呼んでいる地下鉄・新交通網のネットワークとともに、交通局が1977年から複数の民間会社を含めまとめて一元管理するバスネットワークサービスは300路線ほどあります。もう10年以上前に主要道路の路線をバス専用レーン化し、逆行レーン、中央走行レーン等大再編を行って、今も順次整備が進んでいます。台北のBRTは地下鉄代わりのクリチバとは違うと一言ありました。ソウルもバスネットワークの再構成の際に、台北をスタディしております。MRT,バス、駐車場料金の支払いが出来るようにしたイージカードという非接触式のICカードは、香港に遅れたものの2002年からで、今では職員や学生のIDカードと一体化され、電子マネーとしての利用も進んでします。

様々な領域で、もたもたしているうちに近隣諸国と比べても我々は後れを取りつつあると再認識させられました。


フォーラム「松本のモビリティを考える」

2007年03月03日 20時11分20秒 | ●ナショナルコーディネーター活動状況
松本市でカーフリーデーの取組を行う、松本市ノーマイカーデー推進市民会議(事務局:松本市政策課)が主催するフォーラムに、望月がパネリストとして参加しました。

基調講演には東洋大学教授の太田勝俊先生を迎えて、中心市街地の賑わいづくりに向けてフォーラムが進められました。パネルディスカッションでは、「歩行者中心のまちづくり」について意見が交わされました。

アラン・メネトー連続講演会第2弾 を開催します!

2006年12月14日 19時42分46秒 | ●ナショナルコーディネーター活動状況
今年も年越しの季節がやってきました。久々の更新です。。お知らせです。

カーフリーデージャパン主催で、アラン・メネトー連続講演会~生活の足を支える交通政策~を開催します。これは、昨年の夏に沖縄、熊本で行った講演会の第2弾となります。

路面電車を核として街づくりを目指す富山市、福井市の2都市において、アラン・メネトー氏(グルノーブルでの経験の後ストラスブールのトラム導入の最初の段階から中心的役割を果たし、現在リール地方の交通行政を担当。フランスの都市交通政策の発展とともに歩んできた)を迎え、トラム導入の整備効果、公共交通の重要性、成功の秘訣などを講演いただきます。

皆さんのお越しをお待ちしております。

日時:2007年1月11日(木)14:30~、13日(土)15:00~
場所:1月11日:富山市/富山国際会議場2F多目的会議室
   1月13日:福井市/福井県国際交流会館B1F多目的ホール
申込:各講演会主催団体までMailもしくはFaxにて(氏名、所属、連絡先電話番号明記)
   富山講演会:富山市交通政策課
         Mail:koutuseisaku@city.toyama.lg.jp Fax:076-443-2190
   福井講演会:(特)ふくい路面電車とまちづくりの会、(財)地域環境研究所
         Mail:ire@aioros.ocn.ne.jp Fax:0776-27-7851
全体主催:カーフリーデージャパン
協力  :日仏笹川財団
後援  :経済産業省、国土交通省(予定)、フランス大使館経済部(予定)
参加費:無料(資料代1000円(希望者))

※チラシをご覧ください。
■チラシをダウンロード

カーフリーデー交流会のお知らせ

2005年11月25日 20時17分24秒 | ●ナショナルコーディネーター活動状況
今年のカーフリーデーの状況報告と、参加団体との意見交換も合わせて、交流会を開催します。

今年参加した団体の経験談や実施にあたっての課題などもディスカッション形式で議論できる場も設けています。また、カーフリーデーイベント中に行った来街者へのアンケート調査の結果や、ヨーロッパでの実施状況も報告させていただきます。

会場参加者も交えてざっくばらんに今後の進め方についてお話しできればと思っておりますので、皆さんの参加をお待ちしております。

日時:1月18日(水)13:30~16:00(受付13:00)
場所:千代田区神保町区民館(千代田区神田神保町2-40)
  
  →※会場変更をしました(詳しくは上記事をご確認下さい)
     変更場所:新宿区神楽坂5-20-5神楽坂アインスタワー1F集会室
     

主催:カーフリーデー日本担当オフィス

参加希望者は、申込み用紙をダウンロードし、必要事項を記入後、カーフリーデー日本担当オフィスまでFAX下さい。
FAX番号:03-3234-1748

※会場の席に限りがございます。参加希望の方は、お早めに申し込み下さい。

カーフリーデー交流会の案内チラシ


交流会参加お申込み用紙