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EGFR阻害剤はKRAS変異のある患者に無効

2007-12-28 | 癌全般
 大腸癌の治療薬パニツムマブ(Vectibics)セツキシマブ(アービタックス)などのEGFR阻害剤はKRAS変異のある患者には奏効しないことが10月の欧州癌学会で報告された。これらの薬剤はモノクロナール抗体薬であり、高価な薬であるが、KRAS変異を持つ患者での奏効はゼロであった。(Khambata-Ford S et al. J Clin Oncol. 2007;25:3230-3237)
肺癌に用いられる小分子EGFR阻害剤のエルロチニブ(タルセバ)ゲフィチニブ(イレッサ)についても同様の結果が得られている。
KRASに変異が見られる場合、KRASタンパクが常にONの状態になっており、EGFR経路にかかわらず、他のシグナリング経路が働くためである。KRAS変異は転移大腸癌の約40%に見られる。すべての腫瘍医は、病理医にKRASステータスの評価を依頼してEGFR阻害剤の適応を検討すべきである。Medscapeより


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