写真1 水稲の棒掛け(ホンニョ) 北秋田市上杉(かみすぎ)
写真2 水稲の棒掛けと架干し(横に長い・最上段の田) 花輪線末広駅付近・鹿角市
写真3 水稲の架干し(4段) 北秋田市阿仁吉田
写真4 水稲の架干し(4段) 秋田内陸縦貫鉄道打当(うっとう)駅前
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1.水稲の自然乾燥方法は掛け干しと地干し
刈り取った水稲の天日乾燥方法、すなわち自然乾燥方法は、地干し(地面に干す)と掛け干し(竹や木材で組む骨組に、あるいは地面に挿し込む1本棒に地面から離れて掛ける。)に大別される。
1972年から3ヵ年にわたる全国調査では、掛け干し6割、地干し⇒掛け干し2割、地干し2割であった(『水稲慣行収穫法-その地域性と成立要因-』6頁、編集・発行:水稲慣行収穫法研究会、1975)。
2.掛け干しでは架干しが圧倒的に多く、他は棒掛け
掛け干しのうち、横に架け渡した木材や竹に掛けるのが架干し(写真2~写真4)、1本の縦棒に掛けるのが棒掛け(写真1・写真2)。2つの中では架干しが圧倒的に多く9割、棒掛けは北海道、東北6県、茨城県、滋賀県に分布(前掲書96頁)。
3.近年、人工乾燥が圧倒的に多いなかで、鹿角市・北秋田市は棒掛けと架干しもある
当ブログで採り上げる鹿角市と北秋田市を含む秋田県は、1970年代前半期、次のようである。
地干し⇒掛け干し8割。掛け干し2割。掛け干しでは棒掛け6割、架干し4割(前掲書13頁)。
このような棒掛けと架干しの混在は、30余年後の2009年においても写真にみるごとく混在している。
ただし、近年は1970年代前半期と大きく異なり、自脱コンバインで脱穀した籾をカントリーエレベーターやライスセンターで、あるいは農家個別で火力乾燥や除湿乾燥させる方法が圧倒的に多い中での混在である。
北秋田市上杉では棒掛けをホンニョと呼び、120~150把を積み重ねる高いホンニョもある。
カントリーエレベーター:乾燥、調整、貯蔵を行う大規模共同利用施設。エレベーター、貯蔵サイロなどを備える。
ライスセンター:乾燥・調整を行う共同利用施設。カントリーエレベータより小規模
引用・参考文献等:当ブログ2011年10月04日・同月05日・同月09日・同月15日・同月22日
執筆・撮影者:有馬洋太郎 撮影年月日:写真1・写真4;2009年10月14日、写真2;同月12日、写真3;同月13日 撮影地:秋田県鹿角市・北秋田市
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