たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

身上監護 <あるパーキンソン病患者の方と一日供にして>

2018-11-05 | 医療・介護・後見

181105 身上監護 <あるパーキンソン病患者の方と一日供にして>

 

今日は私が保佐人となっているご本人、パーキンソン病で歩行困難、左手指拘束、発語が容易でないなどの症状をもつ方ですが、現在施設に入所されていて、空き家になっている⑤自宅の様子を見たいと以前から希望があったのを、気候のいい時期にすることにして、ようやく今日、朝から一日かけて車で行ってきました。

 

私は遠距離ドライブがとても体によくなく、まして帰る途中は真っ暗になり、余計に神経が疲れて、いまはへとへとの状態です。

 

専門職の後見事務というと、なかなか身上監護まで手が届かないと言われておりますが、私はもう自分も年ですので、財産管理をするとともに、身上監護にも少しは取り組もうと、当地で後見業務を始めた昨年から少しずつ心がけてきました。

 

しかしながら、今日のような対応は、言うは易く行うは難し、でした。もう一人手伝ってくれる若い専門職がいて、彼のサポートなしではとても対応できなかったと思います。

 

施設内では歩くのが危ない様子でしたので、車いすを借りて持って行こうとしたら、私の車のトランクに入らず、後部座席を倒せると思っていたら、どうも初めてでうまくいかず、現地でもう一人が待つことになっていたため、車いすはあきらめて、出発することにしました。

 

途中で食事をしたのですが、階段のあるところでしたので、結局、担いで上がるしかなく、もう一人の専門職がやってくれました。ただ、慣れない二人でしたので、ご本人もなかなか体を預けることをせず、硬直して後ろに体重を置いているので、これにも手こずりました。

 

歩く場合も、初めてのところですので、テーブルなどを伝いながら、危なっかしい状態で、少しずつ足を前に出す動作を繰り返すのです。昔パーキンソン病の方の仕事をしたことがありますが、ある程度頭の働きはいいのですが、動作が緩慢というか、危ういのですね。

 

それでもいつ倒れるか分かりませんので、常に一人が付きっ切りでいました。食事は、久しぶりのご飯だったようで、松茸ご飯でしたが、完食しました。いつもはおかゆとかゼリー状のような食事なので、満足したようです。

 

ようやく自宅に到着したとき、驚くべきことに、自分で少し勾配のある入り口を手すりをたよりにすっすと上がるのです。さらに自宅に入ると、一人でどんどん歩くのです。いままでいつ倒れるかと思うほど危なっかしい状態でしたのに、すっすと歩くのです。そして自分の必要な物とかを探して、より分けたりしたのです。実は病気で倒れて入院され、退院後は施設に運ばれたので、倒れてから初めて自宅を見たのです。

 

よほど愛着があったのでしょう、いくつか品物を選んで、持ち帰りを私に依頼しました。そして以前調べたときは気がつかなかったのですが、アルバムが4冊残っていて、結構重かったのですが、しっかり押し入れから出して、持ち帰りを希望されました。

 

ぱらっと見たら、たくさんの写真が几帳面に整理されていて、これは大事な物で、結構細やかに写真をとって記念にしてきたのだなと思いました。実は以前に自宅を訪問したときは別の大きな写真だけを見つけ、それを持ち帰ったのですが、やはりご本人でないと分からないものですね。

 

その後、割合急な階段を登って、二階に上がりました。とてもいままで不自由にしていた人とは思えないほどの頑張りでした。むろんいつ転ぶかもしれないので、後ろで支えていましたが、結局、その支えを必要としないほど元気に登っていったのです。

 

寡黙な人で、施設にいるとどうも気力のないような印象を受けるのですが、自宅に戻るといかに元気になるか、だいたい歩き方がまったく違うのには驚きます。

 

帰りにコンビニに寄ったのですが、そのときも私が欲しいものを買ってきてあげるといったのですが、自分で行くというものですから、自分で選ぶのも元気を回復する一つと思いに、そのとおりにしてあげました。

 

すると、野獣というと失礼ですが、自分ですたすたと歩いて行って(手すりもないのに)、私が買い物かごを差し出す毎、次々の好きな物を選ぶのです。こういう介護ができると、きっと元気な状態を少しでも回復できるのではと思ってしまいます。

 

ただ、施設に着いた時、改めて大変さを感じました。車いすを用意して車から車いすに移乗させようとするのですが、これが大変で、まずイスから立ち上がらせるのが難題でした。次に車いすに移すのに、まず私の方に体重を移動してもらいたいのですが、硬直して、動かないのです。まあ素人で慣れていないからやむを得ないのでしょうけど、これだけでへとへとでした。それまではもう一人の専門職が手伝ってくれていたので、なんとかなりましたが、一人ではきついなと改めて思ってしまいました。

 

でも施設内でも、一人で歩いて自分の部屋まで行き、最後はお別れしましたが、疲れもないようで、少しは元気になってくれたかなと、こちらの疲れは明日まで続きそうですが、それなりに達成感がありました。

 

そんな一日でした。30分あまりで書き上げました。疲れているので今日はこれでおしまい。また明日。


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