脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

日本、オランダに完敗

2009年09月06日 | 脚で語る日本代表
 5日に行われた国際親善試合オランダVS日本は、3-0でオランダが完勝。開幕まで9ヶ月となった来年のW杯でベスト4を目標に掲げる日本にとっては厳しい前途を予感させる試合となった。

 前半戦はあっという間という印象だった。予想以上にハイペースでプレスをかける日本が再三中盤で上手くボールを奪取し、ペースを握る場面が多く見られた。シュート数ではオランダを上回り、彼らに思うようなボールポゼッションをさせずスナイデルあたりに苛立ちも見られた。しかし日本はそのオランダからゴールを奪うことはできない。肝心なゴール前でのミスやシュートの精度不足からゴールは遠かった。

 後半、日本は前半のハイペースのしっぺ返しを食らう。如実に運動量が減り、徐々にオランダに攻め込まれた。68分に後半から出場したエリアに強烈なシュートでゴールを肉薄されると、直後にCKからの展開からファンペルシにゴールを割られた。5分後にはエリア手前でボールを受けたスナイデルにDFの隙間を突かれてシュートを決められる。日本より少ないシュート数ながらそのフィニッシュの精度に世界との差を痛感した5分間だった。86分にはエリアのクロスからフンテラールに3点目を献上。疲労困憊の守備陣はオランダの攻撃に対応できなかった。

 90分間を通して勝負を決するサッカーの試合。“前半だけは良かった”という締め括りは何の意味も持たない。そういう意味では非常に残念な試合だった。期待された本田も後半開始から登場したが、結果的な仕事はできず。むしろこれだけのメンバーを帯同させている中で、交代がわずか2人だけだったのも果たしてそれで良かったのかという印象だ。左右のサイドバックも長友と内田で明暗が分かれ、前半から積極的に攻撃を仕掛けていった長友の姿と後半途中から運動量が激減した内田の姿は対照的だった。

 球際のフィジカルでは通用する場面が見られたかもしれない。しかし、動き回るだけではなく、崩さずにゴールを奪う決定力や90分を通したゲームコントロールは3点差という結果にしっかり反映されている。
 本番までの数少ない列強との対戦機会。これは本番を見据えた「強化試合」だ。次のガーナ戦で本番への明るい可能性を見出す試合ができるだろうか。「ベスト4」という大きな目標が日本の背中に重くのしかかる。


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4 コメント

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Unknown (しかせんべぇ)
2009-09-06 17:41:41
昨日の試合では世界と日本の差をまざまざと見せつけられて試合でしたね。
前半は予想以上の善戦で一抹の勝利への期待ももてました。が、後半開始直後、オランダの猛攻が始まった時には得点、悲しいかな点を取られないようにとただひたすら祈っていました。

W杯まで残り9か月。すでに引き返せないところまで来ているように感じます。この体制で、この戦術で競合国を相手に引けを取らないサッカーをできるか。更なる熟考と鍛錬を望みます。

ドイツの二の舞は御免なので。
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Unknown (脚角)
2009-09-07 06:35:58
>しかせんべぇさん
コメントありがとうございます。

ドイツの二の舞は誰もが御免だと思っているでしょうが、それもあり得るのではということも頭を過ぎりますね。
日本以上に世界の列強が更なる進化を遂げている訳ですから、本大会に向けて相当な奮起が求められるところです。

とにかく、ガーナ戦に期待したいですね。
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Unknown ()
2009-09-07 12:50:31
オランダの前半の入り方からみて、モチベーションの低さというのは一瞬でわかりました。
試合内容そのものよりも、やる気という部分ではJリーグをみていたほうがずっと面白かったように思います。
動き回っていたのがスナイデルくらいでしたからね。

ただこれは、もはや代表だけの問題ではなく、日本サッカーそのものが息詰まっている証拠でしょうねぇ。
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Unknown (脚角)
2009-09-08 12:32:19
>あさん
コメントありがとうございます。

確かに試合前からオランダ代表の間ではメンバー外の小野の話題が上がったり、あまり現状の日本との戦いを重要視してる感じではなかったですね。

試合だけでなく選手たちのコメントからも厳しい現実を突きつけられた気がします。
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