脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

無敗継続、そして奈良へ -vs三洋洲本-

2011年05月18日 | 脚で語る奈良クラブ
 関西リーグは先週末に第5節が開催。4勝1分で首位の奈良クラブはこの2季のリーグ王者・三洋電機洲本と対戦。前半こそ拮抗した展開で、後半に入って退場者を出すものの、李、吉田の2得点で2-0と快勝。5勝1分と無敗継続のまま、次節、奈良市鴻ノ池陸上競技場でのホームゲームを迎えることになった。

 

 会心の試合だった。前半からポゼッションを分け合いながらも、後半の終盤に相手の集中力が切れたところを見逃さなかった。0-0で迎えた66分にDF谷山が得点機会阻止のスライディングで一発退場。10人での戦いを強いられたが、そこからの推進力が凄まじかった。80分に李が辻村隆の折り返しを落ち着いて中央からシュートを決めると、その1分後には左サイドから攻め上がった吉田が豪快にシュートを決める。前節・アイン戦、そしてこの三洋洲本戦を「1勝1分」で乗り越えれば、今季のリーグはかなりやれるのではないかという試金石だった2連戦。見事にその思惑通りの勝ち方で乗り越えた。昨季のこの時期に公式戦初対戦(@ボスコヴィラ)で、0-3と何もできなかったことを思い出すと、昨季JFL入替戦まで進んだ関西王者にここまでの試合ができたのは大きな自信。これで前期5位以内が確定。全国社会人選手権(通称:全社)関西予選への出場権を獲得した。

 
 
 李が先制点を奪い取る。今季は絶好調。

 
 吉田が移籍加入後、初得点。試合を決めた1発。

 本当に今季いつも通りのサッカーをした結果が導いた快勝劇だったと思うが、奈良はこの山場の2連戦に守備の要・橋垣戸がコンディション万全で先発フル出場を果たしてくれたのが大きい。この試合も眞野が警告累積で出場停止だったが、橋垣戸、谷山をセンターに据えた4バックで安定した守備を披露してくれた。攻撃面では李、三本菅の効果的な散らしを軸に辻村兄弟が息の合ったプレーを見せてくれた。残念ながらFW陣に得点こそなかったものの、檜山、牧にも十分チャンスはあった試合だった。

 
 檜山はここまで1得点。次節以降に期待。

 
 もはや代えの効かない選手、辻村隆。
 2アシストで一気にアシストランクトップに。

 一方の三洋洲本は、昨季の地域決勝決勝ラウンド、そして入替戦第1戦を見届けた者としては、メンバーが変わっており少々スケールダウンした印象。おそらく負傷なのだろうが、今季一度もGK浅野が出場しておらず、またリーグMVPの司令塔・成瀬も姿がなかった。森川もベンチ要員のまま90分間出番はなかった。2季連続1部の得点王に輝くエース・梅川も沈黙。一昨年は3敗、昨年に至ってはわずか2敗でリーグを制しているチームが早くも3敗目となった。

 
 疲れることを知らない無尽蔵のスタミナ。
 兄である辻村剛のゴールラッシュにも期待したい。

 そして、奈良クラブが次節臨むのはTOJITSU滋賀FCとの第6節。公式戦初対戦の相手であるが、奈良より1季早く県リーグから関西リーグに昇格した先輩チームだ。昨季はDiv2での戦いとなったが、今季からDiv1に再昇格。ここまで1勝2分2敗となかなか結果に結びついていないようだが、サポーターも含め、大混戦のDiv2を制して上がってきた一体感は侮れない。特に前線の岩田は3年連続で所属ディビジョンのベストイレブンに名を連ねており、3年前には得点王も獲得している。気を緩めれば確実にやられる相手だ。
 しかし、奈良にとっても鴻ノ池という県下最大級の陸上競技場で初めて試合ができる記念すべき機会。まさに相手に不足なし。当日は「奈良クラブ祭り」と題して、クラブ主導で多彩なイベントも企画されている。是非、お時間のある方で、奈良クラブに関心のある方は会場まで。

 
 初となる鴻ノ池開催試合。
 Jを目指す上で本拠地となる場所だけに開催を継続できれば。