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感想:『薄妃の恋』

2009年09月27日 14時56分03秒 | 仁木英之
薄妃の恋―僕僕先生薄妃の恋―僕僕先生
価格:¥ 1,470(税込)
発売日:2008-09


綺譚亭にも書いたが、「僕僕先生」シリーズ3冊目の『胡蝶の失くし物』を2冊目と勘違いして借りてしまい、慌てて借りたのが本書だ。前作よりも連作短編集という構図がはっきりとしていて読みやすくなった。

「感想:『僕僕先生』」では、「小説に対してはどうしても物語性を強く求めてしまうがゆえにやや物足りなく感じたのも事実だ」と書いた。エピソードの羅列がストーリーとあまり結び付かず、気の抜けた炭酸飲料を飲んでいるような感じだった。本書は、ストーリー性を求めず、あくまでエピソードをエピソードとして書こうとしているので楽しむことができた。
日本ファンタジーノベル大賞応募作であった前作はその性質上ストーリー性を無視することができなかったが、既に世界観やキャラクター性、何より書き手の位置付けが定まり、ストーリー性を排除する余裕が生まれたということだろう。
極端にユニークなエピソードはないが、僕僕と王弁のやり取りの妙は楽しく、個性的なキャラクターは味わい深い。


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