現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

ありがとう、トニ・エルドマン

2017-07-07 09:34:54 | 映画
 独身でワーカホリックの娘を心配して、彼女の現在の勤務先のルーマニアに突然押しかける、初老の小学校教師(たぶん)の父親を描きます。
 基本的には、うまくいかなくなった父親と娘の関係修復の話なのですが、主人公のいろいろな奇矯な行動が面白く描かれていて楽しめます。
 ただ、2時間42分の上映時間はいかにも長すぎて、冗長すぎるエピソードをうまくカットしたら2時間以内に収められたと思います。
 また、現在のドイツのビジネスマン(十五年ぐらい前に一年間ドイツの事業部に属していたのですが、そのころの私の会社の上司や同僚たちはもっとまじめでした)やルーマニアの状況はよくわからないのですが、パーティでの麻薬(おそらくコカイン)や娘のセックスシーンなども、娘の精神の荒廃を描きたかったのかもしれませんが、作品にあまりマッチしていなくて不必要に思えました。
 経営コンサルタントをしている娘のジレンマ(業界における強い上昇志向と、彼女のために仕事をアウトソーシングされて失職するルーマニアの人々)の描き方も型通りで物足りませんでした。
 一番評価できるのは、主人公のユーモアが最後まで失われなかった点でしょう。

【映画パンフレット】 ありがとう、トニ・エルドマン 監督 マーレン・アーデ キャスト ペーター・シモニスチェク サンドラ・フラー
クリエーター情報なし
ビターズ・エンド
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