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現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

がんばれ!ベアーズ

2024-11-28 09:02:50 | 映画

 1976年に製作されたリトルリーグを題材にしたコメディ映画です。
 飲んだくれの元マイナーリーグ選手が、お金のために問題児ばかりのポンコツチームの監督を引き受け、次第に熱中していって、元同棲相手の娘の女性ピッチャーや運動神経抜群だが不良(日本なら小学生の年齢で改造バイクを乗り回して、いつも煙草をふかして、大人の女性もナンパしています)のホームランバッターの助けも借りて、リーグの優勝決定戦に進出するという、ありがちなストーリーです。
 今だったら、日本でも上映できないようなシーン(子どもへの暴言や体罰、子どもたちの飲酒や喫煙など)が多発しますが、監督と女の子投手の擬似親子関係や、不良少年と他のチームメイトたちの和解、ライバルチームの監督親子の問題も絡めてうまくストーリーを展開しているので、特に日本ではヒットしました。
 1973年の「ペーパームーン」で史上最年少でアカデミー助演女優賞を獲得して、当時人気があった天才子役テイタム・オニールのアイドル映画という側面もあるのですが、「おかしな二人」のウォルター・マッソーや「コンバット」のヴィック・モローなどの芸達者が大人のドラマの部分を演じて全体を支えています。

 

 

 

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シング・ストリート 未来へのうた

2024-11-27 08:18:22 | 映画

 1985年のアイルランドのダブリンを舞台に、バンド活動にのめり込んでいく少年たち(14、5歳)を描いてます。
 女の子にもてたいために、男の子がバンドを始めるのは万国共通なようです。
 でも、この映画は単なる「ア・ボーイ・ミーツ・ア・ガール」ではなく、その時代の背景も描いていて作品に深みを与えています。
 取り巻いている閉塞的な状況(両親の不仲と別居(カソリック教徒なので離婚できません)、経済的な理由で転校させられた学校(強圧的な校長、落ちこぼればかりで暴力的な生徒たち)、失業者が街にあふれ若者たちが英国へ渡っていってしまう故郷など)に抵抗するように、主人公たちはバンドにうち込んでいきます。
 音楽に関するメンターである兄(大学中退で家に引きこもっています)やミューズである年上の少女(児童養護施設で暮らしています)などに導かれながら、主人公たちは音楽の腕前をあげていきます。
 デュラン・デュランやAーhaなどの80年代のヒット曲が懐かしいし、少年たちのオリジナル・ソングも素晴らしい(主題歌はマルーン5のアダム・レヴィーンが担当しています)ので音楽映画としてもよくできています。
 また、少年たちが化粧をして自分たちのミュージックビデオを撮影するというのも、MTVが世界中を席巻していた当時を彷彿とさせます。
 学校のダンスパーティで演奏する(ギグ)のシーンは「バック・トゥ・ザ・フューチャー」や「青春デンデケデケデケ」(その記事を参照してください)を、主人公が彼女と二人で小さなモーターボートで50キロ離れたイギリスへ向かうラストシーンは「小さな恋のメロディ」(その記事を参照してください)を思い起こさせて、映画ファンにとっても懐かしさを感じさせてくれます。

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マネキン

2024-11-26 12:54:05 | 映画

 1987年公開のアメリカ映画です。

 自分で作ったマネキンに恋した男性と、彼のおかげで命を得たマネキンとの恋愛を描いた、ロマンチック・ファンタジーです。

 全体的には他愛のないドタバタ・コメディなのですが、主役を演じている二人がとてもかわいいのでついつい最後まで見てしまいます。

 マネキンは男性と二人きりの時にしか生きた女性にならなかったのですが、ラストで彼に命を救われて完全な女性になることができて、めでたしめでたしです。

 また、挿入されているダンスシーンや音楽も魅力的です。

 特に、主題歌のスターシップ「愛はとまらない」は全米No.1ヒットになったので、映画よりもこちらの方が有名でしょう。

 実際、「愛はとまらない」のミュージックビデオはこの映画の名場面集なので、それだけ見れば映画は見なくてもいいかもしれません。

 これと同じことが、「フットルース」や「フラッシュダンス」でも言えます。

 

 

 

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ブレードランナー2049

2024-11-23 11:29:08 | 映画

 世界中に熱狂的なファン(私もその一人ですが)を持つ近未来SF映画の、35年ぶりの続編(映画の中の世界では、前作の2019年(この映画は2017年封切りでもうすぐなんですけど、「2001年宇宙の旅」でも21世紀になった時に同様の感慨を持ったのですが、科学技術の発展は当時考えていたものとは違った方に進んでいるようです。一番違うのは、空飛ぶ車の実現かもしれません)から30年後が舞台)です。
 新たな傑作への期待と、前作のイメージが壊されるのではとの不安とが、半々でしたが、結果としてはそのどちらでもなく「まあまあかな」といった感じです。
 「ブレードランナー」と言えば、前作の監督のリドリー・スコットが作り上げた2019年のロサンゼルスの圧倒的なイメージ(デッドテック・フューチャー(退廃的未来)と言うんだそうです)が有名ですし、私も真っ先に大スクリーンに映された芸者さんによる「わかもと」のコマーシャル映像が浮かんでくるんですが、この作品でもセットにCGを加味して立体映像にして、より壮大なスケールで描いていてます。
 前作を踏襲したロサンゼルスのダウンタウンや廃棄物処理区域などはそれほど感心しませんでしたが、ラスベガスを思わせるかつての歓楽都市の廃墟のシーンはヒネリがあって面白かったです(ただ、いろいろなシーンで、映画会社の親会社であるSONYのロゴが出てくるのには食傷されました)。
 ドラマやアクションはまあまあといったレベルで、主人公がレプリカント(人造人間)であることもあって、「人間とは何か」という根源的なテーマに対する問いかけは前作より薄まった感じがします(レプリカントが生殖能力を持つことがこの作品のポイントなのですが、そのことの持つ意味合い(レプリカントの増産に役立つ?、人間とレプリカントとの生殖による新人類(イエス・キリストのような奇跡をもたらす存在)の創生?といったことが匂わされています)が、最後は単純なアクションシーンで締めくくってしまって中途半端なままに終わりました。
 主役のライアン・ゴズリングは、「ラ・ラ・ランド」よりもずっとはまり役で、寡黙で控えめな演技が、従順な新型レプリカント(途中までは自分が人間とレプリカントとの生殖による新人類なのではないかと思っていました)にピッタリでした。
 前作の主役だったハリソン・フォードは、今回もアクション・シーンなどを熱演していましたが、かつての若々しい彼の姿を知るものとしては、年取った彼(この映画ではそれを強調しているかもしれません)を見ると、やはりなんだか悲しくなってしまいました。
 細かいところですが、一番印象に残ったのは、主人公の恋人がAIを持ったヴァーチャル・リアリティだったことです(前作では、人間とレプリカントの恋愛がテーマの一つでした)。
 レプリカントと肉体を持たないヴァーチャル・リアリティの悲恋なのですが、その感情の動きは非常に人間的で私の心の琴線に触れてきました(そのヴァーチャル・リアリティの女性がすごく魅力的なこともあったでしょう)。
 このあたりは、2049年まで待たなくてもすぐに実現して、今は二次元の恋人を持っている現代の若者たち(特に男性)にとっては、新しいより強力な恋愛対象になるでしょう(非婚化と少子化がさらに進んでしまうかもしれませんが)。

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ブレードランナー ファイナル・カット

2024-11-23 11:26:47 | 映画

 1982年公開のSF映画「ブレードランナー」には幾つかのバージョンがあるのですが、これは2007年版です。
 2007年当時の最新技術を用いて画質や音響は改善されていますが、ストーリー自体には大きな変化はありません。
 1983年の日本公開時には、レプリカント(過酷な労働などのために作られた人造人間のことで、感情を持って人間に反乱したために抹殺命令が出されています)とブレードランナー(レプリカントを発見して抹殺する役目の警察官のような公務員です)の壮絶な戦いばかりに目がいったのですが、今回見直してみると、寿命が四年に限定されているレプリカントの悲しみや、レプリカント同士の愛情、人間(ブレイドランナー)とレプリカントの愛情などが色濃く感じられて、一種の異類婚姻譚による新しい世界の創出を暗示しているように思えました。
 実際、この世界の30年後を描いた「ブレードランナー2049」(その記事を参照してください)では、「ブレードランナー」のラストで逃亡した人間(ブレードランナー)とレプリカントの子どもが、超人類として登場します(今回「ブレードランナー2049」を見てから見直したので、特にそういった印象を受けるのかもしれませんが)。
 それにしても、この映画の舞台であった2019年11月のロサンゼルスの退廃した世界を、同じ2019年に見てみるとなかなか感慨深いものがあります。
 実際には、映画の世界のようには酸性雨は降り続いていませんが、地球温暖化による異常気象は世界中で日常化しています。
 人間の奴隷として生み出されたレプリカントはまだいませんが、故郷を追われアメリカにも入国できない移民たちや正規雇用がされずに景気によって簡単に雇止めされる人たちの悲しみは、レプリカントの悲しみに通じる物があると思われます。
 世界中で格差が拡大して富が偏在している現代では、このままいけば人間に対するレプリカントの反乱のようなことが、支配階層に対して起こってもぜんぜん不思議はありません。
 監督のリドリー・スコットの描いた2019年の世界は、お馴染みの空飛ぶ車はご愛嬌としても、現実とはあきらかに異なる点がいくつかあります。
 やはり一番大きいのは、パソコン、インターネット、スマホの不在でしょう。
 これらを実現した半導体は、やはり偉大な発明だったと思われます。
 また、日本が衰退して、中国が台頭することは予見できなかったようです。
 2019年のロサンゼルスには、怪しげな日本語が氾濫していますし、中国人とおぼしき人たちは自転車で走り回っています(1980年代は日本はバブル最盛期でしたし、中国には自転車が溢れていたので、そのイメージを払拭できなかったようです)。
 なお、この映画の原作(ストーリーはほとんど違っているので、原案と言った方が正しいでしょう)は、フィリップ・K・ディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」(アンドロイドとは人造人間の事ですが、現在ではあまり使われていません)ですが、それが書かれたのはさらに10年以上古い1968年のことなので、いかに当時のSF小説の書き手が優れていたかがわかります。

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グラディエーター

2024-11-23 11:24:12 | 映画

 2000年に公開されたアメリカ映画です。

 アカデミー賞の作品賞を受賞し、興行的にも大成功しました。

 監督のリドリー・スコットらしい大掛かりなセットによる迫力あるシーンは、エイリアンやブレードランナー(その記事を参照してください)と並んで、この作品を彼の代表作にしました。

 新しい皇帝(前の皇帝の息子)の陰謀で、前の皇帝に愛され位を譲られようとしていた将軍が、命を狙われ、剣闘士(グラディエーター)に身をやつして、復讐(前の皇帝や彼の妻や子供が殺されました)をとげます。

 かなりご都合主義なストーリーで、非常に通俗的な作品ですが、主演のラッセル・クロウの重厚な演技(アカデミー賞の主演男優賞を受賞しました)にも助けられて、娯楽作品としては大成功しました。

 

 

 

 

 

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竜二

2024-11-21 16:24:46 | 映画

1983年公開の日本映画です。

新宿を舞台にしたやくざ映画ですが、従来の暴力を中心とした映画ではなく、家庭を持ち、子供を持ったやくざが、その生活に疑問を持ち、足を洗おうとして苦闘する姿をリアルに描いています。

脚本を書き、主演をした金子正次は、この映画の封切り直後に胃がんのために死亡し遺作となりました。

全く無名だった金子正次が主役を演じたために、かえって映画にリアリティを持たせることに成功しています。

妻役の永島暎子、舎弟役の北公次や桜金造(当時は佐藤金造)もはまり役ですし、幼い娘役を金子の実の子どもが演じたために、やくざ映画なのに奇妙な生活感を出すことに成功しています。

 

 

 

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マーメイド・イン・パリ

2024-11-13 15:30:20 | 映画

 2020年公開のフランス映画です。

 子供の心を持った男性(40才ぐらいですが、仕事場にローラースケートで通い、自宅はおもちゃや人形や飛び出す絵本にあふれています。猫も一匹います)と、傷ついた人魚が、セーヌ河畔で運命的に出会います。

 人魚は歌声で男性を恋に陥らせて命を奪う能力を持ちますが、なぜか主人公には通じません。

 彼女を治療した二日間に、二人は恋に落ちます(男性だけでなく人魚も)。

 ストーリー自体は、絵に描いたようなハッピーエンドのロマンチック・コメディですが、ファンタジックな味付けが効いています。

 全編、レトロな映像と音楽に溢れていて、すごくオシャレな映画です。

 そういった雰囲気は好みの分かれるところだと思いますので、万人向きの映画ではないかも知れません。

 

 

 

 

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いつも心に太陽を(TO SIR, WITH LOVE)

2024-11-09 13:24:48 | 映画

 1966年公開のシドニー・ポアチエ主演のイギリス映画で、日本でもヒットしました。
 ロンドンのダウンタウンの学校に赴任してきた黒人の教師と、卒業してもうすぐ社会に出る生徒たち(イギリスの義務教育は11年制で、その最終学年なので16歳)との交流を描いています。
 初めは技師の仕事が得られるまでのつなぎの仕事だと思っていた主人公が、だんだん教師の仕事に熱中していって、ラストシーンではせっかく決まった技師としての採用通知を破り棄てます。
 荒れた不良少年少女のたまり場のようだったクラスを、愛情と情熱、そして何よりも彼らを一人前の大人として扱うことによって心を開かせていきます。
 背景として、貧困、人種差別、教育の荒廃などを描いている点も優れていると思います。
 主演のシドニー・ポアチエは、1955年のアメリカ映画「暴力教室」に生徒役で出演していますから、同種の映画に教師役と生徒役の両方で出演したことになります。
 日本でもヒットしたのは、当時の日本と英国の社会に共通点(階級闘争、反米感情、教育の荒廃、高度成長による格差の増大など)があったからでしょう。
 この映画には、以下のように「現代児童文学」と共通しています(カギカッコ内はいわゆる狭義の現代児童文学の理念です。詳しくは、関連する記事を参照してください)。
「散文性の獲得」ロンドンのダウンタウンの様子を写実的に描写しています。
「子どもへの関心」ダウンタウンの子どもたち(16歳なのでグレードとしてはヤングアダルトになります)の風俗を的確にとらえています。
「変革の意志」ひとつのクラスを生き返らせただけでなく、ラストシーンで来年受け持つであろう男女の不良生徒たちを登場させ、それでも教師を続けることを選ばせて、主人公の変革の意志がこれからも続いていくことを暗示しています。
「おもしろく、はっきりわかりやすく」主題歌をはじめとしたポピュラーミュージックやダンスシーンを多用して、ともすればかたくなりがちなテーマを明るい娯楽作に仕立てています。
 ところで、今回は出演者の一人であるルルの歌う主題歌(映画以上に大ヒットしました)を60年代のヒット曲集の中で聞いて、むしょうに映画も観たくなったのですが、実際に見るまでに結構苦労しました。
 原因は、映画がディジタル化されていなくて(ハリウッド映画はかなりディジタル化の作業が進んでいるのですが、ヨーロッパ映画は立ち遅れているようです)DVDやブルーレイがないので、どこの宅配レンタルにも、レンタルショップにも在庫がなかったからです。
 また、CSやBSの映画チャンネルでも放送予定はありませんでした。
 けっきょく灯台元暗しで、いつも利用している図書館でVHSテープを借りることができました。
 せっかくメモリやいろいろな記憶媒体の大容量化が進んでいるのですから、過去のアナログの映像はどんどんディジタル化してほしいものです。
 このあたりにも商業主義がはびこっていて、ビジネスにならなければ民間ではディジタル化の作業をやらないのでしょう。
 そのため、国家レベルでこうした文化財の保護をしてもらいたいと思います。
 これは児童文学も同様で、今はまだ図書館でほとんどの本を借りることができますが、過去の作品の電子書籍化をもっと推進しないと、そのうちに散逸してしまうことでしょう。

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グーニーズ

2024-11-06 08:09:31 | 映画

 1985年に公開された子ども向け冒険映画で、その頃大人気だったシンディー・ローパーが主題歌を歌っていたこともあり、日本でもヒットしました。
 当時夥しい数あったスピルバーグ印(この映画では製作総指揮)の映画だったことも人気の原因ですが、演出力は彼が監督した作品には遠く及びません。
 子どもたちの海賊の宝物さがしを、脱獄中の偽札作り犯人グループとの対決や、ゴルフ場開発のために町がなくなる話などに絡めて、いいもの役と悪人役がはっきりしていて、最後にはいい方がすべて勝つという単純明快なハッピーエンドストーリーです。
 見どころは、スピルバーグの「インディー・ジョーンズ」を子ども版にした冒険活劇シーン(CGではないのでそれなりにスリルが味わえます)と、「インディー・ジョーンズ」や「スタンド・バイ・ミー」(この映画より一年後の公開ですが)で活躍した子役たちも含めた少年たちの達者な演技でしょう。
 そう、この映画は「インディ・ジョーンズ」の子ども版であるとともに、「スタンド・バイ・ミー」のエンターテインメント版なのかもしれません。
 そういう意味では、児童文学のエンターテインメントを書こうとしている人にはお勧めできます。

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遠い空の向こうに

2024-11-05 08:33:53 | 映画

 1950年代の宇宙開発競争時代に、ソ連の人工衛星スプートニクスの成功に刺激を受けて科学に目覚め、ロケット開発に夢中になっていく少年たちを描いています。
 まさに、児童文学の王道の成長物語を絵にかいたような作品です。
 閉塞した田舎の炭坑町(そこを抜け出すには、主人公の兄のようにフットボールの奨学金を手に入れて大学に進学するしか方法がありません)、炭坑に人生のすべてをささげている父との葛藤、父の事故、科学コンテストに出場するよう励ましてくれる恩師の病気、度重なる失敗など、さまざまな障害を乗り越えて科学コンテストの全国大会で優勝して、仲間たち(ロケットボーイズと呼ばれています)と共に大学進学の奨学金を獲得します。
 実在するNASAの技術者の自伝に基づいた、典型的なアメリカンドリームのサクセスストーリーなのですが、俳優陣の堅実な演技が素直な感動を与えてくれます。
 あらゆる意味で1950年代はアメリカの黄金時代だったのですが、現在はトランプ大統領が誕生した背景にある格差問題(特に若年層)が深刻化しています。
 アメリカでは大学の学費の高さとそのための学生ローンが問題になっていますが、日本でも奨学金の名を借りた高利の学生ローンは若い世代の大きな負担になっています。
 これらの解決の消極的な行政や政治家たちに、強い怒りを覚えます。


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ブルース・ブラザース

2024-11-04 11:32:27 | 映画

 1980年公開のアメリカ映画です。
 アメリカの人気テレビ番組「サタデー・ナイト・ライブ」の同名コーナーの出演者を中心に、ストーリーを膨らましてアクション映画とミュージカルの要素をごたまぜにしたスラップスティック・コメディです。
 当時人気絶頂だった芸達者のジョン・ベルーシとダン・エイクロイドを中心にした、豪華メンバーによる演奏とダンスが途方もなく楽しいです。
 特に、大御所のジェームス・ブラウン、アレサ・フランクリン、レイ・チャールズたちが、結構重要な役を楽しそうにこなしながら、歌やダンスを見せてくれるのはゴージャスです。
 カーチェイス、クラッシュ、爆破、銃撃戦などの派手なシーンも、現在と違ってCGを使わずに実写で描かれているので迫力満点です。
 けっこう建物や多数のパトカーがめちゃくちゃになるのですが、誰一人死なないどころか怪我もしないので心から楽しめます(ただし、カー・スタントの人たちは怪我をしたかもしれません)。
 スター・ウォーズのレイア姫役で当時人気者だったキャリー・フィッシャーが、ベルーシの命を付け狙う元恋人役で出ていて、その暗殺方法がロケット砲、時限爆弾、火炎放射器、マシンガンとハチャメチャで大げさなのですが、もちろんベルーシはかすり傷一つ負いません。
 とにかくばかばかしいストーリーなのですが、彼らの大暴れの理由がベルーシとエイクロイドが育った孤児院の立ち退きを救うためなので、どんなに無茶をしてもどこかホロリとさせられます(やっと児童文学につながりました)。
 また、ベルーシとエイクロイドの黒づくめの衣装にサングラスのスタイルは大流行して、その後、「マトリックス」や「メン・イン・ザ・ブラック」でも踏襲されています。

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E.T.

2024-11-02 08:06:11 | 映画

  1982年公開のスピルバーグ監督の映画で、世界中で空前のヒットをしました。

 E.T.と子どもたち、特に主人公のエリオット少年の心の触れ合いは、何度見ても心温まるものがあります。

 今のCG全盛の映画と比べると、宇宙船や特撮は手作り感満載なのですが、そんなことはどうでもいいのです。

 要は、ドラマが描けているかどうかなのです。

 大人たちの権力に対する子どもたちの完璧な勝利。

 そう、この作品は、児童文学の王道をいく作品なのです(映画ですが)。

 しかも、子どものころの心を失わない大人たちも登場し、児童文学作品が子どもだけでなく大人のためにもあることも証明してくれています。

 それは、スピルバーグ自身が子どもの心を失わない真の児童文学者(映画監督ですが)だからなのでしょう。

 

 

 

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七人の侍

2024-11-01 15:40:34 | 映画

 1954年(私が生まれた年です)に公開された、言わずと知れた黒澤明監督の代表作の一つです。
 手に汗握るアクション時代劇でありながら、人生とは何か、生きるとは何か、死とは何か、野武士たちに搾取されている百姓たちの悲しみ、負け戦を転々とする浪人たちの悲しみなどを余すところなく描き出した傑作中の傑作です。
 志村喬演じる軍略に通じいつも冷静沈着なリーダー役を初めとして、三船敏郎の百姓上がりの野性児、木村功の育ちの良い若侍、稲葉義男の温厚なリーダーの補佐役、加藤大介のほがらかなリーダーの女房役、千秋実のひょうひょうとしてとぼけたムードメーカー、宮口精二の寡黙な剣の達人と、七人の個性が際立っていて、後のいろいろな映画を初めとしたエンターテインメントで、リメイクされたり(一番有名なのは「荒野の七人」)、模倣されたりしています(フランシス・フォード・コッポラやスティーブン・スピルバーグやジョージ・ルーカスといった面々にも、この映画は多大な影響を与えました)。
 見る人によって七人のうちの誰が好きかは意見が分かれるでしょうが、四十年以上も前に初めて見た時以来、私にとっては、作品中で木村功演ずる勝四郎が心酔したように、宮口精二演ずる久蔵が一番魅力的でした。
 味方が窮地に立たされた時は常に平然と一人で死地にも赴き、抜群の功績を残しても決して驕らず、「男の中の男」という言葉は、この男のためにあるのじゃないかと今でも思っています。
 全編、男臭い映画なのですが、津島恵子演ずる美しい百姓の娘しのと、勝四郎の、身分を超えた激しい恋愛が色を添えています。

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ジョーズ

2024-10-31 09:08:05 | 映画

 1975年に公開され、スティーブン・スピルバーグの名を不朽のものにしたパニック映画の傑作です。
 言い古された話ですが、サメが姿を見せない前半の恐怖の盛り上げ方(音楽、カメラ・アングルなど)が、他の恐怖映画とは一線を画しています。
 後半も、姿を現したサメと三人の男たち(海が苦手な島の警察署長、お金持ちのボンボンの海洋学者、サメ漁師の荒くれ男といった個性豊かな役どころを、それぞれロイ・シャイダー、リチャード・ドレイファス、ロバート・ショーという名優たちが演じています)との死闘もスリリングです。
 封切り時にはそのころ好きだった女の子と渋谷で見たのですが、前半は急な場面転換で怖いシーンが出てくるので、隣の女の子をかばいながら見るのに最適な映画だったことを今でも覚えています。
 そのころは、スピルバーグか、フランシス・コッポラか、ジョージ・ルーカスの映画(ジョーズ、インディ・ジョーンズ・シリーズ、E.T.、ゴッド・ファーザー・シリーズ、地獄の黙示録、アメリカン・グラフィティ、スター・ウォーズ・シリーズなど)さえ見れば、まずはずれはなかったので、女の子とのデートにはもってこいでした。

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