たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

医は仁術と過労 <医師の過重労働死を不安視する家族と現実、AI・ITの活用>TVを見ながら+補正

2019-03-03 | 医療・医薬・医師のあり方

190303 医は仁術と過労 <医師の過重労働死を不安視する家族と現実、AIITの活用>TVを見ながら+補正

 

日経スペシャル「ガイアナの夜明け」<シリーズ「命の現場」が危ない① 働きすぎ...医者を救え!>の録画を見ました。テーマはいま話題の医師の過重労働の現実と、その対策といってよいでしょうか。

 

その現実におおよそは予測していたものの、少々驚きましたね。東葛病院(たしか流山市かその周辺の基幹病院であったかと思います)の医師で、40代後半で、その医師の当直の様子を放映していました。

 

東大医学部出身と言うことですから優秀な医師でしょうね。こういった基幹病院には経験豊富であるだけでなくタフで有能と言うことで欠かせない医師の一人でしょう。で、ここに登場するA医師は当直の朝、外来診療を次々と午前中続けます。昼を過ぎ午後130分ころようやく昼ご飯。といっても休憩室とかではなく、他のスタッフが近くで動き回っているところに置かれているテーブルで、もう一人の女性スタッフと食事するのです。愛妻弁当ということで持参したものですが、なんと15分で終わり、すぐに今後はたしか病棟に回ります。病棟で10数人の患者を3時間くらいで全員を見るとのことでしたか。

 

ところが入院患者を診ているとき、突然、携帯電話がかかり、呼び出されます。救急搬送された方で、自宅で頭が血だらけということで、ERに走って行きます。搬送された方は高齢者で意識確認するとだいぶ意識が戻ってきたようでした。傷口を消毒した後脳のMRIなどを指示して検査結果をみてたしか手術の必要がないとの判断で安静にして経過観察という診断だったかと思います(この後本を読んだり他のTVを見たりで詳細は失念)。

 

そういった作業が夜中というか、たしか午前4時ころまで続き、ようやく仮眠ということで休憩室に入っていきました。3時間の仮眠を終え、早速午前7時には画像を見て患者毎の診察準備をしているようでした。

 

そしてA医師は当直明けの日勤勤務を続け、終わったのは?わかりませんが、合計35時間の連続勤務を終えたと言うことです。

 

そして帰宅すると、奥さんが手料理をつくって待っていて(かなり遅い時間だったようでしたが)、一緒に食事をしました。でも奥さんいわく、食事をするとバタンキューで寝入ってしまい、翌朝になるというのですが、当然でしょうね。こういった当直勤務が月4回くらいあるそうで、年間残業時間が合計2000時間というのですから、驚異的です。

 

これでは家族団らんといった普通の家庭生活をすることができませんね。なぜここまで医師が過重労働を強いられているのか、これはひどいですね。

 

医師の数は地域的なアンバランスがあり、絶対数は足りている、だから増やす必要がないという意見については、医師の悲劇的な現状を指摘し、OECD諸国の人口当たりの医師数と比較してもわが国の場合どの都道府県も足りていないと訴える元医師の講演が各地で行われているとのこと。そうかもしれません。

 

たとえば徳島県は上記の比率が全国一で医師の数が多いとされていますが、番組では徳島県立病院の30代?後半の医師が紹介されていました。彼、B医師は、独身で小さなマンションの一室で、テレビを前にコンビニ弁当を食べているのです。医師と言えば、女性にとって?憧れの職業ではないかとよくいわれますね。よほど偏屈な方?かと思われる向きは偏見でしょう。B医師は普通の感覚をお持ちのようですし、仕事に一生懸命に取り組むまじめな医師とお見受けします。

 

だいたい、部屋には家具らしいものもほとんどなく、ぽつんと、釣り竿が何本か壁隅に不自然とも言えない形で立てかけられているところが、B医師のある種まじめさを感じさせます。釣りが好きだと言うことですが、当然、釣りをするには辺鄙なところにでかけることになりますね。そういった普通の休養もとれないそうです。いつ何時、救急コールがかかるかわからないそうなのです。実際、B医師はやっと仕事を終えて帰宅していたのに、電話が入り、再び病院に戻って患者に対応するのです(このあたり前記A医師の対応とごっちゃになっているかもしれませんが)。

 

B医師には私的な時間をもつことが許されないほど、いつ何時でも呼び出されてしまうほどの医師への期待というか、要請が病院体制にあるようです。また患者側にもそういった期待があるようです。

 

そのような要因の一つに、経験不足の若手医師からアドバイスを求められたり、専門外の医師から診断を求められた場合に、経験豊富な医師や専門分野の医師が緊急に対応する必要がかなりの頻度で起こっているようです。

 

そうなると医師の数を増やすことも一定程度は有効でしょうけど、単なる人数増加では要請に追いつかないかもしれませんね。

 

それで最近注目されているのが、AIITを活用した、医療用アプリ・ジョインということで紹介されていました。

 

それはスマホアプリで医療特有のアプリをスタッフが全員で共有し、遠隔操作で、画像診断を自宅ないしは連携病院で、複数の専門医師が対応し、それぞれがスマホ・アプリを通じてSNSのように送られた画像を基に、若手医師が脳の血管に梗塞がない・手術の必要がない、経過観察をするという診断で意見を求めると、その画像を見た先般医師んがその判断の適否やアドバイスをするという風に、医療版SNSでした。

 

むろん画像はスマホ送信可能(現在の4G速度対応)な程度に要約・圧縮しているので、完全なものではないでしょうけど、緊急対応としてはわざわざ自宅ないし遠隔地にいる医師が病院にかけつけなくてもよいようになっているようです。その後は次の日でも実際の画像を丁寧に診断するということですむのでしょうね。

 

これで今年が元年と言われる5Gが普及すれば、より多方面に医療分野で活用されると思われます。むろんAIとロボットによる診療、患者の話を音声認識し、問診内容も即座に的確に行われ、患者の体について画像認識もできることで、全身観察も診断もできるようになるかもしれません。

 

少なくとも医師の過労死とか、現在の過剰な過重労働は是非とも少なくするだけでなくやめる方向で検討してもらいたいものです。病気を治し健康を維持する担い手である、医師が倒れたり、病気になったり、場合によっては自死に追いやられると言ったことは是非とも避ける方策を考えていくべきだと思うのです。

 

ところで、実はこれを言いたくてここまで書いてきました。患者側にも対応はないでしょうか。なんでもかんでも医療に期待することはないでしょうか。たとえば救急搬送を依頼するというのもなかにはいかがかなと思われるケースもあるようです。暴飲暴食ではないですが、自ら不摂生して急病になったらお助けをというのは勝手すぎませんかね。私も若いころ、そういう自分であったことを自省の念をもって感じています。ようやくこの年になって摂生を心がけていますが、少し遅かりしかもしれません。その意味でそれが理由で病気になれば自然に受け入れたいと思うこの頃です。

 

空海さんのように(まあ実際はわかりませんが)、摂生を心がけ、最後は穀断ちをするような生き方は理想ですが、はたしてそうなるか、ともかく安易に医療の助けを借りる姿勢はできれば避けたいものと思うこの頃です。

 

お医者さんの役割は、なんの落ち度もないのに、苦しんでいる人を助けることではないかと勝手に思っています。最後に<医は仁術>をウィキペディアからひいておきたいと思います。

 

<医は仁術(いはじんじゅつ、「医は仁術なり」とも)とは、「医は、人命を救う博愛の道である」(広辞苑)ことを意味する格言。>

 

貝原益軒のことばを引用します。

<「医は仁術なり。仁愛の心を本とし、人を救うを以て志とすべし。わが身の利養を専ら志すべからず。天地のうみそだて給える人をすくいたすけ、萬民の生死をつかさどる術なれば、医を民の司命という、きわめて大事の職分なり」「醫は仁術なり。人を救ふを以て志とすべし。」(貝原益軒『養生訓』)>

 

今日はこれにておしまい。またあした。

補正

 

後で番組名を確認したら、評判のガイアの夜明けでした。冒頭の箇所だけ訂正しておきます。番組ウェブ情報の内容を確認していませんので、間違いはそこでチェックお願いします。登場する医師・ご家族・関係者、いずれもこの深刻な状態の中、おだやかで、構成も翌、いい番組でした。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿