1日に神戸ユニバー記念競技場で行われた関西学生リーグ。第2試合では、関西大と姫獨大(姫路獨協大)が対戦。先制して試合を優位に進めた姫獨大だったが、関西大はラスト5分間で寺岡(2年)が2得点の奇跡的な活躍を見せて2-1と土壇場で逆転勝利を果たした。
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試合前には選手たちによって書かれたメッセージが。
関西大は、2日前に行われた前節・びわこ大戦で無得点の完敗(0-2)。ボールは支配したものの、守備の集中を欠いたところをびわこ大のカウンター攻撃の餌食となった。攻撃陣でも原口(1年)が先発を務めたが、ほとんど仕事をさせてもらえず。連敗は避けたいところ。この試合では前節に出場していなかった寺岡が先発に復帰。主将の櫻内(4年)こそ負傷でメンバー外となったが、代役を前節と同じく内田(1年)が務める。FWの先発は再び原口が務め、中島(2年)が先発で右MFに入った。
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対する姫獨大はここまで1勝3敗。第3節で昨季王者の阪南大を破る(2-1)金星を挙げたが、前節・関学大戦は1点差の惜敗(2-3)で惜しくも勝点を得られず。しかし、勝利を果たした阪南大戦を見る限りでもその構成力はなかなかのもの。アルビレックス新潟シンガポールでもプレーをしていたFW河野(4年)を中心にもう一度金星を狙う。
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試合は予想通り序盤から関西大がボールを回して支配する。立ち上がりこそなかなかシュートまで持ち込める場面がなかったが、17分にDF小椋(2年)がシュート。19分にはこの試合先発のチャンスを掴んだMF中島が良い攻め上がりを見せて中央へクロス。これをファーサイドでMF海田(2年)がダイレクトボレーでシュートを放つなど、徐々にフィニッシュへの導線が見えてきた。
対する姫獨大は、29分に河野のシュートが関西大GK金谷(2年)のファンブルを誘う。詰めることはできなかったが、ゴール前には時折ボールを持ち込むことはできていた。しかし、陣容は圧倒的に関西大には及ばない。相手のミスをいかに突くかが姫獨大の必勝ポイントだった。
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この試合でも和田(1年)が巧みなボール捌きで試合を演出。
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19分、関西大・海田がダイレクトボレーで魅せる。
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関西大・岡崎に姫獨大・五百川が激しくアプローチ。
36分、河野がエリア内までボールを持ち込むと、関西大はDF小椋がチェックにいくも、これをかわして更に河野は突進。カバーに入った内田ともつれてボールがこぼれたところを右から走り込んだ姫獨大・FW廣利(2年)がすかさず押し込んだ。関西大守備陣のミスを逃さず、見事な先制点だった。
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河野が見事に関西大の守備の連係ミスを引き出した。
廣利が詰めてきて先制弾をゲット。
リードを奪われた関西大、なんとか1-1に持ち込んでから前半を終わりたかっただろう。圧倒してボールを回していながら負けることほど無様なことはない。それは“回させられている”だけ。前半終了間際に岡崎(3年)を起点に怒涛の攻撃を見せる。43分には彼のCKから寺岡のヘッド、45分には岡崎、海田と繋いで最後は中島がシュートを放つ。終了間際の最後のプレー、岡崎のCKに田中(3年)が飛び込むがこれも決まらない。どうもスッキリしないまま関西大は前半を終えることになった。
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河野が前線でうまく関西大DFを引きつけて二列目のチャンスを増やす。
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関西大はGK金谷が前半から好守を連発。
1点のリードを得て、後半勢いをつけたのは姫獨大だった。関西大の運動量低下を見逃さず、MF伊藤(3年)を中心に関西大のボールを奪って仕掛けた。50分には廣利のFK、52分には五百川の角度のないところからのシュートで関西大ゴールを脅かし続ける。
関西大は、53分に岡崎が中島の折り返しにしっかり合わせてシュートを放つが、姫獨大・GK佐藤(2年)の好セーブに得点ならず。この流れの悪さを断ち切るために、55分、原口、内田の両1年生を下げて奥田(2年)、安藤(3年)と攻撃的な選手を投入。まずは目指すべき1点を取りに向かった。
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姫獨大は前半以上に関西大ボールへのチェックを激しく行う。
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関西大は奥田(右)を投入してアクセルを踏み込む。
姫獨大はボールを繋ごうとする関西大のボールの出どころをしっかりとチェックして奪い続けた。69分には廣利のスルーパスに伊藤が走り込んで決定機を作り出す。74分には廣利の折り返しに武井(2年)、伊藤が立て続けにシュート。しかし、関西大はGK金谷がこれをことごとくセーブ。まさに神がかる金谷のセーブに応えたい関西大であった。
この流れでいけば、追加点を姫獨大が奪い、前節のびわこ大に喫した敗戦パターンを繰り返すのではとも思えるほど、動きが悪くなる関西大。櫻内は負傷で欠場、この状況でピッチ上のイレブンを叱咤して引っ張っていける選手は誰なのかを再考すべき展開ともいえた。そして、まさにスーパーな選手がいなければ試合をひっくり返すのは不可能に近い雰囲気だった。
ところが、この局面をひっくり返す「持っている」男は関西大にいた。DF寺岡真弘だ。彼は試合の残り時間が5分を切った86分にゴール前の混戦からハイボールをヘッドで叩き込み、チームを1-1の同点に導いた。チームメイトの祝福を振り払わんかというばかりの咆哮で自陣へ戻る彼の姿は、大学2年生とは思えない逞しさがあった。
そして、姫獨大の決定機(これは非常に危なかった…)をGK金谷がファインセーブでしのいで次に繋げると、引き分け濃厚かと思われたアディショナルタイム1分、岡崎の左CKをまたしても寺岡が頭で合わせてゴールに沈める。歓喜の寺岡とチームメイトはベンチ前で大団円。3節の関学大戦以上の劇的な逆転勝利で関西大が姫獨大を振り切った。それに要した時間はわずか5分ほどであった。
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寺岡が試合を土壇場で振り出しに戻すこの得点。
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関西大・GK金谷は最後の1分までファインセーブを連発。
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アディショナルタイムにこの逆転弾。寺岡真弘恐るべし。
試合の内容はさておき、何という勝負強さだろうか。試合の大半は最終ラインの深い位置に身を置き、ビルドアップで後方からゲームを組み立てていた彼が、ここまでゴール前で決定的な仕事を連発してしまうとは思わなかった。ヴィッセル神戸U-18出身の2年生。昨季は1年生ながら、U-19日本代表、全日本大学選抜として各方面で活躍。国際大会での活躍も称えられ、関西学生サッカー特別賞を受賞した日本サッカー界のホープDF。2年生とは思えない出来上がった体躯的な強さと空中戦の強さは折り紙つき。確実に将来は日本代表に名を連ねる選手だと確信している。おそらく近いうちにどこか近隣のJクラブで特別指定選手にということもありそうだ。
そんな寺岡擁する関西大だが、この試合を振り返ると内容は決して褒められたものではない。どうも繋ぎすぎる嫌いがあり、ボックス内で展開に詰まる場面が多々見られる。シンプルにいきたいところだが、なかなかそうはいかない。まるでどこかの青黒いJクラブの試合のようだ。岡崎、田中と関西屈指のセントラルMFがいるのだから、決定力に長けた前線の軸が定まれば一層攻撃力が増すと思うのだが、昨季のエース・金園(磐田へ入団)の穴埋めはもう少しかかるようだ。まだ、2年が主体のチーム。連携が図れて真価を発揮できるのは夏以降になりそうだ。
一方の姫獨大は善戦した。1点差で負けた前節や今節の試合が示すように、まだまだ試合巧者というには及ばないようだ。しかし、河野、廣利、そして中盤の伊藤など攻撃面でまた見たくなる選手は多い。次節の同大戦は今季2勝目を狙いたい。
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試合前には選手たちによって書かれたメッセージが。
関西大は、2日前に行われた前節・びわこ大戦で無得点の完敗(0-2)。ボールは支配したものの、守備の集中を欠いたところをびわこ大のカウンター攻撃の餌食となった。攻撃陣でも原口(1年)が先発を務めたが、ほとんど仕事をさせてもらえず。連敗は避けたいところ。この試合では前節に出場していなかった寺岡が先発に復帰。主将の櫻内(4年)こそ負傷でメンバー外となったが、代役を前節と同じく内田(1年)が務める。FWの先発は再び原口が務め、中島(2年)が先発で右MFに入った。
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対する姫獨大はここまで1勝3敗。第3節で昨季王者の阪南大を破る(2-1)金星を挙げたが、前節・関学大戦は1点差の惜敗(2-3)で惜しくも勝点を得られず。しかし、勝利を果たした阪南大戦を見る限りでもその構成力はなかなかのもの。アルビレックス新潟シンガポールでもプレーをしていたFW河野(4年)を中心にもう一度金星を狙う。
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試合は予想通り序盤から関西大がボールを回して支配する。立ち上がりこそなかなかシュートまで持ち込める場面がなかったが、17分にDF小椋(2年)がシュート。19分にはこの試合先発のチャンスを掴んだMF中島が良い攻め上がりを見せて中央へクロス。これをファーサイドでMF海田(2年)がダイレクトボレーでシュートを放つなど、徐々にフィニッシュへの導線が見えてきた。
対する姫獨大は、29分に河野のシュートが関西大GK金谷(2年)のファンブルを誘う。詰めることはできなかったが、ゴール前には時折ボールを持ち込むことはできていた。しかし、陣容は圧倒的に関西大には及ばない。相手のミスをいかに突くかが姫獨大の必勝ポイントだった。
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この試合でも和田(1年)が巧みなボール捌きで試合を演出。
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19分、関西大・海田がダイレクトボレーで魅せる。
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関西大・岡崎に姫獨大・五百川が激しくアプローチ。
36分、河野がエリア内までボールを持ち込むと、関西大はDF小椋がチェックにいくも、これをかわして更に河野は突進。カバーに入った内田ともつれてボールがこぼれたところを右から走り込んだ姫獨大・FW廣利(2年)がすかさず押し込んだ。関西大守備陣のミスを逃さず、見事な先制点だった。
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河野が見事に関西大の守備の連係ミスを引き出した。
廣利が詰めてきて先制弾をゲット。
リードを奪われた関西大、なんとか1-1に持ち込んでから前半を終わりたかっただろう。圧倒してボールを回していながら負けることほど無様なことはない。それは“回させられている”だけ。前半終了間際に岡崎(3年)を起点に怒涛の攻撃を見せる。43分には彼のCKから寺岡のヘッド、45分には岡崎、海田と繋いで最後は中島がシュートを放つ。終了間際の最後のプレー、岡崎のCKに田中(3年)が飛び込むがこれも決まらない。どうもスッキリしないまま関西大は前半を終えることになった。
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河野が前線でうまく関西大DFを引きつけて二列目のチャンスを増やす。
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関西大はGK金谷が前半から好守を連発。
1点のリードを得て、後半勢いをつけたのは姫獨大だった。関西大の運動量低下を見逃さず、MF伊藤(3年)を中心に関西大のボールを奪って仕掛けた。50分には廣利のFK、52分には五百川の角度のないところからのシュートで関西大ゴールを脅かし続ける。
関西大は、53分に岡崎が中島の折り返しにしっかり合わせてシュートを放つが、姫獨大・GK佐藤(2年)の好セーブに得点ならず。この流れの悪さを断ち切るために、55分、原口、内田の両1年生を下げて奥田(2年)、安藤(3年)と攻撃的な選手を投入。まずは目指すべき1点を取りに向かった。
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姫獨大は前半以上に関西大ボールへのチェックを激しく行う。
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関西大は奥田(右)を投入してアクセルを踏み込む。
姫獨大はボールを繋ごうとする関西大のボールの出どころをしっかりとチェックして奪い続けた。69分には廣利のスルーパスに伊藤が走り込んで決定機を作り出す。74分には廣利の折り返しに武井(2年)、伊藤が立て続けにシュート。しかし、関西大はGK金谷がこれをことごとくセーブ。まさに神がかる金谷のセーブに応えたい関西大であった。
この流れでいけば、追加点を姫獨大が奪い、前節のびわこ大に喫した敗戦パターンを繰り返すのではとも思えるほど、動きが悪くなる関西大。櫻内は負傷で欠場、この状況でピッチ上のイレブンを叱咤して引っ張っていける選手は誰なのかを再考すべき展開ともいえた。そして、まさにスーパーな選手がいなければ試合をひっくり返すのは不可能に近い雰囲気だった。
ところが、この局面をひっくり返す「持っている」男は関西大にいた。DF寺岡真弘だ。彼は試合の残り時間が5分を切った86分にゴール前の混戦からハイボールをヘッドで叩き込み、チームを1-1の同点に導いた。チームメイトの祝福を振り払わんかというばかりの咆哮で自陣へ戻る彼の姿は、大学2年生とは思えない逞しさがあった。
そして、姫獨大の決定機(これは非常に危なかった…)をGK金谷がファインセーブでしのいで次に繋げると、引き分け濃厚かと思われたアディショナルタイム1分、岡崎の左CKをまたしても寺岡が頭で合わせてゴールに沈める。歓喜の寺岡とチームメイトはベンチ前で大団円。3節の関学大戦以上の劇的な逆転勝利で関西大が姫獨大を振り切った。それに要した時間はわずか5分ほどであった。
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寺岡が試合を土壇場で振り出しに戻すこの得点。
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関西大・GK金谷は最後の1分までファインセーブを連発。
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アディショナルタイムにこの逆転弾。寺岡真弘恐るべし。
試合の内容はさておき、何という勝負強さだろうか。試合の大半は最終ラインの深い位置に身を置き、ビルドアップで後方からゲームを組み立てていた彼が、ここまでゴール前で決定的な仕事を連発してしまうとは思わなかった。ヴィッセル神戸U-18出身の2年生。昨季は1年生ながら、U-19日本代表、全日本大学選抜として各方面で活躍。国際大会での活躍も称えられ、関西学生サッカー特別賞を受賞した日本サッカー界のホープDF。2年生とは思えない出来上がった体躯的な強さと空中戦の強さは折り紙つき。確実に将来は日本代表に名を連ねる選手だと確信している。おそらく近いうちにどこか近隣のJクラブで特別指定選手にということもありそうだ。
そんな寺岡擁する関西大だが、この試合を振り返ると内容は決して褒められたものではない。どうも繋ぎすぎる嫌いがあり、ボックス内で展開に詰まる場面が多々見られる。シンプルにいきたいところだが、なかなかそうはいかない。まるでどこかの青黒いJクラブの試合のようだ。岡崎、田中と関西屈指のセントラルMFがいるのだから、決定力に長けた前線の軸が定まれば一層攻撃力が増すと思うのだが、昨季のエース・金園(磐田へ入団)の穴埋めはもう少しかかるようだ。まだ、2年が主体のチーム。連携が図れて真価を発揮できるのは夏以降になりそうだ。
一方の姫獨大は善戦した。1点差で負けた前節や今節の試合が示すように、まだまだ試合巧者というには及ばないようだ。しかし、河野、廣利、そして中盤の伊藤など攻撃面でまた見たくなる選手は多い。次節の同大戦は今季2勝目を狙いたい。