べそかきアルルカンの詩的日常“手のひらの物語”

過ぎゆく日々の中で、ふと心に浮かんだよしなしごとを、
詩や小さな物語にかえて残したいと思います。

迷い子のひつじ

2007年01月16日 23時04分36秒 | 慰め種

小高い丘の岩陰で
心細げに仔ひつじが
ひとりぼっちで泣いてます
おやおや、道に迷ってしまったのね
ねぇ、ねぇ
あなたはいったいどこへいこうとしていたの?
いったいなにをしようとしていたの?
いまあなたがしなければならないことはなにかしら?
あなた自身の心にきけば
ほんとはぜんぶわかることなのにね
道に迷った仔ひつじは
気づかぬふりして泣くばかり

荒れ野の小藪で仔ひつじが
涙こらえてふるえてる
唇かんでたえてます
あらあら、じつは寂しがりやさんなのね
ねぇ、ねぇ
ほんとうは愛したいのよね?
ほんとうは信じたいのよね?
ほんとうはだれかにそっと
抱きしめてもらいたいのよね?
だったら心のままにふるまえばいいのよ
素直になれない仔ひつじは
声をあげずに泣いている




★絵:アーサー・ヒュース★
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