民主党のバラク・オバマが大統領選挙で圧勝し合衆国初の黒人大統領が誕生した。この快挙を生み出した要因に人気TVドラマ『24』の影響があることは間違いない。
デニス・ヘイスバートが演じた黒人大統領は有能で信頼できる存在感を持った人物として描かれた。もちろん『24』以外でも様々な黒人大統領が描かれてきたが、これが最も影響力があったと思う。
昨夜の『BSアニメ夜話』でSFの効能を、目に見えない漠然とした科学技術の概念を生活に密着したリアルなイメージへと変換することができると語っていた。更にそれは映像化されることでより強いイメージを喚起できる。
メディアによって具体的にイメージ化された黒人大統領の姿は多くの合衆国国民に抵抗感を失わせた。それは作り手の意図を超えた力を持っていたのだ。
翻って日本でも月9でキムタクが総理になったりしたが、そこにイメージを喚起する力は微塵も感じられなかった。ドラマ作りの質においても、現実の政治状況においても、彼我の差を強く感じずにはいられない。
オバマは血統でも経歴でも資産力でもなく、ただ言葉の力のみで大統領までたどり着いた。時宜を読み取る力や優秀なスタッフを集める力もあったが、全てを支えたのは彼の演説の上手さだった。民主主義が言葉、そしてコミュニケーションによって成り立っていることを合衆国は改めて世界に示した。いま合衆国が最も失っていたものをこの大統領選挙という長いイベントを通じて取り戻そうとしたのだ。
日本の民主党が政権を取ったらどうなるかというイメージを作り出せていないから政権交代が起きない。もっとも民主党が政権を取ってもほとんど変わらないのが実情だろうが。
人を動かすのはイメージの力である。今回の大統領選挙は主にオバマによってインターネットが活用されたが、イメージを喚起するという点ではまだネットをフルに使い切ったとは思わない。ネットによるイメージの喚起は往々にして負の面が強いが、生活に身近なものとなったネットをどうコントロールしていくのかは権力側だけでなく利用者にとっても課題となる。
法や管理で解決するという発想は間違いだ。匿名性をある程度排除したにも関わらず韓国ではネット絡みの問題が山積している。トラブルの原因としては、ネットリテラシーの低さや過剰な共同体意識が挙げられる。これは韓国だけでなく、日本の子供たちの学校裏サイトなどでも同様だ。リアルよりもイメージを喚起しやすいネットを利用する怖さをしっかりと理解していないと、今後更なる問題が起きることは間違いないだろう。
デニス・ヘイスバートが演じた黒人大統領は有能で信頼できる存在感を持った人物として描かれた。もちろん『24』以外でも様々な黒人大統領が描かれてきたが、これが最も影響力があったと思う。
昨夜の『BSアニメ夜話』でSFの効能を、目に見えない漠然とした科学技術の概念を生活に密着したリアルなイメージへと変換することができると語っていた。更にそれは映像化されることでより強いイメージを喚起できる。
メディアによって具体的にイメージ化された黒人大統領の姿は多くの合衆国国民に抵抗感を失わせた。それは作り手の意図を超えた力を持っていたのだ。
翻って日本でも月9でキムタクが総理になったりしたが、そこにイメージを喚起する力は微塵も感じられなかった。ドラマ作りの質においても、現実の政治状況においても、彼我の差を強く感じずにはいられない。
オバマは血統でも経歴でも資産力でもなく、ただ言葉の力のみで大統領までたどり着いた。時宜を読み取る力や優秀なスタッフを集める力もあったが、全てを支えたのは彼の演説の上手さだった。民主主義が言葉、そしてコミュニケーションによって成り立っていることを合衆国は改めて世界に示した。いま合衆国が最も失っていたものをこの大統領選挙という長いイベントを通じて取り戻そうとしたのだ。
日本の民主党が政権を取ったらどうなるかというイメージを作り出せていないから政権交代が起きない。もっとも民主党が政権を取ってもほとんど変わらないのが実情だろうが。
人を動かすのはイメージの力である。今回の大統領選挙は主にオバマによってインターネットが活用されたが、イメージを喚起するという点ではまだネットをフルに使い切ったとは思わない。ネットによるイメージの喚起は往々にして負の面が強いが、生活に身近なものとなったネットをどうコントロールしていくのかは権力側だけでなく利用者にとっても課題となる。
法や管理で解決するという発想は間違いだ。匿名性をある程度排除したにも関わらず韓国ではネット絡みの問題が山積している。トラブルの原因としては、ネットリテラシーの低さや過剰な共同体意識が挙げられる。これは韓国だけでなく、日本の子供たちの学校裏サイトなどでも同様だ。リアルよりもイメージを喚起しやすいネットを利用する怖さをしっかりと理解していないと、今後更なる問題が起きることは間違いないだろう。