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ここでは、「日本の環境問題」を考えるにあたって、私たちが最小限把握しておかなければならない5つの基本条件を挙げておきます。日本国が日本国であるかぎり、日本経済が制約を受ける地理的・社会的な条件です。
①日本が世界第2位の経済活動をしている国であること(世界のGDPの総和=約30兆ドルの16%に相当する4.8ドル=約500兆円をつくりだす経済活動を行なっていること)
②先進工業国2位の人口(約1億2000万人、世界人口の約2.1%、2004年にピークを迎え、以後減少傾向:2005年の「人口動態統計」)
③国土と可住面積の狭さ(37万平方キロメートルの国土、338人/平方キロメートルの人口密度)
④原材料の30%、エネルギーの90%を海外に依存している
⑤食糧自給率が40%と先進国中最低
これらの条件は、経済的な視点から見れば「大きな市場」を意味するとともに、スケールメリットによる「効率化」を生むことになりますが、環境問題の視点から見れば、同時に「環境負荷の増大」と「人体の負荷増大」を意味することはすぐにおわかりいただけると思います。
ところで、日本の企業人、エコノミスト、政策担当者の多くは、これまで日本の経済パフォーマンスを語るとき、「効率の良さ」を挙げてきましたが、これにはつぎのような前提があることを忘れてはなりません。
①については、あらかじめ準備していたことを遂行する時には、日本の官僚機構、企業、学校などの既存の組織はきわめて有効に働くのですが、事前に想定された範囲を超える出来事(大事故や大きな自然災害など)が起こるとシステムが機能しなくなります。
②については、社会を構成するのは老若男女であることを思い出す必要があります。それぞれに健康なものもいれば、そうでないものもいます。
①および②の前提に立てば、生産、物流コストをぎりぎりまで切り詰め、「効率化」を図ることが可能となりますが、安定した社会やインフラ・ストラクチャーの整備、自由な企業活動を保障するとともに、国民の健康、生活、財産の安全を確保するには、さらにコストがかかるはずです。「社会全体のコスト」を考えることが重要です。
3月16日のブログでも「効率化」を取り上げておりますので、参照してください。
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