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アートネタなど日々のあれこれ

裁かるるジャンヌ

2017-01-14 09:12:53 | 映画
ユーロスペースで「裁かるるジャンヌ」を見てきました。(この映画の上映は終了しています)

現役の日芸生さんが企画・運営する映画祭「宗教を考える」の一環として上映されていました。「裁かるるジャンヌ」って、サイレント映画の到達点ともいわれる作品で、前々から見てみたいとは思っていましたが、なかなかその機会がなく・・・今回、上映されると知って、ありがたく見に行ってきました。上映前に関係者の方のごあいさつがあり、このフィルムを持ってくるのが大変だったということをお話されていました。ますますありがたみが増してしまいます。

カール・ドライヤーといえば、むかしむかし「奇跡」は見たことがあったのですが・・・.もうあまりに昔のことなので、ストーリーはすっかり忘れてしまいましたが、何か特異なものを見てしまった、という記憶は残っています。「裁かるるジャンヌ」も、やはり特異な映画でした。

ジャンヌ・ダルクの異端審問裁判とその後の火刑を描いた映画です・・・と言っても、その後の感想が出てこない・・・。これを見てしまった後に何をかいわんや、という映画が稀に存在しますが、この映画もその一つなのでしょう。裁判劇をサイレント映画でやってしまう、というアグレッシブさもさることながら・・・クローズアップの多用でも知られた作品ですが、ほとんどジャンヌの顔芸、というか眼の映画。あの、熱に浮かされたような眼。あれが全てといっても過言ではないかもしれず・・・映画を見てから何日も経っているのに、あの眼が焼き付いて放れません。そして、最後、生きたまま火に焼かれるジャンヌが流す涙。でも、彼女の眼には神が見えていたのでしょう。信仰なのか、狂気なのか。彼女と同じような眼をして、神の名のもとに死についた人は、過去に何人もいたでしょうし、これからもいるのかもしれません。

ところで、この映画祭のラインナップ、他にも見てみたい、もしくは見たことのある映画がたくさん並んでいました。映画祭を企画した学生さん達の多くが、95年生まれ(!)なのだとか。95年っていえば、私、何してたかなぁ・・・(←遠い眼)。いやはや、頼もしい限りです・・・。
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