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スキージャンプ団体

2006年02月21日 04時36分42秒 | トリノ五輪
この19歳の若者には本当に驚かされるばかりだ。オーストリアを初のオリンピック団体金メダルに導いたのはThomas MORGENSTERN。ノーマルヒルでは1回目2位から12位に沈んだ。しかし、ラージヒルでは同じ2位から140mの大ジャンプで見事に金メダルを獲得。そして、団体でチーム4人目のジャンパーとしてもっとも重圧のかかる場面で再び140m越えの大ジャンプ。怖いもの知らずというか、まだ怖さを知らないというか。
もちろん4人の力が揃っていたことも優勝の要因だ。2位フィンランドも大崩れすることなく、特に最後にJanne AHONENとMatti HAUTAMAEKIの二人がいいジャンプでオーストリアを追い詰めたのは見事だった。
3位ノルウェーは優勝候補に挙げられていたものの、3人目のジャンパーの力が劣り、優勝争いに加わるまでには至らなかった。それでもRoar LJOEKELSOEYが最後に見せた141mのジャンプは凄かった。

日本は6位。葛西紀明と岡部孝信の2回目のジャンプは見るべきものはあったが、メダル争いに加わることはなかった。
長野五輪の頃は数多くの素晴らしいジャンパーが揃っていた日本だが、その後の凋落は目も当てられないものだった。一時はこのトリオに日本選手団の派遣を見合わせるといった意見も出たほどだ。
きっかけが長野後のルール変更にあったことは確かだ。だが、ソルトレークシティーでメダルを2個ずつ取った選手二人は小柄なジャンパーで、日本の不振は過剰反応だったかもと思わせた。それから更に4年が過ぎ、未だにそのルール変更が不振の原因とされている。
エース岡部が35歳、葛西33歳、原田37歳と長野の頃が全盛期と言いたくなるような選手が今も中心メンバー。一戸剛は29歳だが、伊東大貴20歳、伊藤謙司郎16歳と本来最も油の乗っているであろう25前後の選手がいない。ジャンプに限ったことではなく、今回のメダルゼロの原因として言われている長野後の育成面の怠慢がこうした現状を生み出している。
個々の選手はよくやっているが、こうした大舞台で勝ち切るだけの力は残念ながら持っていない。そうした選手を育てられなかった理由を日本に不利なルール変更に押し付けている気がして、そうした意見を聞くたびに情けなく思ってしまう。
夏季で成功したように冬季に関してもトレセンなどによって体系的な強化活動を地道に行っていくしかないだろう。選手の置かれた環境を考えれば、日本の選手たちは本当によく戦っている。


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