現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

川上未映子「いちご畑が永遠につづいてゆくのだから」愛の夢とか所収

2017-07-28 04:49:33 | 参考文献
 ストーリーはなく、ささいなことでいさかいを起こしたと思われる男女の関係を、女性からの視点で、以下のタイトルの短文でつづっています。
 待機。結局。訓練。内部。冷蔵庫。見惚れる。却下。復讐。決定。寝室。夜の底。
 散文というよりは、連作詩のような味わいがあります。
 普通の散文の短編集の中に突然このような作品があると、ドキッとします。
 児童文学の世界では、ストーリーがなく発想の連鎖で書かれた作品としては、岩瀬成子の「あたしをさがして」が有名ですが、あの作品は発想がどんどん外へ向かっていったのに対して、この短編は男女関係の内部に収斂していく感じで、児童文学でもこのようなタッチで子どもたちの関係を描いたらどのようになるのかと興味がわきました。


愛の夢とか
クリエーター情報なし
講談社
コメント
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