「「改革」に憑かれた経済学者の肖像」という副題のついた、小泉内閣における経済財政政策担当大臣だった竹中平蔵の人物評伝です。
小泉内閣時代の竹中大臣の構造改革路線が、今の格差社会や世代間格差を生んだ元凶だと思っているので、そのあたりを明確にしてくれるものとして読みましたが、期待はずれでした。
竹中大臣やその周辺のゴシップの羅列に終始していて、それが社会に及ぼした影響についてはわずかな考察しか述べられていません。
竹中大臣の学者としての仕事がいかに胡散臭いか、提言していた政策がいかに毀誉褒貶していたか、政策提言が竹中大臣やその周辺の利益のために行われていたかは、豊富な実例や証言で良くわかりましたが、そんなことはどうでもいいのです。
どんな世の中にも要領の良さで世の中を渡り、私利私欲に走っている人間はいるものです。
こういったゴシップ情報は、在任中にあばいて辞職に追い込むのであれば意味がありますが、過去の事では責任を問えないので効果がありません。
それよりも、竹中大臣たちがやったことが、現代の社会、特に若い世代にどんな悪影響を与え、それに対抗する手段についてどのようなことが考えられるかについて、もっと考察してくれなくては単なる批判に終わってしまって建設的ではないと思います。
特に、この本の冒頭に書かれているように竹中氏が復権を狙っている現在においては、彼の野望に対してどのように対応すべきかをもっと示して欲しかったです。
それが、日本の将来にとってもっと大事なポイントだと思います。
小泉内閣時代の竹中大臣の構造改革路線が、今の格差社会や世代間格差を生んだ元凶だと思っているので、そのあたりを明確にしてくれるものとして読みましたが、期待はずれでした。
竹中大臣やその周辺のゴシップの羅列に終始していて、それが社会に及ぼした影響についてはわずかな考察しか述べられていません。
竹中大臣の学者としての仕事がいかに胡散臭いか、提言していた政策がいかに毀誉褒貶していたか、政策提言が竹中大臣やその周辺の利益のために行われていたかは、豊富な実例や証言で良くわかりましたが、そんなことはどうでもいいのです。
どんな世の中にも要領の良さで世の中を渡り、私利私欲に走っている人間はいるものです。
こういったゴシップ情報は、在任中にあばいて辞職に追い込むのであれば意味がありますが、過去の事では責任を問えないので効果がありません。
それよりも、竹中大臣たちがやったことが、現代の社会、特に若い世代にどんな悪影響を与え、それに対抗する手段についてどのようなことが考えられるかについて、もっと考察してくれなくては単なる批判に終わってしまって建設的ではないと思います。
特に、この本の冒頭に書かれているように竹中氏が復権を狙っている現在においては、彼の野望に対してどのように対応すべきかをもっと示して欲しかったです。
それが、日本の将来にとってもっと大事なポイントだと思います。
市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像 | |
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