脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

ようやく最初の一歩 -vsTOJITSU滋賀-

2011年05月27日 | 脚で語る奈良クラブ
 関西リーグを戦う奈良クラブ。22日に第6節、チームスタート4年目にしてようやく県下最大級の鴻ノ池陸上競技場でTOJTSU滋賀FCを迎えてホームゲームを行った。1,034人の入場者を集めた試合は2-0で奈良クラブが勝利。将来のJリーグ入りを目指して突き進むチームにとっては、県内の人たちにアピールできる大きな機会となった。

 

 結果的にキックオフ時間が20分近く押してしまうほどの大雨が午前中から降り続けた当日。そんな中でも県内の人気グルメ店舗が軒を並べて「奈良クラブ祭り」と題してホームゲームを盛り上げた。なんとか雨は小降りになり、結果的には晴れ間も差し込むほどの天気の回復ぶりを見せた当日の天候。どの店舗も行列ができるほどの人気ぶりで完売となったようだ。

 
 フードコートにはたくさんのお客さんが。
 
 試合内容はヒヤヒヤな場面が多かったものの、地力の差、特に決定力で差が結果を分けた。攻め込まれながらも最後に自分たちの形で試合を持って行くのは今季の常套手段。相変わらずシュート数、決定機では相手に上回られたが、2試合連続の完封勝利となった。
 谷山が前節の退場で出場停止、入れ替わる様に警告累積の出場停止から復帰した眞野が先発で橋垣戸とCBでコンビを組む。それ以外は開幕からの固定メンバー。特にここまで揃って得点を挙げることがなかった2トップの牧と檜山が共に得点を生み出してくれてのは大きかった。牧の後半立ち上がりの得点は完全に試合のリズムを奈良に傾けたと思う。後半から入った矢部のパス捌きでチームにダイナミズムも生まれた。

 
 橋垣戸が先発出場してから失点は減少。

 
 堅守・TOJITSU滋賀を前半は撃ち破れず。

 
 牧は今季3得点。ここぞという時に強い。

 結果的には勝利したとはいえ、内容はスリリング。初めて奈良クラブの試合を観に来た方が多いことを考えると、非常に面白い試合になったはずだ。試合に関してはまだまだ課題は多い。しかし、最も重要なことは、この試合のような雰囲気のホームゲームを繰り返さなければいけないということ。今季リーグ戦、その他公式戦と奈良県内で試合できる機会は少ない。残念ながら県下最大級の設備とキャパシティを誇る鴻ノ池での試合はこれが最初で最後になりそうだけに、リーグ戦、その他天皇杯予選等で機会がある県内での試合に同様のアピールが必要だ。この日も天候さえ良ければ、もう少しの観客動員が見込めたかもしれない。目標の3,000人には及ばぬも1,000人を超える動員ができたことは大きな自信とクラブのアピールになったはずだ。確実に認知度は上がっている。

 
 メインスタンドには多くの観客が詰めかけた。

 
 後半、矢部の投入でテンポアップ。

 確実に奈良県のサッカー界、関西のサッカー界に新風を巻き起こした1,000人動員。これはようやく訪れた最初の一歩に過ぎない。大事なのはこの後の継続だ。もちろん、結果も重要。続く加古川戦の勝利で無敗で後期日程へ折り返したい。全てを懸けてやり続ける。

 
 チームをまとめる吉田監督。
 内に熱さを秘め、現場ではクールに試合を采配する。