と言うことで2記事目。
・まずオープニングのブランコは1往復半。
行き(正面進む)で、ハイジのはつらつさを出す。
途中の折返しで、歌の疑問符を歌詞とメロディーと絵の戻りで表現(素晴らしい! )
帰り(正面戻る)で、鳥4羽がハイジについていく。
で、視線がそっちに誘導されるので、ハイジがここでパンチラしているのは誰も気づかない。
と言うか私はパンチラ大嫌い人間なんで、これどうして? と思ってたんですが(絵で表現したくないものはアニメにおいて絶対書かれない)、これ高畑さんの趣味がここに出たんじゃないの的な。いや、当時はわかめちゃんのように、パンツ出てて当然みたいな感じではあったからまあいいんかね。現代から見ると絶対やらん表現ですけれども。
で、更に行き(正面再度進む)で、鳥がハイジに乗ってて、いやこれ本当こういうことあったらいいなあと言う感じを持たせるんですよね。野生の鳥は絶対こういうことせんでしょうけれども。
・ハイジのオープニングでの曲は不思議な構成になっている。
そもそも短いと言う特徴があるが、日本の曲の80〜10年代の曲からすると、スタンダードを外しているのだ。
普通は、イントロ〜Aメロ〜Bメロ〜サビ〜シメの構成なのだが、ハイジOPはBメロがない。またシメが一般的な曲と比較し、比率的に異様に長い(最後のヨーデルの部分)。シメに盛り上がりが来ているところもあるので、ある種サビが二回続いているような感じである。
流れはイントロで曲の雰囲気紹介、Aメロでこの曲はこうですよ、と言う説明、Bメロでサビにかかる疑問(私たちはこのままでいいの? 的な自問)、それに対する回答をサビで歌い上げ、シメで自分たちの心に結論をつける、と言う具合である。で、このBメロがない。
そもそもAメロでおじいさんに質問する構成になっているので、Aメロのメロディーは初期説明のものでありながら、歌詞がBメロで使うような疑問になっているという不思議構成である。
言わば、ハイジのOP曲はイントロ〜Aメロ(兼Bメロ)〜サビ〜サビ(兼シメ)と言うよく分からん構成なのだ。それであるにも関わらずあの完成度である。
ただ、曲はこういう風に自由に作っていいし、かつ、それに併せて素晴らしいアニメーションがあってもいいと言う再発見でもあろう。
・OP最後の秋→冬→春と言うのも素晴らしい構成だが、これもまた変則的だ。
普通は春→夏→秋→冬ときて→春として、再び春が来て良かったね、と言う形にするのだが、どうして秋からスタートしようと思ったし。構成上の時間の制限もあっただろうが、しかし本当にセンスがズバ抜けている。
・岡田斗司夫さんの理論によれば、右を見ているのが未来、左を見ているのが過去を示しているらしいですが、このハイジの場合はOPラストに左向いてますよ。これどう説明するのか興味ある。