手わざの記憶 (中公文庫)村上 健司中央公論新社このアイテムの詳細を見る |
再生された手摺り花札
鋳物の町の意地が残したベーゴマ
子供たちの万能ナイフ「肥後守」
古紙から生み出された江戸張り子
「涼」を演出する江戸風鈴
ガラスの中で時を刻む砂時計
光輝く筆記用具、ガラスペン
実用本位で作られる花巻傘
持ち運び可能の簞笥、柳行李
天然素材の掃除用具、座敷箒
魔法の焜炉、切り出し七輪
植物生まれの和の光、和蝋燭 』
この12の伝統工芸品の中で実際に見たことがことがある、使ったことがあるものはいくつあるだろうか。
現在使っているかどうかを問うまでもなく、過去においてでさえ経験していないものがほとんどだろう。
かろうじて砂時計くらいだろうか。
その砂時計も我が家にはひとつもない。
職人がその技を伝えたくても、そもそも材料が手に入らない、販路がないという事実はいかんともしがたい。
博物館でしかお目にかかれなくなるのも時間の問題か。
それを惜しいと思うのもわからなくもないが、時代の流れ…記録し、記憶しておくしかないのだろうなぁ。