脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

神のみぞ知るラスト2

2007年11月19日 | 脚で語るJリーグ


 なんとサポーターにとっては落胆の残る試合となったのだろうか。今年もまた味の素スタジアムで勝利を逃した。「鬼門」と言って片付けられない。同時刻にさいたまで行われている浦和の試合は清水の頑張りでドローで90分が終わった。そんな大事な局面でなんとも後味の悪いドローゲームをガンバは演じてしまった。

 64分にバレーを止めに入った茂庭が退場となった時間からがターニングポイントとなった。1人少なくなったFC東京が前がかりに攻めてきたところで、先制した1点を守りに入っているガンバの消極的な試合運びが如実にピッチに表れた。後半から投入された馬場も梶山も非常に溌剌としたプレーで数的不利を感じさせないFC東京の猛攻を演出して見せる。バイタルエリアでこれでもかとFC東京に繋がれチャンスを献上した。
 昨年に比べ、先取点を取った直後に前後半を折り返せた意味では非常に良い時間帯にマグノの先制点は生まれたと感じた。ハーフタイムというインターバルを使ってもう一度集中力を立て直せる。昨年のような無様な逆転劇を喫するわけにはいかない。後半さらに点を取りに行けると思った。いや、まさにそうするべきだった。
 しかし後半始まってみれば、バレーがことごとくチャンスを逸したのに加え、退場者を出した相手に逆に勢いを与える始末。76分に許したルーカスの得点は彼自身の技術も然ることながら、まさに必然。何も失うものがないFC東京は極めて中途半端なガンバのサッカーをメンタル面からいとも容易く攻略したといえよう。

 逆転優勝に一抹の望みを懸けての試合とは思えない90分間だった。評価できるところは何もない。結局は浦和との「2強時代」ともてはやされることへのこそばゆさが我々に残っただけである。水曜日に死闘を制してアジア王座の昇りつめた浦和もボロボロになりながらも負けはしなかった。鹿島が勝利したことで順位も3位に後退。もはや浦和だけでなく鹿島の今後にも左右されることとなった。

 リーグ終盤でモチベーションの上がらない下位チームに自ら起爆剤となる原因を与えてどうする。FC東京が今目の前の1試合を勝とうと必死になったそのモチベーションがガンバには無かった。そんなチームがリーグ王者にはなれない。
 試合後、突き刺さるブーイングの嵐を彼らはどう感じたか。これが初めてではない。何度同じことを繰り返すのか。天皇杯山形戦に続き、ナビスコ杯を制してから勝者のメンタリティは完全に失われてしまった。リーグだけ見れば前節も日本平で苦杯を味わったばかりだというのに。

 12.1に広島で何が起こるか。その最終戦までサポーターは信じ続けることができるだろうか。それは神のみぞ知るところだ。