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最高のブラックジョーク

2010年10月18日 18時26分47秒 | Weblog
最高のブラックジョーク (オリーブ・徳山 勝)より

最近これ以上ないブラックジョークだと思ったのが、前大阪地検特捜部長の大坪容疑者が、自らの取調べの全過程を録音・録画する「可視化」を最高検に申し入れたことと、

彼が「証拠改ざんについて過失だと報告を受けたのは事実で、最高検の描くストーリーと私の知っている事実は違う」と弁護人に述べたという話である。

「語るに落ちる」という諺があるが、当にそういうことだろう。

自らが特捜検事として行ったような密室での取調べを受けたら、間違いなく最高検の描いたストーリー通りに検面調書が作成される。
当然、その調書内容を公判で否定しても、裁判官は検面調書を証拠として採用する。

それが、自らと云うか、特捜検察事件の実績から分かっているから、取調べの全面「可視化」を要求した。

そして、最高検が描く「トカゲの尻尾切り」のストーリーには屈しないと言っているのだ。

処で、大坪容疑者が逮捕されることになった、大阪地検特捜部による厚生労働省元局長の村木厚子さんが逮捕された当時の報道について、マスコミによる検証があった。

新潟市で9月30日に開催された、全国の新聞、出版社、放送局などでつくるマスコミ倫理懇談会全国協議会の分科会で、司法記者から「検察の筋書きに乗ってしまっていなかったか、反省が必要だ」という意見が出たそうだ。

この分科会の出席者からは、「そこまで無理な捜査をするとは思っていなかった」とか、「特捜部から情報を取ろうと苦労するうちに、特捜部と一体化してしまった」などと、特捜部べったりであったことの反省の弁があったそうだ。

「特捜部」の代わりに「大本営」と入れたら、65年前と全く同じである。

これまで特捜関係の報道では何時も、「関係者によると」ばかりで、独自の取材はほとんど無かっただろう。

大本営の古い昔ではなく、松本サリン事件での反省はどうなった。

村木さんは一貫して「否認」し続け、5ヶ月も勾留された。その事実を前にして、何の疑問も抱かなかったのか。

週刊朝日を除いて、検察以外の関係者を取材してはいない。

石井一議員を取材しなかったから、同議員から「事実に基づかない報道を続けてこられた(マスコミの)皆さんは、いったい責任をどうとるのか」と言われたことは記憶に新しい。

反省しないよりは、した方がいい。
だが、石井議員が言った「マスコミの責任」を、マスコミ自身はいったい、どう考えているのだろう。

無罪判決後に、過去の記事を検証し反省するのなら、日光の「猿」でもできる。検察が流すリークは大きく報道し、それを否定する被疑者側の発言は報道しても、その扱いは小さい。

時には全く無視することもあった。これがマスコミの実態だろう。

もし本当に反省し責任を感じているなら、現在進行形の特捜部関連事件の報道について、村木さん事件と同じ過ちを犯していないかを検証するはずだ。

9月11日に、大林検事総長が「(小沢氏を)公判請求し有罪を取るに足る十分な証拠がなかった」との趣旨を記者会見で述べたが、マスコミはこれを報道しなかった。

近藤次長検事も同じ趣旨を述べたそうだが、これも無視された。

検事総長と次長検事の発言が、9月30日のマスコミ倫理懇談会全国協議会の前であったにしろ、それを報道しないのはおかしいだろう。

更に言うならば、もし、司法記者に反省心と責任感があったなら、先日検察審査会が、小沢氏に出した2度目の「起訴相当」について、法律の素人である審査員にマスコミ報道が及ぼした影響について「検証」することがあってもいいのではないか。

何度も同じ事を書くが、石川議員など3人の訴因は、「陸山会が平成16年10月に土地を購入し、約3億4千万円を支払ったが、それを平成16年の政治資金収支報告書に記載しなかった。

平成17年の収支報告書にそれを記載した。
それが政治資金規正法・虚偽記載違反」。

当該地が畑地であったので、農地法に従い、宅地に地目変更し、小澤一郎名義で登記したのが17年1月7日。
その後、陸山会に譲渡された。

たった、これだけのことが犯罪だと言われて、石川議員など3人は6ヶ月以上も容疑者扱いされ、公判も開かれていない。それが本当に社会正義だと言えるか。

おそらく1年後か2年後に、マスコミは「反省します」と言うだけだろう。

最後に、最高のブラックジョークは、マスコミ司法記者による「反省が必要だ」、だと断言する。
 
<徳山 勝>

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