現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

星野智幸「呪文」

2018-05-09 08:33:13 | 参考文献
 都内の二つの人気住宅地(架空)に挟まれて寂れかかっている架空の商店街とその周辺を舞台にした、風変わりな小説です。
 初めは、街おこし的なグループの話だったのですが、それがだんだん狂気の集団に変貌していきます。
 ネットやブログやラインなどの新しい風俗や、行き場のない若者たちの生態をうまく取り入れています。
 ただ、非常にご都合主義なストーリー展開と登場人物の均一的な長ゼリフ(没個性でたんに作者の代弁者になっています)が気になりました。
 エンターテインメントの手法も取り入れた実験的な作品なのでしょうが、登場人物たちの極端な思想にはついていけない読者も多いのではないでしょうか。

呪文
クリエーター情報なし
河出書房新社

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 早見和真「新橋ランナウェイ... | トップ | 小川洋子「目隠しされた小鷺... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

参考文献」カテゴリの最新記事