脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

次は是非メダルを狙え

2007年11月21日 | 脚で語る日本代表


 交代カードを切ることなくスコアレスドローで終えた北京五輪アジア最終予選サウジアラビア戦。もちろん観ている全てのサポーターが勝利を望んだであろうが、膠着した試合は結局両チーム無得点に終わり、本大会出場は決めたものの、どこか心寂しい感触が残るのは確かである。とにもかくにも本大会出場は当たり前。これからは本大会でどこまでメダルに迫れるかを議論すべきだ。

 前半あわやという瞬間を青山敏のミラクルプレーで防いだ日本。前半30分頃からようやくチームが連動性を見せ、サウジアラビア陣内でも効果的なボールが繋がるようになった。それまで眠っていた訳ではない日本だったが、やはり勝てば出場権を得るサウジアラビアも前がかりに攻めてくる中で、青山敏、細貝を中心によく凌いでいた。左の本田圭、右の水野をもっと生かしたい日本だったが、柏木が攻守に幅広く攻撃のタクトを振るう。岡崎と李の2トップではなかなかくさびのボールを足元に収められない中で、この柏木がよく動いて攻撃を牽引していた。
 0-0で折り返した後半戦から日本は全体的にサウジアラビアを凌駕する動きを見せる。欲を言えば前半20分までに欲しかった先制点は時間の問題かと思われたが、後半も依然あとわずかのところで決めきれない。李と岡崎の2人はサウジアラビアのDF陣にフィジカル面で劣り、二列目からの十分なサポートを受けられない中で歯痒い時間が続く。続々とカードを切ってくるサウジアラビアに対して日本ベンチは沈黙を続ける。勝利を狙うか引き分けを狙うかピッチの選手たちもサポーターもジリジリする雰囲気を強いられる終盤に入り、サウジアラビアの猛攻を浴びるその光景は実に溜め息の続く展開であった。

 最後までピッチで戦い続けた選手たちには賛辞を贈るべきだ。反町監督をはじめスタッフ陣もメディアを代表する様々な外野の声によく耐えてきた。しかし点を取れなかったこの予選の反省は本大会に向けて怠ってはいけない。むしろもう一度ゼロからチームを建て直すぐらいの意識が必要だ。これからが本当のスタートである。
 反町ジャパンの真価を問われるのはこれからだ。点を取れるチームに。目指すはメダルだ。まだ間に合う。


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