現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

ラッタウット・ラープチャルーンサップ「カフェ・ラブリーで」観光所収

2018-06-10 08:51:50 | 参考文献
 11歳の少年が「子ども時代とサヨナラする一日」を、後日談も交えて、回想する形で描いています。
 そういった意味では、広義の児童文学といえるかもしれません。
 しかし、タイの状況は日本のそれと違って、かなり過酷なものです。
 家庭崩壊、貧困、シンナー遊び、売春宿、無免許バイク運転など、いずれも日本でもあることばかりですが、小学生の眼からは、特に児童文学の世界では、巧みに隠蔽されています。
 しかし、格差社会の広がりにより貧困に苦しむ子どもたちが急増している現在では、他人事ととはいえません。
 こういった現状を描く児童文学が日本でも誕生してほしいのですが、売れ線至上主義の現在の出版状況ではそれは無理なことでしょう。

観光 (ハヤカワepi文庫)
クリエーター情報なし
早川書房
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする