おにぎり2個の里みち歩き 農山漁村の今昔物語

おにぎりを2個持って農村・山村・漁村を歩き、撮り、聞き、調べて紹介。身辺事象もとりあげます。写真・文章等の無断転載禁止

繭栄華小屋根に遺る冬景色 <養蚕遺構>

2013年12月22日 00時00分00秒 | 景観

写真1 2階建て住宅のトタン屋根に小さな屋根(越屋根)2つ 写真右に棕櫚1本


写真2 2階建て住宅の瓦屋根に小さな屋根(越屋根)2つ


写真3 落葉を掃く女性 写真2の住宅の奥様 写真左に棕櫚3本


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 群馬県は、日本農業が「米と繭」の時代、屈指の繭産出県、養蚕地域だった。
 その遺構を桐生市黒保根町(旧勢多郡黒保根村)に見る。

 一つは住宅の構え。
 横に長い2階建て、屋根に二つの小さな屋根・越屋根(写真1・写真2)。

 写真3の落葉掃きの人生ベテラン女性は次のように教える。
   繭になる直前の蚕を回転マブシに入れた。
   それをオーアゲ(筆者注:上蔟)と云っていた。 
   2階全部を使った。
   その時の煙抜きが、空気抜きが屋根にある二つの小さな屋根。
   暮らしは蚕を第一にした。
   そのため、オコサマと呼んだ。
   オコサマは義父母が世話した。
   自分は世話しなかった。
   今、夫と2人暮らし。
   子どもたちは、地区外に暮らし、この住宅を嫌う。
   冬は寒いなどと言って。
   壊すにも100万円以上かかる。

 すなわち、蚕を育てる保温のために火(薪・炭)を焚く。
 その煙抜きや空気抜きが小屋根、越屋根。

 執筆・撮影者:有馬洋太郎 撮影日:2013年12月02日 撮影地:群馬県桐生市黒保根町

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