現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

ツレがうつになりまして。

2022-10-17 11:15:45 | 映画

 2011年公開の日本映画です。

 人気コミック・エッセイの映画化(それまでにテレビドラマ化もされています)です。

 うつ病にかかって会社を退職した夫を、漫画家の妻が支える日常を描いています。

 エッセイやドラマとともに、うつ病に対する偏見をとくのに、一定の役割をはたしました。

 ただ、夫が勤めていた会社の様子がリアリティがない(すべて上司の裁量で夫の退職が決められていますが、実際は人事や健康保険組合がからむでしょう。このことが別の偏見(うつ病にかかったら退職しなければならない)を生む恐れがあります)のと、夫役の堺雅人の大げさな演技がこの作品の場合鼻につくのが欠点(感情の起伏が激しく感じられてしまうので、うつ病より双極性障害かと思えてしまいます)です。

 その点、妻役の宮崎あおいの演技は自然体で好感が持てました。

 この作品ではハッピーエンド(夫はうつ病についての講演もし、妻の仕事のマネージメントをすることになります)なのですが、大半のうつ病患者とその家族はこのようにはうまくいきません。

 この映画でも指摘していますが、うつ病は全快になることは少なく、多くは寛解するのがせいいっぱいでしょう。

 それでも、生活のために、社会と折り合っていかなくてはならないのが実情です。

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする