だから僕はひとりで旅に出る

人間は汚い。人間は醜い。人間が怖い。だから僕はいい人に会いたくて旅に出る。オープンウォータースイマーの練習と大会の記録

大磯ロングビーチオープンウォーター10km スタート!

2011年07月04日 23時09分31秒 | 大磯ロングビーチオープンウォータースイム

 いよいよスタート!!

  しかし、ゴーグルがどうもしっくりこない。何だろう?何度もつけ直すがしっくりこない。5秒前!の声がかかる。仕方ない。このまま行くか。

 スタート!!の合図で泳ぎ始めた。でもすぐ水が入る。立って直したがまたすぐ入る。おかしい?

  立ってゴーグルを外してみると、シリコンの部分が外れている!!!!

  慌てて直してセットし、今度こそスタートした。先頭集団は遥か先・・・。40mといったところか。

 しかし不思議と心は折れなかった。所詮、2時間の中の25秒程度の事だ。最後尾で、前を追う!!

 昨日感じた調子の悪さは全く気にならなくなっていた。スタートがこんな状態なのでもうどうでもいい。

 順調に進んでいく。どんどん抜けるので何となくノってきた。できるだけ最短コースで進む。コース幅は12.5mもあるが、内側5mが最短だ。一周終わる度にチェックポイントを通る。チェックポイントは最外部にあるがそこを通る時に気付いた。「外側の方が流れが強い!!!」

 実はアップの時流れがある事にみんな気付いていた。流水装置は止めているらしいが、そう簡単には流れが止まらないらしい。なるべく外側を泳いだ。少し大回りになるがその方が速いはずだ。あ~。先頭集団の動きが見れてたらなぁ~。

 2周目で大学水泳部のOBに追いついた。社会人になって仕事しながらのトレーニングは大変なのだろう。特に就職してすぐの時は・・・。

 3周目で北嶋君に追いついた。やはりコース取りを完全に理解しているようだ。

Nec_0098_2  これでおそらく前には大学生2人とリーダーさん。たぶん4位だろう。まぁ山口綾乃さんは除いて・・・(笑い) 。これからは本当にいつもの2時間泳と同じだった。同じ音・同じ景色・同じリズム。まだ半分も行っていない。周回数遅れの人、3000mの人。何人抜いたかわからない。ただ単調に泳ぐ。

 8周目に変化があった。後ろから追い上げてくる選手がいる。だ、だれだ?北嶋君か?いやちがう。トップの選手だ!!半分も行かないうちに周回遅れにされている!! 後ろについて泳いでみるが全くついて行けない!!!なんということだ!!やはり調子が悪いのか?

  ちょっとペースを上げて泳ぐ。10周目には2位の選手にも追いつかれ、11周目には山口選手にも抜かれた。全くついて行けない。ドラフティングも出来ない程の泳力差だ。

 12周目で給水した。14周目でも給水した。次第に肩へのダメージが蓄積されているのがわかる。しかし、心拍数は上がっていない。

 16周目でも給水した。指・肘の内側のダメージも大きくなっている。17周目で再び先頭の選手に周回遅れにされる。隣に並んだ時に泳ぎを見てみた。ゆっくりとしたストロークなのにナゼこんなに進む??水族館の水槽内をゆったり泳ぐイルカのイメージだ。

 あと2周!!  おもいっきりハイペースにしてみた。1分20秒程度のスピードを維持して泳ぐ。疲労はピークになっているのだろうがあまり感じない。良いペースで泳げている。心拍数も160程度に上昇している。

 あと、1周!! 別に必要は無かったが、この3週連続大会出場の最後のラストスパートということで給水に止まった。軽く水分をとり、さぁ行くか!と前をみると15m先に10kmの青キャップが見える。あっ!!あ、あれは!! リーダーさんだ!! ようやく追いついた。残り500mで15m。まだ行ける!! 

 ここからは本気のロングラストスパートだ。体はもう限界だが、あとたった6分!!思ったより早く追いつけた残り300m!! いける!!  しかし、リーダーさんは完全に油断していたらしく急激にペースを上げてきた。一度抜いたがまたすぐに追い抜かれた。なんて強い!!!

  大きな円を描くカーブをまわり、ラスト250m!!  1mぐらいまだ負けている!  のこり200m!!筋肉が、心臓が、精神が、最後までもつかどうかわからないがここから全開!!   最後までもちこたえてくれ! 

   完全に体一つ前に出た。周回遅れの選手を抜く。後ろのリーダーさんがどこにいるかわからないが引き離してはいないだろう。地力なら全く敵わない選手だ。最後のカーブ!  残り100m!  心臓も限界で、フォームもデタラメになっている。

 しまった!!  カーブをまわりすぎている?  ゴールに向かっていない!!  すぐ修正したが、もう真横にリーダーさんがいる!!  あの一瞬の時間に体一つ分追いついたのか? やはり強い!!

  そこからはたった数十秒と思えないほど素晴らしく、苦しく、地獄のような、夢のような時間だった。最も離れたのが100cm。最も近づいたのが20cm。離れたり追いついたりをしながら二人並んでゴールに入った。本当に全身で全開で全力を放出した。

勝った。

  

何とか3位に入れた。前の大学生2人はケタ違いに速かったけど・・・。 


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2 コメント

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10km、お疲れ様でした。m(_ _)m (マンサク)
2011-07-05 07:42:00
10km、お疲れ様でした。m(_ _)m
10km長いですよね~。。。(^。^;)
そんな中でも、勝利への執念を切らすことなく泳ぎ続ける。
相変わらずその姿勢に感服致します。

すぐにあきらめモードに入るマンサクには心の強さが必要なんだと、この記事を拝見して感じました。(^^)


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マンサクさん。ありがとうございます。 (Noh)
2011-07-05 08:25:17
マンサクさん。ありがとうございます。

でも正直、中盤は惰性で泳ぎました。100m1分27,28秒くらいまで落ちたと思います。

 その上、ラストの時も「あぁ、この人になら負けても良い」なんて事を考えたりもしてました。(笑)

私はトレーニングの後に仕事があると、無意識に練習を抑え気味になっています。忙しい仕事をしながらあのトレーニングをしているマンサクさんは十分強いと思います。


 
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