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企業・組織再生現場からの独り言

仕事の中で、覚えていったこと。感じたことなどなどを記していきます。我以外皆我師也。あと、読んでいる本を簡単に紹介。

スピリチュアル再考・・・

2007年10月17日 | 本の紹介(ビジネス)
先日は、香山リカ氏の本について記事を載せた。といってもある種、一方的な判断もあるのじゃないか?と思い、もう一方から、すなわち江原氏の側の声についても見てみようと思い、最近の本「日本のオーラ」を手に取ってみた。
過去、一、二冊だったか、スピリチュアル系の文庫は手にとって読んだことはあったのだが、その時の印象は「道徳」のような、それでいて、自分は自分のままで「ありのまま」でいてよいよ、というような雰囲気を感じたのだったが・・・。この本は、ちょっとタイプが違っている。文中にもあるが、「スピリチュアリズム」という哲学から見た社会問題への対応についての本であった。
正直なところ、本書を読む限りでは、かかる哲学の根底にどういう考えがあるのか、がわからなかったのだが、ごく一部の叙述にあるオーラの色を除き、真っ当なことを伝えたいのだなぁ、ということは分かった気がする。
そうだよなぁ、と思った行は・・例えば、
○「社会全体に子どもの存在を受け入れる雰囲気が足りないような感じ」・・「ある企業のCMで、赤ちゃんが産湯につかっている映像を流したら、『自分の家にはこどもがいないのに、あんな映像は見たくない』と講義があって、うちきりになった」とかの事例など・・・まぁ子供に限らず、自分の価値観は絶対である。。という人が増えているようなことを懸念しているところ。
○「国語の勉強で、『たけくらべ』の著者は誰かを暗記しても、それは本当の教養とは言えない」、「『たけくらべ』を読んで、感動すること。そこに『愛』や『真善美』を見いだせたときに、本人の教養となる」というあたりもそう。
第18章(最終章)には、著者から丁寧にも、「スピリチュアル」「たましい」「霊的真理」という言葉への抵抗はあるかもしれないが、言っていることはまともだろう?という問いかけがある。いや、その通りで・・。

で、結論として。。日本でもそれなりに影響力がある人なんだろう。そう思って本を読んでみたところ、一部理解が及ばないところはあるが、まともなことを書いていた。
先日の香山氏の指摘もわからないではないが、これって受ける側の問題なんじゃないか?と。少なくとも、江原氏のこの本では、個人の幸せを追求せよ、なんてことは出てこないばかりか、逆に、そうした個人主義を諌めている。
同じ教典を読んでも行動が違う人がいるように、今の日本でも、例えば江原氏の言葉を聞いても、都合のよいところだけ咀嚼して理解したつもりになって、自己満足に浸っているような人がいるんだろう。香山氏はそういう人のことを、スピリチュアルにはまる人、と表現して・・ちょっとまずいんじゃない?って言っていたのだろうな。
そういう意味では、自らの発信した言葉が、時として都合よく使われてしまう江原氏も、残念に思っていることがあるんじゃなかろうか? その意味では、香山氏と江原氏による対談なんてのを見てみたいと思ってしまった。

なんだか、いつも以上にまとまりがない文章になってしまったが、この話については、また時間がたって考え直してみることにしようっと。いくつか、宗教家の人の本も読んだりはしているが(瀬戸内さんとか玄侑さんとか、あと荒修行の話など)、そのどれもが、別に熱心に宗教へ勧誘しているようなものではなくて、ある視点からのものの見方を説いている程度であるように思う。江原氏についても、この本は、そうした本の類書のように感じてしまったのだが。。。違うだろうか?

日本のオーラ 天国からの視点
江原啓之
新潮社

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こういうクイズで、本当に適性を測れるかな?

2007年10月15日 | 本の紹介(ビジネス)
外資系企業を中心に、この本で紹介されているようなクイズが、採用試験で使われることが多いのだそうだ。だいぶ前に、「ビル・ゲイツの面接試験」という本があったが、それに近い内容。というよりは、問題自体を多く紹介し、開設している本となっている。ビル・ゲイツの方は、もうちょっと現実的に考えなければならない問題も紹介されていたと思うが(富士山の話や、調律師の数)、こちらでは、頭の体操的な問題も少なくない。
表紙には、1m四方の立方体1000個で構成される10m四方の立方体のうち、表面上に見えている立方体の数はいくつか?というもの。まぁ、この問題くらいはネタバレまずいかな?見えていない数を数える方が簡単って・・・・答えなんだけれど。
実は、この問題の答えについては、疑問を持っている。10mの立方体が、宇宙空間で浮いているのならまだしも、通常地上では、底の部分は見えないはず。現実的には、底で周りから見えていない64個についても、引いてあげる必要があるんじゃないかな?と思うのだよね。
と、突っ込み入れがいのある設問もあったりして、楽しめるのだけれど。ま、これからそういった外資系企業の採用試験を受けてみようと思う人は、読んでおいて損はないと思う。
しかし、こういうパズル問題を採用で用いるということはどうなんだろう?って思ってしまうのだが。。市場規模の推測とか、そういう論理的思考と業界知識のチェックとかならまだしも、これじゃ本当に頭の体操に過ぎない。頭の体操自体は、暇つぶしにもなるし、徹底して考えるという意味ではとても価値があると思う。でも、仕事で、いったいどこまで一人で真剣に考え抜く必要性があるだろうか?
そうした企業で活躍してきたという触れ込みの人を少なくない数見てきたけれど、仕事の内容によってはかならずしも活躍できるわけではないなぁ、と思ったこともある。まして、投資銀行、ハイテク企業、戦略ファーム、って言ったら仕事のスタイルも異なっているわけで、各社が同じようなパズルばかり使っているとしたら、なんか大いなる間違いをおかしているんじゃないか?なんて思うのだけれどね。

いや、自分がこの問題をあまりできなかったから、ちょっと突っ込みをいれているだけなのが、なんとも情けないけれど。。この問題を使うとしたら、面接の段階よりも手前じゃないかな?と思ったわけで。
せっかくの面接の時間を、こういうパズルですごしてしまうなんて本当にもったいない。答えだけ聞けば終わりというか、正解、不正解だけで判断できるような設問は、なんとなく面接では使って欲しくないなぁと。

・・そういえば、適性と書くべきを適正としてしまった。。間違い、間違い(汗)

外資系企業がほしがる脳ミソ―採用試験の定番! 問題解決力を試す60問
キラン・スリニヴァス,辻谷 一美,外資系企業研究会
ダイヤモンド社

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早く続きが読みたい♪そんな漫画でした

2007年10月14日 | 本の紹介(ビジネス)
少し風邪をひいたのか体調が悪かったのですが、夕方大分持ち直してきて、池袋東武へ行ってきました。帰り道、ちょっと芳林堂へ寄って、面白げな本や漫画などないか?と見ていたら、なんだか見たことのある顔が。。哭きの龍、月下の棋士の顔でした。タイトルはアレルヤ。バイオリンを弾いている絵。
のだめのおかげか、クラシック音楽系漫画が見直されているのでしょうか?さそうあきら氏の漫画などぱらぱらと出てもいますが、能條氏の漫画があったとは。3巻出てるだけ購入して帰ってきて、読み通してしまいました。
ヴァイオリン弾けたらいいなぁ、とか自分でも思うのですが、左の小指が微妙に固く、ギター等弦楽器は全然だめな私です。妹はリュートの演奏家(アマ)なのにね。ま、話を戻して・・。能條氏の漫画ということは、かなりハイレベルな戦い!が見られることは期待できますよね。バイオリンの演奏において、人生いろいろ、人情いろいろ、そして演奏技術までいろいろでてくるようなストーリーが展開されるんだろう、って読む前から期待してしまいました。
それで、読み終えての感想(といっても、まだ完結は全然していませんが)は、当然のように期待を裏切らず、とっても楽しめて読めました。モーツァルトの5番については、読み終えてしっかりと聴き始めてしまったほど。
のだめの時もそうでしたが、聴いたことのある曲はそれで楽しめるし、聴いたことがない(もしくは、あまり覚えていない曲)についても、手元にあればCDを取り出し、なければネットで探して聴いてみれる、楽しい時代になりましたね。
能條氏のファンは、またけったいなジャンルを!なんて思っているのかもしれませんし、そうでない人にとっては、見向きすることもない漫画かもしれませんが、この漫画に限らず、氏の漫画には、人の暖かさを感じさせる部分が少なくないと思います。
ビジネスには直接関係ないけれど、どんな人も少なくない感情と思考をもっているということを忘れないようにしたいですね。

アレルヤ 1 (1) (ビッグコミックス)
能條 純一
小学館

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アレルヤ 2 (2) (ビッグコミックス)
能條 純一
小学館

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アレルヤ 3 (3) (ビッグコミックス)
能條 純一
小学館

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スピリチュアル考

2007年10月13日 | 本の紹介(ビジネス)
精神科医の香山リカ氏が、ここ数年市民権を得てきたスピリチュアルについて想いを綴っている本。氏自身は、スピリチュアルにははまらない側の人であるそうだが、結局、この本を読んで、どういう性格(または他のタイプわけ)の人がはまり、はまらないのか。。は明確にはならなかった。私の理解力が足りなかったのかもしれない。
指摘として印象に残ったのは、少なくない宗教が「世界平和」であったり「民衆の幸福」を願っているのに対して、今のスピリチュアルが個人個人(もしくは身近な人)の幸福について解いているということ。
指摘されてみて、そうだなぁ、と思ったが。。。これだけ広く受けいれられるということは、それだけ個々人が自分で抱えきれないほどのストレスを持っているということなんじゃないか?と考えてしまう。
書店にも、個人の幸福、成功についての本が多く並んでおり、逆に言えばそういう視点で多くの人が悩んでいるということなんだろう。
ふと思ったのは、同様の話が日本国内だけで流行しているのかどうか、ということ。日本くらい宗教が多い割に、無宗教な国もないのは有名な話だが、スピリチュアルは、ちょっと宗教っぽくないムードを漂わせていると思う。細木数子の説く「生き方」であったり巷の処世訓に近いものでありながら、ある種、目に見えないものをよりどころとしている分、宗教っぽい話もあるのだが。。。
外国では、かなり宗教が社会に浸透しており、その世界観から見たときにスピリチュアルがどのように見えるのかな?とも思った。香山さんは精神科医の立場なわけで、例えば、仏教各宗派とかキリスト教、イスラム教、教徒の人の話を聞いてみたくもある。

え?私自身はどうか?結構流されやすい人で、根拠が怪しかったという「マイナスイオン」や「水」などの健康話にすぐ乗っかってしまう人なんで。その意味では、それはそれとして受け入れる素地はあると思います。でも、ハマルかと言われれば、そこまで時間的余裕がない、かなぁ。

最後に。「星の王子さま」では、こころの目で見ることが重要とされていたように思います。かんじんなことは目には見えないもの。前世については、よくわかりませんが、江原さんって心の目はとっても豊かなんじゃないでしょうか?


スピリチュアルにハマる人、ハマらない人 (幻冬舎新書)
香山 リカ
幻冬舎

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常識、非常識? 考えること

2007年10月13日 | 本の紹介(ビジネス)
社会のいろいろな問題について、ビートたけしがその道のトップの場所にある(あった)人にいろいろと疑問を投げかけている、そんなインタビュー集とでも表現すれば適切だろうか?一部に、茶化したような表現もあるものの、ただただメディアで流れてくる情報を吸収していくだけでは思いつかないような視点で、様々な相手とかなりつっこんだ議論をしてしまうビートたけし。この人の本はいくつか目を通したことがあるが、いや本当にすごいと思ってしまう。
すごい、とは言っても、物事に天才的なひらめきで突っ込みをいれるのではなくて、いたって真っ当な方法で突っ込みをいれており、論理も明快、言外の情報ではなく、できるだけ説明的にまとめられていることもあり、よくわかる本になっているのではなかろうか?
映画監督としても、その実力を見せつけている「たけし」氏だが、ものすごくロジカルに考えることができる人なんだなぁ、と今は感じている。つねに壇上で、舞台で、テレビで、見られることを意識して言動しているのだろう。専門家のわかりにくさ、とは対極にあるように感じてならない。
日頃、テレビは見ないわたしではあるが、彼の番組については、気をつけて見てみようかと思い始めたのだった。
忙しくて、たけしなんて見てられない、本なんて読んでられない、という人も、気になる人との対談のところだけでも、ちょっと見てみてはどうだろう?文庫だし、かばんにポケットに入れておいてよい本ではないだろうか?

巨頭会談 (新潮文庫)
ビートたけし
新潮社

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ここまでは、さすがに本は読めないけれど・・・

2007年10月11日 | 本の紹介(ビジネス)
中島孝志氏と聞くと、いろいろなビジネス系ノウハウの本の著者であることを思い出す。なんと年に3000冊にも目を通しているのだそうで。同じようなタイトルの本に「レバレッジ・リーディング」という本があるけれど、この本も、自称多読人に向けて書かれた本なんだと思う。読まない人は、結局読まないからなぁ。
年3000冊、必要あって読んでいるとのことだが、外れが2400冊あるのだという。選んで買って当たりが2割(もちろん、ネット買いの2400冊を入れての数字だそうだが)。これだけのプロですらそうなんだから、当たり本を見つけるのが如何に難しいかってことか、と思ってしまった。
書店などで、じっくりと見て回る日もたまにはあるのだが、最近は特に、ぱっとしない本が増えているのかなぁ、なんて感じてしまう。できるだけ外れを買わないようにしなければ。。
仕事でいろいろ本を読まなければならない人、また、いろんな意味でスキルアップを目指している人にとって、ざっと目を通しておいて損はない本だと思うので、どこかで目にしたら、ぜひ中身をのぞいてみて欲しい。

蛇足だが・・。世の魅力ある女性たちが、もっともっといろんな本を読むようになったら、男ももっと本を読むようになるんじゃないかなぁ、なんて思った。本から得られるのは知識だけではないと思う。行動に移せないこともあるかもしれないが、どこかで役立つんではないか?
仮に余命が限られる(目に見える)立場になっても、名著と呼ばれる本を読んでいそうな自分としては、本を読まない(それも人生とは思うが)人を見て、そんなことを感じてしまう。

キラー・リーディング 「仕事脳」が劇的に回り出す最強の読書法 (JBシリーズ)
中島 孝志
実業之日本社

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フサイチの馬主は、ただ者じゃないですね。。

2007年10月10日 | 本の紹介(ビジネス)
他の著書も以前紹介したことが会ったと思いますが、このリーダーシップ本、なかなかの出来上がりではないでしょうか?見た目と豪快さで、キワモノ扱いされそうな人ですが、人の使い方、そして戦略家としては、本当にすごい人なんだろうなぁ、と思います。
リーダーはどうあるべきという話(そんなにたくさんはないけれど)についても、肯きながら読みましたが、彼のようにしっかりと稼いだ人がお金を豪快に使うことについて、明確に記してあったのは納得でした。
所得格差よりも資産格差・・このブログでも何度かそういう話を取り上げていますが、資産のある人が使わないから、フロー経済が弱くなってしまう。だから更に格差が助長されるということ。。資産税みたいなのを、やっぱりやるべきなのかもしれませんね。
本書は、そんなに分厚くないし、全部を読むことも、そう苦ではないと思います。ただ、3章だけは、自伝的で、読み物的。1章・2章あたりはノウハウ本としても読めます。4章・5章が、著者からのメッセージであり、最悪、4,5章を立ち読みでも。
わたしにとっては、内容もそうですし価値はあったと思いますが、薄さからするとちょっと高いかもしれませんね、価格が。一冊一冊のコストは、たいていの読者にとっては数百円の差なんでしょうが、たくさん読み始めると結構な額になる。
大富豪らしく、大盤振る舞い・・なんてできなかったかなぁ♪と。いい本なんだし、読者が社会を変えていく!と考えたら、500円くらいの設定にして(笑) ただ売った書店には、著者から報奨金を出す。。みたいな。


豪快!リーダーシップ論 (ベスト新書 146)
関口 房朗
ベストセラーズ

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経営者、そしてリーダーの格差

2007年10月09日 | 本の紹介(ビジネス)
カネボウで「変われない」会社を見てきた著者が、格差について論じている。副題に「会社がワーキングプアを助長する」とあるように、企業の盛衰によって、図らずもワーキングプア側になってしまう人が、現在もそして将来も出てくることを論じている。
近年、自己責任という言葉がよく聞かれるようになったが、会社の場合どうかなぁ、と思ってしまう。寄らば大樹じゃないけれど、カネボウ、雪印、加ト吉、三菱自動車、言ってみれば世間では優良とされる企業が、おかしくなったり、粉飾をやったりしてしまう。ほとんどの従業員は、うちの会社おかしいんちゃうか?なんて考えたこともなかった(まぁ、業績が悪くてボーナスが出なくなると、考えることはあるでしょうが・・赤字でも賞与を出す会社たくさんありますからね)んじゃないか。
会社、そして組織は、リーダー次第でどうとでも変わる。これは、特に変革が必要な時期のことと思います。景気もよくて、業績も上り調子の時は、トップは何もしない方がよかったりもする。もちろん、先を見て、いろいろ新たな手は打つことはあるにせよ、好調時に大なたを振るう必要までは、あまりないだろう。
ただ、安定期が続いている会社では、なかなか変革が難しい。先行きが暗くなりはじめたことを敏感に感じ、また変革するにはトップの決断が不可欠だ。そのタイミングに、適切なトップを据えることができるか、できないか。これは従業員(および経営陣)と株主の責任なんだろうけれど、なかなかうまくいかないだろう。企業の寿命が30年と言われたのは、例えば景気の循環にあわせて変革できる会社がいかに少ないか、ということを示しているのではないか?
で、この本。変革・決断できない経営者が、格差社会の原因の一つではないか?と言っているのだけれど、言い得てるなぁと思ってしまう。業績が悪い状態が長く続いている会社のトップは、やっぱり決断できない人であるように感じるのだ。
また、これは会社という単位の話にとどまらない。もっと小さな単位、すなわち部や課、チームと言った単位でも同様のことが言えるのだろうとは思う。収入面での格差ではなくて、QOL(Quality of Life)の格差が確実に出てくるからだ。
何らかのリーダーである人は、一度この本を見てはどうだろう?じっくり読めばよいが、少しのエピソードを立ち読みするだけでもよいと思う。私自身も、反省しながら読み通したものだった(もちろん、反省だけじゃなく、あの社長はなぁ・・なんて考えながらだったけれど)。
ところで、この本ではワーキングプアという表現が使われている。最近は、金融資産の格差とかもいろいろ言われているが・・・。今の日本だと、やっぱり土地持ちやビル持ちなどの不動産リッチが、少なくない固定的な収入を得て、ゆったりすごしているように感じてならない。まぁ、そういう格差も含めて、政治家というトップを選んでいるのは国民なんだけれどね。(企業では社長は選挙で選ばれたりしないから、よりたちが悪いということは、上ではあえて書かなかったけれど・・・考えてはいます)
政治の透明性が叫ばれるようになって来たこの時代。企業(特に、上場の大企業なんか)でも、透明性がより求められてしかるべきかなぁ、なんて思ってしまう。密室で社長が決まる・・・そりゃ仕方ないのかもしれないが・・・。。総会で役員を選出して、その役員の中で社長が決められている、というような会社がどれだけあるかなぁ、なんて思ったりする・・。


経営者格差 (PHP新書 483)
藤井 義彦
PHP研究所

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スタバだけじゃない。。身近な経済の話

2007年10月05日 | 本の紹介(ビジネス)
「スタバではグランデを買え!」このタイトルを見てどう思ったかというと、また、そういう刺激的なタイトルで売り込もうとしてるんだ、と思ってしまったのだった。まぁ、ざっとページをめくってみると、携帯電話の料金明細が分かりにくい理由とか、いろいろと面白げなことが記載されていたので、勝ってみたのだったが・・・。実に明解な本。経済でいうところの比較優位を、すごく分かりやすく説明している本であると同時に、卑近な話題で読む人に本を手放せなくさせるほどであった。(わたしだけ?)
特に、お勧めしたいのは・・・スタバの話、もちろん「グランデがお得」ではあるが、その裏でお店がもっと得をしているということ。コンサル時代は、仲間達とお店に入っては、利益構造を推測していたが、そういう話が紹介されている。あとは、第七章の経済格差の話と、第八章の子供の医療費無料の話。そして、最終章にある、ステーキ屋と焼肉屋、子供むけビジネスの話かな。
携帯電話の話は、興味深い話ではあるけれど、わかったからといって、すでにどこかのキャリアに囲い込まれている消費者としては、キャリアを変えるという判断がなかなか難しい。どのプランを選ぶかという意味では、最新の各社のプランをしっかり眺めたらいいのであろうと思う。電話機自体の使い勝手の問題もあるし、ほんと、携帯だけで一冊以上の本が書けそうなので、まぁ料金プランの説明を軽くしておいたのだろう。
子供の医療費無料については、本書の中で最も読まれて欲しい部分である。まぁ、その前の、経済格差のところを合わせて読まなきゃならないだろうけれど。資産リッチと、所得プチリッチ(共働き)、結局しんどいのは共働きになってしまうという話は、分かりやすかった。時間コストが高い人にとって、小さな額の無料化で、逆に負担すべきコストが増えるというのは、これまで見過ごされてきた議論だと思う。
機会費用(機会損失)について、もっと認識が高まれば日本の国ってまだまだ効率化できるし、住みやすくなる。そして、少子化にしてももっともっと軽度に進んでいくのじゃないかなぁ、と思ってしまう。政策が、見えるストックとフローばかり考えているうちは、それは難しいだろうけれど。。

スタバではグランデを買え! ―価格と生活の経済学
吉本 佳生
ダイヤモンド社

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できるボス! あなたは当てはまりますか?

2007年09月24日 | 本の紹介(ビジネス)
社長秘書という、ほとんどの人にとってはあまり接触することのない人が書いたとされる、できるボスについてのお話。内容は、できるボスの条件というよりは、できるボスだった、彼女のボスはこんな人だったよ、というお話です。
実話?かどうかは、わかりませんが、そういうことってあるだろうなぁ、と思えるような内容。すべてが実話とは思わないものの、よくにた話はあちこちであるんだろうって思うほど、リアルに書かれています。こういうのを、うまーくドラマ化とかしてもらいたいですね。
しかしここで出てくるボス、本当によい社長っぽくて、読んでいて「いいなぁ」と思ってしまいました。社長という仕事は、相当たいへんなんだそうで、いろんな責任が、他の役員とは全然違うとのこと。そういうボスがどんな動きをしているのか、かいま見ることができます。
ある種のエンターテインメント本としても読めるような仕上がりであり、加えて、このボスの人格であり、また決断力でありを、読むことも勉強になる。久々の、ヒット作!(わたしにとってですが)です。読み終えて、知り合いの社長に渡してしまいました♪
さすがに自分の会社の社長には渡せないけれど(汗)
だまされたと思っていただいてもいいですが、この本は本気でおすすめします。著者が自分の話を誉めたのではなくて、ボスの話を誉めている。なんかこういうたぐいの本ってあまりなかったなぁ、というのも新鮮ですしね。

現役社長秘書が語る できるボスの条件
京野 友香
ダイヤモンド社

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日本沈没っぽいようなお話

2007年09月16日 | 本の紹介(ビジネス)
邪馬台国の話で、それなりに有名な小説家である鯨氏。近鉄の駅で置いてあったので、手持ちの本はあるものの、買ってしまった。いや、まるで読みやすい日本沈没のような感じの本で、楽しめてしまった。名古屋から東京への新幹線の中でちょうど読み終えたのだが、一気に読み終えてしまったのだった。
歴史系ミステリーの人だと思っていたのだけれど、しっかり現代のエンターテインメント小説なんかも書いておいでだったんですね。いや、映画版の日本沈没のような、というかあの映像を思い出すような感じで、どんどん話が進んでいきます。
ただ、映画化するにはあまりにそのまんまの話になってしまいそうで(笑)それくらいビジュアルにうかんでくるようなお話でした。
いつかは噴火する、とか、いつかは関東に大きな地震が来る、と言われていますが、それがいつかは誰も分からない。明日かもしれないし、5年後かもしれない。ひょっとしたら、大分先の話なのかもしれないです。
こういう災害ものは、たまには、危機感をもつために読んでみるのがよいのではないかなぁ、とは思います。ノストラダムスみたいな話と違って、現実性が高そうな気がするのは、気のせいでしょうか?

富士山大噴火 (講談社文庫)
鯨 統一郎
講談社

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クイジング手法♪ それってありですね

2007年09月10日 | 本の紹介(ビジネス)
クイズを使って、自ら興味を持って勉強してもらえるようにしましょう!というお話です。企業が広告を出す時、どうすれば顧客が自ら「もっと知りたい」と思ってくれるのか。そのひとつの考え方のもとに、クイズとAIDMAを核として答えた内容ですね。
AIDMA自体は、いろんな人がもう古い!と言って別のフレームワークを提示していますけれど・・。だから、マーケティングという視点では、必ずしも最適ではないかもしれません。
ただ、興味を持たせるということについては、明らかに相手が見えている環境などでは、まだまだ有効なフレームワークかもしれないな、とは思っています。で、そのための手法として、クイズを使いましょう!というのは、ひとつのひらめきであり価値があるように感じます。
企業のキャンペーンで、クイズを答えさせるものがありますが、そうしたものの多くは捻っていなくて、あまり価値がない!と筆者は断言しています。たとえば、△△という商品は、おかげさまで○○周年!、という文章で○○を答えさせるとか。すぐ横にヒントがあって、それを書けばよいだけ。それじゃ、お客の頭に残らない!というもの。
クイズを使ったテクニックは、本書を読んでもらいたいと思うので、最小限の披露にとどめたいと思います。ただ、ひとつくらいはいいかな?
「富士山」を答えにするクイズを作りましょう!というもの。小学生なら、日本で一番高い山は、というクイズを作るだろう。でも、いろんなことを知っている大人なら、それじゃ味気ない。
ほぼ100%の人が正解する問題で「富士山」を答えさせること。また、ほとんどの人が間違える問題で「富士山」を答えさせること。これらは、まぁ、やる気になれば可能だろう。じゃぁ、正答率が20%、40%、というのを想定して(もちろん、回答者のタイプを限定しないと意味がないが)作らせるとどうなるか!
なんかとっても勉強になりそうな気がする。

なお、本書では、上記のテクニック以外の、ちょっとマーケティングをかじったひとにとっては当たり前のような話もたくさんはいっているので、テクニックだけならば全体の2~3割ってところです。でも、それだけの価値はありますよ。

顧客と語らえ! クイジング入門
弘中 勝
現代書林

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上勝の再生の話。ほんまにがんばっとんなぁ♪

2007年09月03日 | 本の紹介(ビジネス)
日本で一番糖尿病の患者の比率が高い県にありながら、特に女性については糖尿病が全国平均よりも少ないという、驚異の町、上勝町。おばあちゃん達が「葉っぱ」を栽培して売っている話は、かなり人に知れるようになっているので、ご存知の方は相当多いと思います。
この仕掛け人というべきか、上勝を再生するきっかけとなった著者が、これまでについてをまとめた本。えぇ話やなぁと思いながら読みました。会話の中に、古き時代の阿波弁がでてくるのが、なんともうれしいですね。
徳島の山奥で、あんなに元気に暮らしている高齢者がたくさんいる一方で、うちの実家では、1名入院+1名要介護。同じ徳島でもえらい違いやなと思いました。きもちの持ちよう!やとは思いますが、一度、上勝に連れて行ってみたいくらいです。
徳島の農業(水産業も含めて)って、関西の食糧庫とも言われるくらい、結構規模もあるし、それなりの品質を維持していると思います。10年以上前に、農業青年者会議?のちょっとした議論に参加したことがありました(これは徳島市の集まりだったか?)が、当時から若い人の考えを結構取り入れる風土があったような気がしていました。農家って古い考えの人が多いんじゃ?と思うかもしれませんが、現在は相当先進的な人多いと思います。
その例のひとつが、上勝だったんでしょう。本書の最後には、上勝の再生・躍進について、他にはない重要な要素があることが書かれています。「人のつながり」なんだそうです。
企業の再生にかかわって(戦略コンサルも含めれば)10年、再生においては、いろんな指標や、新しい取り組み、コンセプトも重要とは思ってきました。それ以上に、現場での人の気持ちのもっていきようが最重要、これはずっと思ってきたことです。いくらコンサルや株主の立場で、あれこれ言ってみても、最後に力を持って遂行したり、人の前にたって動いていかなければ、渦をまくことはできないなぁ、と。
そうした、思いと行動をもった人と、もっともっとコミュニケーションしていきたいと思います。まずは、この本、手にとって見てください。そして、感想などお聞かせ願いたく。


そうだ、葉っぱを売ろう! 過疎の町、どん底からの再生
横石 知二
ソフトバンククリエイティブ

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コストのお話・・・常識を破る?かな

2007年08月27日 | 本の紹介(ビジネス)
前著書の「コピー用紙の裏は使うな!」(タイトル名が正確でもないかもしれない)と比べると、一見詳しそうに見えるのですが。。。それは電気料金についての話でした。前著では、コストについての考え方について書いてありましたが、今回の本は実践書。電気料金については、価格自体がどういう風に決まっているかが契約でオープンになっているから、なんだと思うのですが、かなり細かく書かれています。
世の中には(電気以外は)、大口顧客向きの割引とかがあったりしますから、無難な領域についてのみ、本に書いたんじゃないかとも思うのですが・・・。
コスト削減というと、量の削減や、取引先いじめが気にかかると思います。そうじゃなくて、お取引先のコスト構造を知って、場合によっては先方にとっても得になる、そんなコストの削減方法を考えてみませんか? そりゃそうだなぁ、と思いますね。
基本的には、企業経営の話ですから、単発で購入するものと言うよりは、継続的に購入するものの、についてのことですよね。だから、一方的な値下げ要求なんてのは、正直あまりよい慣行とは思わないです。ただ、その取引先なんかが、そもそも高い値段を吹っかけてきている虞があるわけで、だから、世の中でその価格がいくらなのか?というのを調べることは意味があるでしょうね。
ウェブを見ると、こちらの会社、成功報酬らしいので一度話を聞いてみるのはいいのかもしれないです。まぁ、同様に同じような業務をやっている会社は他にもあるから、じっくり調べたほうがよいでしょうね。


コストが見えれば、会社は伸びる! 常識を破る「削減」の方法と実践
村井 哲之
PHP研究所

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楽しく読める本。本番に強い人

2007年08月19日 | 本の紹介(ビジネス)
この本も、よくありがちな、○○な人、××な人の類の本のひとつではあります。いろんなエピソード満載で、あぁあるある、と思って読めるような本ですね。まぁ、ひとつためになったというか、紹介しても良いなと思ったところがありましたので、紹介です。
それは、人前でしゃべるときのレジュメの作り方についてです。あまりに細かく作りすぎると、そのとおりにならなかった場合の復旧(旧というのはおかしいかも)が難しくなる、ということ。えてして、自らが思い描いたストーリーどおりには物事は運ばないものですからね。
じゃぁ、どういう準備をしておけば良いのか、というところがとてもよかったですね。全部を紹介してはなんなので、一部だけ・・。もっとも重要な本旨の部分については、キーワードとストーリーをポイントで用意しておくということ。それでも足りないときは・・・については、本書をご覧ください。
あと、印象に残ったのは、焼肉面接と社長が採用に乗り出しすぎるエピソードについてです。焼肉面接は、確かに言えていますね。焼肉に限らず、お好み焼きでも良さそう。また、採用であまりに強く引っ張られると、逆に物怖じするというか、心配になってしまう例(そういう流れでは紹介されていませんでしたが)が、身近にありそうな話として共感できました。
気軽に読める、逆に言えば内容はちょっと少なめ、ではありますが、上記3点については、あまりほかでは見なかった事例です。他にも良い点あるとは思いますが、思い出せるところを記させていただきました。

本番に強い人、弱い人 (PHP新書 458)
本田 有明
PHP研究所

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