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Take on me

2022-06-08 01:36:22 | 映画
ヒューマントラストシネマ渋谷で「a-ha the movie」を見てきました。

80年代ポップスというと、ついついTake on meを思い出してしまうというのは、きっと私だけではありますまい…あの印象的なイントロとサビの突き抜けるようなファルセットは今でも鮮やかに耳によみがえってきます。この映画ではa-haの3人の出会いからバンド結成と解散、再結成に至る軌跡を追っていきます(以下、ネタバレします)。

1982年、ポール(g)、マグネ(key)、モートン(vo)の3人がノルウェーのオスロでa-haを結成しました。ポールとマグネは幼なじみですが、バンドの主導権はもっぱらポールが握っていたようで、マグネは元々ギターを希望していたのをポールに譲り、キーボードに転向しました。モートンはピアノから音楽に入りましたが、ある日、自分が歌えるということに気づき、ボーカルに転向、後から二人に合流しました。ポールがロック志向だったこともあって、3人は83年にイギリスにわたり、84年にTake on meでデビューしたもののぱっとせず、翌年にアレンジし直して再リリースすると今度は大ヒットになりました。実はこの曲の元々のサビは違うメロディーだったのですが、クイーンに関係していた人からファルセットを使えば売れるから、と言われてメロディーを差し替えたりもしていたようです。彼らのルックスが魅力的だったこともあってA-haはアイドル的な扱いを受けるようになり、次第に当初の志向とは違う方向へ向かいはじめ…いつしか3人の間に軋轢も生じるようになりました。音楽的なこだわりと野心の強いポールに他の2人がついていけなくなったという感じですが…。また、曲のクレジットを誰にするか、という問題もありました。曲の骨組みを創った人だけが作曲者になるのか、曲のイメージを決定づけるようなイントロやリフを作っても作曲者とはみなされないのか、なかなか根の深い問題ではあります…。一時期、バンド活動を休止し、3人がそれぞれのソロ活動に専念したこともありますが、2010年には解散します…が、2015年には再結成し、現在に至っています…。

結成から40年、性格も志向も違う3人を結びつけてきたものは何だったのか…友情ではない、音楽を通じた絆、と言い切っています。そんな3人の絆の象徴がtake on meなのでしょう…この映画では、Take on meがバージョンを変えて何度も流れます。歳を重ねた彼らがアコースティックで演奏するTake on meの美しかったこと…やはり運命の曲に運命の声だったのでしょう…。
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