「因果関係が特定できない」
よく聞くフレーズだ
イジメによる自殺が起こった際に
学校や教育委員会が発する雛形台詞になっている
公害で健康を害した住民には、国や県がよく使う
つい最近も、鹿児島県の某町営温泉施設で
60代の男性がレジオネラ性肺炎で一時重体と
なった事件があった。県の検査で浴槽から
基準値の128倍のレジオネラ菌が検出されたが
県は「因果関係が特定できない」と行政処分を
見送った…。なんで?と思うなかれ
組織を守るための魔法の言葉なのだ
口をさしはさむ余地はない
20代の前半、僕は運転のアルバイトをしていた
ある日、寝坊して出社すると、他のバイトは
全員出発していた。僕は慌てて荷物を車に積み
その日の仕事をこなしたのだが、その直後に
他のバイトが接触事故を起こした
「彼が事故ったのは、君が遅刻したせいだ」
バイトの統括は僕にそう言ったが
さすがに“その因果関係”は特定できなかった
ビルの屋上から人が落ちた。そして死んだ
ビルから落ちたから死んだのだが、ビルの管理者は
屋上の鍵が壊れていることで責任を問われたくなくて
「しかし、因果関係は特定できない」と魔法の言葉を吐く
これも無理があるが、その魔法の言葉を吐き続けた
男女が一夜を共にした。数ヵ月後、女性が子供を産んだ
男は責任をとりたくなくて「因果関係は特定できない」と
魔法の言葉を呟くが、それが逆に女の怒りを買い
高い慰謝料と月々の養育費を払うはめになった
この魔法の言葉は「組織」だけのもの
個人が使うと火傷する
要注意