毎年、9/16から9/22の一週間、世界的に行なわれている「モビリティウィーク&カーフリーデー(EMW&CFD)」。
今年は、世界1880都市以上で実施されました。(後日参加都市数が決定されます。例年通り2000都市以上が見込まれています。)
事務局の一般社団法人カーフリーデージャパンでは、今年、国内外のカーフリーデーの視察を行いました。
今回は、ベトナムのホイアン市のカーフリーデーの報告になります。
ホイアン市は、今年、ベトナム初MW&CFD正式参加です。昨年も、カーフリーデーが実施されたのですが、その際は、地元のNGO(アクション・フォー・ザ・シティ Action For The City)が主催し、ホイアン市は協力というかたちでの参加でした。※注
その後、アクション・フォー・ザ・シティの積極的な働きかけにより、今年は、ついに、ホイアン市が主催となって、カーフリーデーが実施されることとなりました。
実は、この経緯には、一般社団法人カーフリーデージャパンも大変関係しています。
一昨年、昨年と、地球環境基金の助成を受けて、ベトナム初カーフリーデーの実現にむけ、助言・支援活動を行ってきましたので、大変喜ばしく感じています。
2011年の活動についてはこちら
2012年の活動についてはこちら
※注
ヨーロッパモビリティウィーク&カーフリーデーは、低炭素社会構築に向けた交通政策推進プロジェクトであるため、原則、自治体の参加となります。日本国内に限って、市民団体による参加が認められておりますが、これは世界では例外的扱いです。
◆ホイアンカーフリーデー(9月22日)◆
以下は、ナショナルコーディネーター望月によるご報告です。
「今年のホイアンカーフリーデーは、日本の市民団体主催よりも少ない予算であるものの、昨年の経験を十分に生かし、一定のイベント活動をしつつも、ターゲットを若者に当てた市民啓発の機会と活用している様は、日本でも見習いたいものでした。
ベトナムは、国民のほぼ半分が30歳以下と若く、これからさらに急速な経済発展が予測されます。それに伴う交通問題は、大都市では時を逸しましたが、地方都市では、今まさに対処する必要があります。そのような状況で、ホイアン市の意識は高く、既に10年以上前から、古い町並みの地区は、午後、歩行者道路とするなど、日本でもなかなかできないことをしています。中心部に働きに来る人々のバイクは、観光客は全く気付かない街区内に駐車施設が配置されています。
予算は少ないものの、市の職員、警察、その他女性団体等、ベトナムならではの諸団体を、様々な形で動員し、さらに、今年は若者にターゲットを当てているので核となる若者300人の協力を得ていました。少し前まで移動の中心であった自転車を最優先することがホイアンの命題であると考えているので、自転車のデモンストレーションが中心となるものでした。
昨年の啓発シンポジウムの機会に製作した素材を活用した展示、さらに来年のTシャツやポスターのデザインコンクール、カーフリーなホイアンのまちを描く子供絵画コンクールなど、特に若い人々を巻き込むための参加型のイベントを行っていました。…省略
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ホイアンは、小都市ながら、世界遺産の歴史的な街並みを保全再生し、ベトナム中部で最も多くの観光客を呼び寄せる都市で、地方都市の都市政策の点で注目もされています。
そして、世界の動向を見据えるホイアン市は、環境を、都市政策の中心課題と位置づけています。さらに、これから深刻な問題が生じる交通への関心も高く、このカーフリーデーは、移動のありかたを市民と共に考えていく場として戦略的に取り組んでいくべき、格好のツールと認識したようです。カーフリーデーの発祥地ラ・ロッシェルもそうであったように、ホイアン市でも、歴史的環境から、環境全般、そして、特に車、バイクが普及する交通問題へと関心が向くのは、興味深いことです。…省略」
詳しくはPDF報告をご覧下さい。
歴史的街並みと自転車デモンストレーション
カーフリーデー ポスターコンクール
小学生によるホイアンのカーフリーの街コンクール