脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

悔しさ伝わらぬ終戦

2010年02月14日 | 脚で語る日本代表
 東アジア選手権が閉幕した。日本代表の戦績は女子が大会連覇となる優勝、男子が今日の韓国戦に完敗し1勝1分1敗で3位に終わった。

 久々の日韓戦はこれまでの中国戦や香港戦と違い、歴史的意味合いの強さも手伝ってか、何かしらの期待感に包まれていた。韓国が前の試合で中国に完敗するというサプライズも少なからず日本にとっては明るい話題に繋がっていたことは否めない。2010年低調な滑り出しだった日本代表の挽回のチャンスをこの韓国戦に見出したかった。しかしながら、いざ戦いの幕が切られると1-3という完敗に終わってしまう。言い表せない虚無感がテレビを通して伝わってきた。現地まで観戦に行かれた皆さんの悔しさもそのまま伝わってくるかのようだった。そう、ただただ一言「悔しい」結果になった。

 韓国は日本を良く研究していたのではと思う。遠藤の先制点となったPKの場面こそ相手の闘莉王に対するファウルに起因される場面だったが、リスクを覚悟でハードマークを敢行していた感はあった。対して攻撃面では縦への突破に脅威を感じさせた。1-1とされたまではまだ望みを捨てなかったものの、逆転された後に闘莉王の退場によって勝負は決したのかもしれない。最後尾に回った稲本が良くボールに触って状況を打開しようとしていたのが印象的だったが、やはり途中出場の岩政が安定感を欠いていたように、ああいった場合の最終ラインの構成にも問題点を晒すことになったのではないだろうか。

 Twitterを手にとりながら試合を観ていると、全国の現地・テレビを問わず観戦者の声がリアルタイムにタイムライン上に反映されてくる。当然ながら、この試合はポジティブな声が聞かれることはほとんど無かった。監督、選手を追及する声など様々である。個人的には日本代表チームから「悔しさ」がそこまで伝わって来なかったという気がしてならない。特に岡田監督の淡々としたインタビューは、「悔しさ」が言葉にも現れず、気持ちとしても伝わってこない残念な光景だった。万策尽きたという疲弊感はそこにはなかった。それは選手たちからも同様。力の限り戦い抜いたという印象が伝わってこなかった。

 南アフリカW杯の本番はもう4ヶ月後に迫っている。監督解任などの処置は期待していないし、必ずしもそれが正解だとは思わない。ただ、もっとファイトして欲しい。最後まで諦めず戦う姿勢を見せて欲しい。必死になってフィールドを走り回って欲しい。悔しさをどこにぶつけて良いものか、非常に苦しい後味の残った2010年最初の大会となってしまった。


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