現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

スケアクロウ

2021-03-06 16:10:06 | 映画

 1973年公開のアメリカのロードムービーです。
 今見ると、同性愛者への偏見などの問題点もあるのですが、ジーン・ハックマンとアル・パチーノという持ち味の違う名優が、アメリカ各地をヒッチハイクと貨物列車へのただ乗りで放浪する二人のホームレス(そのころの言葉でいえば浮浪者か?)が直面するいろいろな事件を通して、プワー・ホワイト(アメリカの貧しい白人のことで、私が初めて知った典型的な人物は1994年のリレハンメル・オリンピックにおけるトーニャ・ハーディングです)の哀しみを見事に描いています。
 プワー・ホワイトは、政治的には通常はサイレント・マジョリティですが、人口に占める割合が大きいので、2016年大統領選挙のトランプ氏のような彼らの権利や要求を代弁すると思われる存在が現れると、急激に一大勢力として強い発言権を持つようになります。

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ベスト・キッド

2021-03-06 14:04:52 | 映画

 

 

 1984年に公開されたアメリカ映画です。

 東部から西海岸に引っ越してきた男の子が、地元の裕福な子どもたちにいじめられて、空手を習うことを思い立ちます。

 地元の空手道場はいじめっ子たちの巣窟だったので、偶然知り合った日本人の老人に空手を教わり、最後にはいじめっ子たちを押さえて大会で優勝します。

 典型的な成長物語のストーリーは万国共通なようで、大ヒットしてシリーズ化されました。

 こうした男の子向きのストーリーの王道を行く構成で、風変わりな空手の修業シーンと大会での試合がクライマックスです。

 ただし、背景としては、アメリカの格差社会への批判や、主人公のロマンスなども織り込まれています。

 また、その中に盆栽や日本庭園や日本家屋などの日本趣味や、戦争中の日系人の苦労なども盛り込まれています。

 日本人が見るとおかしな点も多々ありますが、1980年代という時代を反映して、当時隆盛を極めていた日本への関心と、日本をマーケットとして重要視していることが伺えます。

 ちなみに、2010年に公開されたリメイク作品は、中国を舞台にして中国武術に変えてあるそうですから、ハリウッドの商法のしたたかさには驚かされます。

 

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