NFLはパリティと言われる。入替制のないクローズドなリーグでは戦力均衡が重要であり、それがファンの獲得にも繋がる。NFLは、サラリーキャップ、完全ウェーバー制ドラフト、成績を元にしたスケジュールにより、戦力均衡に最も力を入れているプロスポーツリーグである。1試合あたりの観客動員では全てのプロスポーツでトップとなっている。
しかし、そうしたリーグの姿勢にも関わらず、戦力が均衡しているかというと結果の不均衡は明確に現れている。もちろん、それはチームの努力や戦略の差によるものだが、特に2012-13シーズンに顕著だった。
今期プレイオフ出場チーム12のうち、2年連続出場が8チームと実に2/3となった。AFCに至っては、6チーム中5チームが連続出場であり、4地区すべて昨シーズンと同じチームが優勝した。
現在の各カンファレンス4地区制32チーム体制となったのが2002シーズンから。それ以降の連続地区優勝と連続プレイオフ出場は以下の通りとなっている。
この11シーズンの各チーム成績は以下の通り。
New Englandの地区優勝9回や、Indianapolisのプレイオフ出場10回といった記録の一方、Buffaloは一度もプレイオフ出場を果たせずにいる。地区優勝未経験も、Buffaloのほかに、Cleveland、Jacksonville、Detroitと4チーム(Washingtonは今シーズン地区優勝を飾って抜け出した)。
NFC Southは、Atlanta、Carolina、New Orleansが地区優勝3回ずつ、Tampa Bayが2回と均等に優勝を分け合っていて、過去に2年連続優勝すらない地区だ。
AFC Northは、New Englandが11回中9回の優勝。AFC Southも、Indianapolisが7回と偏りが激しい。
地区ごとの成績は以下。
面白いことに3地区が369勝で並んでいるが、WC(ワイルドカードでの出場回数)には開きがある。
データの傾向からは、NFCはパリティと呼べる状況なのに対して、AFCは戦力が固定化されているように見える。New EnglandとIndianapolisの二強の存在が大きいのはもちろんだが、NorthやWestも偏りはNFCよりも大きいと言えるだろう。
32チームというバランス良いチーム数となり、新規エクスパンションは考えにくくなった。ホームタウンの移転の噂はあるが、現実にはなかなか起きにくい。リーグによる新たな戦力均衡策としては地区再編という荒業が考えられる。現行の体制となって11年。今シーズンのようなことが続くようなら当然考慮される選択肢となるだろう。
パリティではないNFLなんて、刺激に欠けることこのうえない。
しかし、そうしたリーグの姿勢にも関わらず、戦力が均衡しているかというと結果の不均衡は明確に現れている。もちろん、それはチームの努力や戦略の差によるものだが、特に2012-13シーズンに顕著だった。
今期プレイオフ出場チーム12のうち、2年連続出場が8チームと実に2/3となった。AFCに至っては、6チーム中5チームが連続出場であり、4地区すべて昨シーズンと同じチームが優勝した。
現在の各カンファレンス4地区制32チーム体制となったのが2002シーズンから。それ以降の連続地区優勝と連続プレイオフ出場は以下の通りとなっている。
シーズン | 連続優勝 | 連続出場 |
---|---|---|
2003 | 2 | 4 |
2004 | 4 | 7 |
2005 | 3 | 5 |
2006 | 4 | 5 |
2007 | 4 | 6 |
2008 | 2 | 5 |
2009 | 3 | 6 |
2010 | 2 | 7 |
2011 | 1 | 6 |
2012 | 6 | 8 |
この11シーズンの各チーム成績は以下の通り。
チーム | 勝 | 負 | 引 | 勝率 | 優勝 | 出場 |
---|---|---|---|---|---|---|
New England | 135 | 41 | 0 | .767 | 9 | 9 |
Indianapolis | 122 | 54 | 0 | .693 | 7 | 10 |
Pittsburgh | 113 | 62 | 1 | .646 | 5 | 7 |
Green Bay | 110 | 66 | 0 | .625 | 6 | 8 |
Baltimore | 104 | 72 | 0 | .591 | 4 | 7 |
Philadelphia | 103 | 72 | 1 | .589 | 5 | 7 |
San Diego | 103 | 73 | 0 | .585 | 5 | 5 |
Atlanta | 100 | 75 | 1 | .571 | 3 | 6 |
Denver | 99 | 77 | 0 | .563 | 3 | 5 |
N.Y. Giants | 97 | 79 | 0 | .551 | 3 | 6 |
New Orleans | 97 | 79 | 0 | .551 | 3 | 4 |
Dallas | 94 | 82 | 0 | .534 | 2 | 4 |
Tennessee | 92 | 84 | 0 | .523 | 2 | 4 |
Chicago | 92 | 84 | 0 | .523 | 3 | 3 |
Seattle | 92 | 84 | 0 | .523 | 5 | 7 |
Minnesota | 87 | 89 | 0 | .494 | 2 | 4 |
N.Y. Jets | 86 | 90 | 0 | .489 | 1 | 5 |
Carolina | 86 | 90 | 0 | .489 | 3 | 3 |
Cincinnati | 81 | 94 | 1 | .463 | 2 | 4 |
Tampa Bay | 81 | 95 | 0 | .460 | 2 | 3 |
San Francisco | 80 | 95 | 1 | .457 | 3 | 3 |
Jacksonville | 78 | 98 | 0 | .443 | 0 | 2 |
Miami | 77 | 99 | 0 | .438 | 1 | 1 |
Houston | 77 | 99 | 0 | .438 | 2 | 2 |
Washington | 75 | 101 | 0 | .426 | 1 | 3 |
Kansas City | 73 | 103 | 0 | .415 | 2 | 3 |
Buffalo | 71 | 105 | 0 | .403 | 0 | 0 |
Arizona | 70 | 106 | 0 | .398 | 2 | 2 |
St.Louis | 63 | 112 | 1 | .360 | 1 | 2 |
Cleveland | 61 | 115 | 0 | .347 | 0 | 1 |
Oakland | 60 | 116 | 0 | .341 | 1 | 1 |
Detroit | 51 | 125 | 0 | .290 | 0 | 1 |
New Englandの地区優勝9回や、Indianapolisのプレイオフ出場10回といった記録の一方、Buffaloは一度もプレイオフ出場を果たせずにいる。地区優勝未経験も、Buffaloのほかに、Cleveland、Jacksonville、Detroitと4チーム(Washingtonは今シーズン地区優勝を飾って抜け出した)。
NFC Southは、Atlanta、Carolina、New Orleansが地区優勝3回ずつ、Tampa Bayが2回と均等に優勝を分け合っていて、過去に2年連続優勝すらない地区だ。
AFC Northは、New Englandが11回中9回の優勝。AFC Southも、Indianapolisが7回と偏りが激しい。
地区ごとの成績は以下。
地区 | 勝利 | 敗北 | 引 | 勝率 | WC |
---|---|---|---|---|---|
AFC East | 369 | 335 | 0 | .524 | 4 |
AFC North | 359 | 343 | 2 | .511 | 8 |
AFC South | 369 | 335 | 0 | .524 | 7 |
AFC West | 335 | 369 | 0 | .476 | 3 |
NFC East | 369 | 334 | 1 | .525 | 9 |
NFC North | 340 | 364 | 0 | .483 | 5 |
NFC South | 364 | 339 | 1 | .518 | 5 |
NFC West | 305 | 397 | 2 | .434 | 3 |
面白いことに3地区が369勝で並んでいるが、WC(ワイルドカードでの出場回数)には開きがある。
データの傾向からは、NFCはパリティと呼べる状況なのに対して、AFCは戦力が固定化されているように見える。New EnglandとIndianapolisの二強の存在が大きいのはもちろんだが、NorthやWestも偏りはNFCよりも大きいと言えるだろう。
32チームというバランス良いチーム数となり、新規エクスパンションは考えにくくなった。ホームタウンの移転の噂はあるが、現実にはなかなか起きにくい。リーグによる新たな戦力均衡策としては地区再編という荒業が考えられる。現行の体制となって11年。今シーズンのようなことが続くようなら当然考慮される選択肢となるだろう。
パリティではないNFLなんて、刺激に欠けることこのうえない。