芥川賞作家の自伝的な作品です。
擬古的で偽悪的な一人称の文章が、自分の人生をどうしようもできなくてもがいている主人公に奇妙にマッチしています。
主人公は中卒の17歳の少年ですが、とてもいわゆるヤングアダルトの枠に収まるものではありません。
定職につかずに日雇い暮らしをしていた少年が、安洋食屋の住込み店員の座をなんとか獲得し、やがてすべてを失うまでを描いています。
全編、自己嫌悪とそれの裏返しの自己憐憫にあふれていて、性欲、食欲、自己顕示欲などの欲望をむき出しにしています。
かといって、いわゆるピカレスクロマン(これを読んですぐに連想したのは、アラン・シリトーの「華麗なる門出」でした)のような一種のカッコよさはみじんもなく、徹底的にみじめな青春です。
時代設定は昭和58年で、いわゆる高校全入の時代なので、出身中学では唯一の中卒であることへの主人公の劣等感とその裏返しの奇妙な優越感が彼の行動の背景にはあります。
主人公は時代の典型的な人物像ではないかもしれませんが、現在でもたくさんいる高校をドロップアウトした類似の少年たちの思いは代弁しているようです。
擬古的で偽悪的な一人称の文章が、自分の人生をどうしようもできなくてもがいている主人公に奇妙にマッチしています。
主人公は中卒の17歳の少年ですが、とてもいわゆるヤングアダルトの枠に収まるものではありません。
定職につかずに日雇い暮らしをしていた少年が、安洋食屋の住込み店員の座をなんとか獲得し、やがてすべてを失うまでを描いています。
全編、自己嫌悪とそれの裏返しの自己憐憫にあふれていて、性欲、食欲、自己顕示欲などの欲望をむき出しにしています。
かといって、いわゆるピカレスクロマン(これを読んですぐに連想したのは、アラン・シリトーの「華麗なる門出」でした)のような一種のカッコよさはみじんもなく、徹底的にみじめな青春です。
時代設定は昭和58年で、いわゆる高校全入の時代なので、出身中学では唯一の中卒であることへの主人公の劣等感とその裏返しの奇妙な優越感が彼の行動の背景にはあります。
主人公は時代の典型的な人物像ではないかもしれませんが、現在でもたくさんいる高校をドロップアウトした類似の少年たちの思いは代弁しているようです。
![]() | 蠕動で渉れ、汚泥の川を (集英社文芸単行本) |
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