現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

坂村 健「OAの未来図①」電脳都市所収

2020-09-26 18:13:36 | 参考文献

 OAとは、今ではあまり使われなくなりましたが、Office Automationの略で、コンピュータを中心とした電子機器による仕事の機械化を指しています。
 この章では、ジェイムス・P・ホーガンのSF「星を継ぐもの」に描かれた未来の仕事の様子をもとに解説しています。
 ここでも、以下の興味深い項目について述べます。

テレビ電話:この作品では専用ブース行われています。私が会社で海外の事業部とテレビ電話で会議をするようになったのは1990年代ですが、その時も専用の部屋でやっていました。それが、2000年代に入ると、ネットミーティングと称して、自分の席、あるいは自宅のパソコンを使って行われるようになりました。今では、誰もが、スカイプなどを使ってスマホで世界中の人たちとテレビ電話をしているのはご存じのとおりです。

データベース問い合わせ機能:ここでも電話回線による集中処理方式のデーターベース問い合わせ機能が想定されています。1990年代のインターネットの発明が、いかに偉大で世の中を大きく変化させたかが分かります。

集中処理方式と分散処理方式:さすがにコンピュータ・アーキテクトである筆者だけに、将来は通信速度の向上により分散処理が主流になることを予想していますが、おそらくここで予想されていたのは有線方式で、現在のような超高速の無線通信(例えば5G)は想像していなかったようです。

スーパー・パーソナル・コンピューター:現在のノートPCのイメージに近いですが、記憶容量がメガ単位で、現在のギガ単位とは1000倍以上の差があります。筆者は半導体の専門家でもあるのですが、ムーアの法則(インテルの創業者の一人のゴードン・ムーアが1965年に論文に発表した「18か月で半導体の集積度は2倍になる」という有名な経験則)が、五十年以上たった今でもほぼ成り立っているとは思っていなかったかもしれません。

 

 




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